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2012年5月17日

福島県の18歳以下医療費無料に思う

福島県の佐藤雄平知事は14日、全国初となる18歳以下の福島県民医療費無料化の実施決定を正式に発表しました。

これは野田総理が来県した際にこのことを国に打診しましたが「国としてはできない」との回答がなされ、県独自での実施を検討した結果、必要な予算(年約47億円で、県民の健康管理調査のため創設した「県民健康管理基金」の一部を充てる)も整うこととなり、6月の県議会に関連予算案を提出し10月から実施する運びとなりました。

第一の目的は、子育てしやすい環境を整え、東京電力福島第一原発事故で県外に避難している児童・生徒に戻ってもらうのが目的となっています。

この発表にネット(二つちゃんねる)上の無責任な輩は「やっぱり福島は危険なのか」とか「知事や公務員は自分の給料が減るから納税者を増やすのだろう」とか好き勝手なことをほざいておりますが、私達県内に住む者にとって凄い決断だと賛辞を贈りたいと思います思います。

ただ、その発表から具体的な内容があまりなかったので以下のような不明な点をどうするのか私なりに調べてみました

<疑問>

  1. 対象年齢は18歳以下というが、震災以前などすでに県内の市町村単位で独自に行ってきている「こどもの医療費無料化策」との兼ね合いはどうなるのか?
     
  2. 福島県外に避難している対象年齢者はどうなるのか?

<その答え>

1、年齢について

  • 県内全市町村で共通するこども医療無料化年齢が‘小学3年生以下’であることから、県が行う無料化の対象年齢は「小学4年生」から「18歳」までの医療費を全額補助する制度となる。
    小学3年生以下はこれまで通り市町村が医療費を負担となるが、幼児・乳児への県からの医療費補助制度は継続となる
    (※、当初90億円の予算負担が予想されたが4年生以上としたことで47億円で済むこととなった

2、県外避難者について

  • 県外避難者が避難先で受診した場合も、福島県内に住民登録があれば、無料化の対象になる。
    やり方としては、保護者がいったん医療費を払い、後で住民票のある自治体に請求する方向で検討している。(4月1日時点での18歳未満の避難者は約1万7800人

ザッと簡単に言えばこういうことなのですが、ちょっと頭が働く方はまた別の疑問点が出てきたと思います。
2番での内容ですね。「県内に住民票が有れば対象となる」、これです。

国が強制的に避難させた福島原発に隣接する市町村や放射線量が高い地域は、自治体の役場機能自体も移動しているため、そこに住む住民は県外でも住民登録は元の自治体のままなのです。ですから、県外に居ても“福島県内に在住”という特別な形態になっています。
ですから、強制避難地域の避難者の方たちはこの無料化制度でなんら問題にならないのです。

問題は強制避難区域以外、つまり避難する必要性が無い地域の住民で自己判断で県外に避難している「自主避難者」の人々です。
この方たちも、特別処置として住民登録を移動しないままの人がほとんどなのです。大人はいいのですが、中学生小学生がこの場合問題になります。

法律上では「義務教育の場合、転居を伴う転校の際には住民票の移動が必要」となっています。震災後は特別処置として住民票の移動が無くても小中学校に転入できていました。
こういうのを「広域入所」というんだそうです。「広域入所」は転入前の自治体と転入先の自治体が双方が理由が正当であることを認めた場合のみ許可されるものです。

許可が出ない場合、住民票の移動するしかないわけで、震災から1年経って特別処置を止める自治体が現れ、それに伴い自主避難者の中では離婚して住民票を移動する夫婦が増えています

自主避難の母子の多くは住民票を移したがらないのが現状ですが、子供のためにと移動してしまった場合、今回の無料化の対象からは外されます。

現在、県外へ自主避難した小中学生の総数約1900名(いわき市=約1100名、中通り=約800名、会津地方=約10名)だそうですが、親の判断はどうするのか?

自主避難した家族などにとってはジレンマでしょうし「戻る、戻らない」の判断をさらに強いられることになるかと思いますが、不安で安全だと思われる他県に自己判断で避難した方々よりも、ハッキリ言わせていただければ同じ不安な気持ちでも行政の言うこと「避難せずとも大丈夫」を“一応信じ”従って県内残留を選んだ人々の方を優先するのは当然の流れだと、私は思います。

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コメント

この制度、いつ頃まで続けるつもりなんでしょう?
まことに良い制度だとは思いますが、数年後には無理・歪みなどが出てくるような気がします。

投稿: もうぞう | 2012年5月17日 19:34

もうぞうさんへpencil

各市町村の負担部分が有るので、よほどのことが無い限り、廃止されることは無いと思われます

投稿: 玉井人ひろた | 2012年5月17日 21:43

毎日新聞の記事で読んだのですが広島県の医療体制は他県より手厚く、結果、平均寿命は他見より長いと聞いています。福島県の方々が丁寧に健康保持されますように。原発のせいですから。

投稿: 山口ももり | 2012年5月22日 10:39

山口ももりさんへpencil

予算との兼ね合いもありますが、体制は維持してもらいたいですね

投稿: 玉井人ひろた | 2012年5月22日 11:37

目的が、福島県に人を呼び戻す事ならわかる制度。今回は、被曝してから数ヶ月たってから自主避難した子供たちは、国からも県からも何の支援を受けれれないという変な話でまとまりましたね。
検査も福島県内でしか行えず、仮に避難先に住民票移してなくとも、避難先での生活で医療費窓口一時支払いもままならないなら、受診すら出来ないでしょう。原発を誘致した福島としての責任は、被曝させてしまった子供たち全員にもつべきですよ。それ以前に国策なら、この件は国は原発事故対応として、やるべきことです。

投稿: はる | 2012年5月26日 12:06

はるさんへpencil

別な見方をすれば、県独自だから18歳まででなんとなく理解しようと考えますが、国でやるなら最低でも40歳以下を対象にしないと、県民の多くが異議を唱えると思われます。

責任問題を含め、線引きは難しいところでわたしのような凡人では決断できません。

投稿: 玉井人ひろた | 2012年5月26日 15:02

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