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2014年8月19日 (火)

脚気(かっけ)

江戸幕府の天下となったころの江戸の町では「江戸患い」という恐ろしい病が大流行しました。現在で言う「脚気」という病です。

今ではビタミンBの欠乏症で起こる病気であることが知られ、病とまでも思えないほど簡単に治る疾患になりましたが、原因も解らなかった当時は患った人のほとんどが死んでしまうのですから、恐ろしい病でした。

それは、日露戦争で戦地の陸軍兵の兵隊が脚気によって3万人近くが死亡している悲劇まで起しています。
※、徴兵制が無かったころ陸軍は兵隊募集の手段として「入隊すると白米が食える」というのを使ったため入隊後は白米を支給、海軍は脚気などを警戒し麦飯を出していたという差が出た

その「脚気」ですが、猛暑の今の季節にかなりの多くの人が患っているというのです。

ビタミンBといのは「水溶性ビタミン」というもので、水に溶けやすいビタミンなのです。つまり、猛暑で汗をよくかくと、その汗にビタミンBが溶け込み流れ出してしまうというわけです。

そして、結果として脚気になるというのです。

  • 「しっかり寝たのに疲れがとれない」、「全身がだるい」、「倦怠感を覚える」、「食欲がない」、「足がむくんだりしびれたりする」

上記のようなものが初期症状だそうで熱中症や夏バテによく似ています。

脚気の場合はそれから『下痢、体重減少などの症状も現れ、重症になると、心臓の肥大から心不全により・・・・(死亡)』・・・・現代ではそこまでは行かないでしょうが、油断はできません。

ですから、予防のためにもビタミンB1を多く含む豚肉、卵黄、豆類やビタミンB群を吸収しやすくする作用があるニンニクやネギを摂取するように心がけたほうが良いようです。

それにしても、脚気予防に良い食べ物ってなんだか‘冬の鍋物’に使われる食材が多い気がしますよね。

追記

日露戦争で、陸軍には3万人もの脚気による死者が出たのに対し、海軍には死者が出なかった理由には、陸軍が「兵隊には白米をたっぷり食わせたい」という親御心の他に医学的な背景もあったのです。

<日露戦争に起こったもう一つの戦い>

   『陸軍:脚気の伝染病説』 VS 『海軍:脚気の食事内容説』

東京帝大に赴任中のベルツ博士(ドイツの内科医・)の進言もあって、東京帝大・衛生学教授の緒方正規(まさのり)博士(後に学長を務めた)らは脚気を細菌感染による伝染病と考えていた。(脚気病菌発見の論文まで発表している)
上記の考えを基に日本帝国陸軍では、、陸軍軍医総監・石黒直悳ただのり=福島県出身)、そしてその後任で東京帝大医学部出身の陸軍軍医総監森林太郎(=森鴎外)らも脚気伝染病説に同調し、それを基本とした兵への対処を行っていた。

21回図4.jpg 一方、帝国海軍ではイギリス留学の経験のある海軍軍医・高木兼寛かねひろ)が、脚気が米飯の習慣のない欧米では見られないことに着目し「脚気は(米飯中心の)食事が関係しているのではないか?」との考えに基づき、海軍の練習艦の遠洋航海中の食事を麦食やパンに変えるなどの米飯中心の食事と比較実験を重ねた。

その結果、麦やパンを食した兵は脚気の発生が無いことをつき止める。
このことによって、海軍では必ず食事には麦が使われるようになり、海軍からは脚気の発症は見られなくなった。

この「脚気には麦食が効果有り」という結果を高木軍医は何度も陸軍森林太郎軍医総監に進言するも(そのころはまだビタミンの存在が解られておらず、麦が効く医学的根拠が確認されていないことから)断られる。

ただ、「脚気=伝染病説」の立場である東京帝大の中でも、ドイツ留学中の北里柴三郎らは細菌学の大御所のコッホとともに脚気伝染病説を否定し、外国で脚気の伝染病説を否定する論文を発表掲載した。

このことによって脚気伝染病説を取っていた東京帝大との間に大きな軋轢が生じた北里柴三郎は、同大での居場所を失う結果となる。

これを見兼ねた福沢諭吉が屋敷の一部に衛生研究所を造り提供、後年、北里は福沢の恩義に報いるべく慶應義塾大学に医学部を創設して、初代学部長を務めるに至る。

そして、その論争の結果は3万人もの脚気死者を出すという、痛ましい陸軍兵の犠牲によって答えが出されるという最悪の結果になったことは、今ではよく知られている。

これは当時まだビタミンと言うものが判っていない時代としては、致し方ないことだったかもしれないが、3万人もの陸軍兵が亡くなったことはあまりにも悲しい事実である。

食事改良を否定する態度を取った森鴎外につても、当時の記録から必ずしも食事内容説を否定してはおらず、後にビタミン欠乏症であることが判る研究に貢献しているといわれることから、所属する陸軍と母校の東大からの影響が強かったとも思われる。

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コメント

毎日新聞朝刊で長いこと連載されていた小説。日露戦争の死者は大半が脚気であったとありました。そして、その責任者が森鴎外。彼に脚気予防の進言した部下の医者…誰だったか???鴎外の指示にしたがわず、ぬかで作った団子???だったかを兵士に食べさせて脚気を防いだ医者がいた・・・とあった。それが・・・・よく覚えてないんですよ。いい加減なことですみません。

投稿: 山口ももり | 2014年8月21日 (木) 07:47

山口ももりさんへ

その顛末を追記させていただきました。

投稿: 玉井人ひろた | 2014年8月21日 (木) 09:00

なるほど、猛暑でねぇ、
勉強になりました。猛暑には、冷ややっこにねぎを
たっぷりかけて、ニンニクたっぷりの
餃子なんぞ食すると脚気はかっけ(かんけい)
な~~い、ということで
ございますね。
ありがとうございました。

投稿: あね | 2014年8月22日 (金) 16:48

あねさんへ

そのメニューはいいですね。

投稿: 玉井人ひろた | 2014年8月22日 (金) 19:42

当時はかっけの原因さえよく分からなかったのですから、びっくりとも言えますが、
今難病と言われている病気も治る日が来るんでしょうね。

投稿: もうぞう | 2014年8月25日 (月) 07:36

もうぞうさんへ

そういう時が来ることも、そして新たな病が現れることも確かだと思います

投稿: 玉井人ひろた | 2014年8月25日 (月) 07:55

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