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2014年6月19日 (木)

住まいは夏を旨(むね)とすべし

ちょっと前、暑い日にわが家を訪ねてきた叔父が言ったのです。

やっぱり、家は南向きは暑すぎてダメだ。昔っからの東向きがいい

そう言われて、母の実家である叔父の家は建て替える前の古い家は東向きだったこと、さらに、叔父の家に限らず2~30年前までのわが地域の家屋はほぼ全部‘東向き’に家屋が立てられていたことにも気が付きました。

そして、夏はどの家でも今よりとても涼しかったことを思い出しました。

鎌倉時代(1200年代後期~1300年代)の役人ながら歌人として今でも知られている人物に「吉田兼好」がいますが、この吉田兼好が随筆「徒然草」のなかで「住まいは夏を旨とすべし」と記載しているそうです。

エアコンも無い時代、暖は何とかとれる冬に比べ高温で多湿の夏こそが最も人にも家屋にも辛い季節でした。
それ故に、昔から日本では「人の住まいは夏に重心を置いて考える」ということが自然に出来上がったことはちょっと考えればわかることです。

田舎の民家や文化財になっている古い建物を訪れたときに、真夏でも家の中は冷房が無いのにひんやりとしているのは、その先人の工夫からくるものです。

そこで、どんな工夫があったか?

基本の考えは、‘風通り’をよくすることです。

1_2 その1>夏に最も多い風向きに合わせて家を建てる

  • 例えばわが地域では、西よりの風が最も多い
    そのため、西側に風窓のような開口部を設け、南北に長く、風が抜けていく東向きの建物になる。

その2>風が各部屋を巡るようにする

  • 部屋を仕切る場合は壁ではなく、障子や襖などの取り外しが可能な建具を用いる。

古い我が家は南側には一切窓が無く土壁でした。もちろん叔父の家も、その通りになっていました。
なるほど、ちゃんと日本家屋の基本を守っていたことになります。

さらに日本家屋は日差しを遮るように建てられるので、暗い部屋になるのは当然だったのですね。
わが家は床も高く(2尺ほどあった)、こどものころ土間から上がるのに一苦労でした。これも湿気対策ですね。

それに比べ、現代住宅はそとの気温を高性能なサッシや、断熱材や外壁材で防ぎ、ほぼ一年中同じ環境を保とうとする作り方です。

これは、冬は外よりちょっとだけ家の中が温かい、夏はちょっとだけ外より涼しいという、ちょっとだけの温度差で暮らしていた生活とはかけ離れた“電気ありき”の暮らしだと言えます。

あまりにも古と考えが違う今の暮らし、少し考えるときが来たのではないでしょうか?

ちなみに、わが家は未だにエアコンがありません(自慢にもなりませんが

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コメント

エアコンなし・・・中京の立て込んだわが家では想像できません。ゆで豚になってしまいます。東北は少しは涼しいのでしょう???

投稿: 山口ももり | 2014年6月20日 (金) 08:39

エアコンなしはビックリ!ですね。家の向きが東向きがいいのは合理的に考えてるんですよね。昔の人は偉いです。

投稿: 吉田かっちゃん | 2014年6月20日 (金) 18:19

当地で多い南側に仏壇や床の間を設置するのは、日が差さないようにするためでしょうか?

投稿: もうぞう | 2014年6月20日 (金) 19:44

山口ももりさんへ

単なる、慣れとお金が無いからで、決して涼しくはありません。一度使ったら止められないでしょうね
  
  
吉田かっちゃんへ

近所は皆エアコンが有りますよ
  
  
もうぞうさんへ

当地は、西側か北側が多いですね。我が家は、床の間は西ですが、仏壇は南にあり菩提寺の方向を向いています。

投稿: 玉井人ひろた | 2014年6月20日 (金) 20:23

私の家もエアコンがありません、あっても空気(暖気も、冷気も)が抜けてしまう家ですから無意味だとも言えますけど

投稿: 空 | 2014年6月21日 (土) 07:29

空さんへ

エアコンは密閉性が高くないと、電気代に跳ね返るそうですからね

投稿: 玉井人ひろた | 2014年6月21日 (土) 07:58

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