や ~ よ
方 言 | 意 味 | 語源、由来 |
やえはっか | 複雑で混乱した状態、めちゃくちゃ | 「八重」と「八卦」が合わさって複雑な様子の言葉 |
やから、やがら | 奴ら、あいつら、連中、手合い、厄介な人達、たぐい | 蔑視言葉の「不逞の輩(ふていのやから)」が短くなった言い回し、標準語だが東京などでは使われないようだ |
やきぱだ | 火傷 | 語源の「焼き畑」に「焼き肌」が混用され転じたか? |
やぎめし | おにぎり | 「焼きにぎりめし」が転じ「おにぎり」を指すようになった言葉 |
やしき、やしぎ | 集落、隣組、班、 | 中世(鎌倉時代~戦国時代ごろ)に、地方の豪族を中心にし形成された集落を「豪族屋敷村」と言い、それが単に集落のことを「屋敷」と言うようになって今に残ると思われる。 江戸時代には、同心や与力の組に与えられた「組屋敷」というのも在るが、それも同じ起源かもしれない。 |
やせはってる | 痩せこけていること。 | 「痩せてる」に強調する他動詞の「はる」がついた言い方 |
やぢ、やぢっぽ | 湿り易い土地、谷間の土地 | 低湿地を指す言葉「谷地(やち)谷津(やつ)」が訛った |
やちか、やっちか | 弱い、弱弱しい、陰湿な外見 病み気味の様子 |
大阪の「弱っちい」の転訛にも思えるが、地域独自語なのかもしれない |
やっきる | 焼いて切り裂くこと | 「やききる(焼き切る)」が転訛した |
やっけ | 厄介 | 江戸弁「やっけぃ(厄介)」が訛った |
やっけ、やっこい | 柔らかい | 江戸弁「やぁらけぇ(柔らかい)」が訛った |
やっけごど | (なんて)柔らかいんでしょう | 「ご」=濁音・「柔らかいこと~」の感動語の訛り。 |
やっけこ゜ど ※ ぐ=鼻濁音 |
厄介な問題、面倒な事、凶事 | 「やっかいごと(厄介事)」転訛。 |
やっこどね | 何もやることが無い。 手出し無用。世話やき無用 |
「やることが無い」、「やることは無い」が訛った言い方 |
やっこどね | 焼かなくていい。 | 「焼くことが無い」、「焼くことは無い」が転訛した |
やっさら | 度々、しきりに | 古い言い方「弥更(いやさら)」の転訛か? |
・・・やす | ・・ます。・・・です。 | 都言葉(京都・大阪)の「やす・やんす」が江戸時代に一般化して、伝わった言い方 |
やっち、やっちぇ | やりたい | 江戸弁「やりてぇ」が訛った |
やっちゃぐね | やりたくない | 江戸弁「やっちくねぇ」が訛った |
やってで | やっておいてくれ。 | 「やっといて・・」が訛ったもの |
やっとごさ | やっとのこと | やっとのことを意味する独自語 |
やっとごすっとご | ほんとうにようやっと | 「やっとすっと」の強調形 |
やっとすっと | ようやっと、やっとのことで | やっとこ、すっとこが混じり合った言葉 |
やっぱし | やはり | 江戸弁の「やっぱり」が訛った |
やっぴし | 何度も、毎回 | 「八つ拍子」か「八つ遍」が転じ訛った |
やづめら、やづら | あいつ達、奴ら(やつら) | 古語の「彼奴ら(きゃつら)」が転じ訛った言葉 |
やなさって | しあさって(明明後日) | 古語の「やのあさって」が訛った |
やは(yaha) | 弱い、壊れやすい、やわ | やわ(柔、軟)が訛ったものか?意味は同じ |
やばさんしょ | 行きましょうよ | 「やべ」を目上の人に使う敬語の言い方 |
やばし | みすぼらしい、汚らしい、胡散臭い | 無粋の意味の「やぼし(野暮し)」が転じ訛った |
やばせ | 一緒に行きましょうよ | 「やべ」の丁寧な言い方 |
やべ | (ともに)行こう、付いてこい | 古語の歩き行くの意「あやぶ(歩ぶ)」が転じた |
ヤマガヂ | 毒蛇の「ヤマカガシ」こと | ヤマカガシの古称「ヤマカガチ」が転訛した |
やむ | 痛みがくる、うずく、痛む | 「病む(やむ)」のこと、主に継続痛や遅くに出る痛み |
やや、(ややこ) | あかちゃん | 京言葉・古語の「やや(稚)ややこ(稚児)」を使用 |
ややなし | お産のこと | 古語の「ややなし(稚・生し)」を使用 |
ややぶるめ(ぶるまい) | 赤ちゃんの祝い行事(振舞) | 赤子の叔母達だけを集めてやる「祝い振る舞い」の事 |
ややもり | 赤ちゃんの子守 | 古語「ややまぼり(稚・守り)」が転じた |
やらっちゃ | やられた、してやられた | 「遣られた」が訛った |
やりだでね | 完了するまでできない。やりきれない。 | 「やる」に「だでない」がついて訛った独自語。 |
やりづれ | やりにくい。やり辛い。 | 「やらづらい」の江戸弁「やりづれぇ」と同じく訛った |
やろ | 男、者 | 古語の男の子を指す「野郎」が転じ訛った |
やろこ、(やろっこ) | 少年、子供、少年の様な人 | 野郎に「こ(子)」が付いたもので、「稚拙な者」も意味する |
やろめら | あいつら、あの野郎たち | 「野郎たち」が転じ、相手を見下す言葉 |
やんが | 山側、または山の川沿い | 「やまがわ(山側、山川)」が転じ訛った |
やんげし、やんげぇし | 仕返し、報復、復讐 | 「やりかえし(遣り返し)」が転じ訛った |
やんだ | 嫌(いや)だ | 「嫌だ」が訛った |
やんだぐしっちま | 嫌になってしまう、不快にさせる | 「嫌になってしまう」が訛った |
やんだぐなっちま | 嫌気がさしそうだ、不快になる | 「嫌になってしまう」が訛った |
やんでる | 病気だ、悩んでいる | 稀になった言い方「病(や)んでる」のこと |
やんね | やらない | 江戸弁「やらねぇ」が訛った |
ゆすぐ | すすぐ、水にさらし流すすこと | 「すすぐ」が今は一般的だが、「口をゆすぐ」など同時に使われていた言葉である。 |
ゆする | 揺らす、揺り動かす、揺さぶる | 古い標準語「揺する」である |
ゆすぐる | 「ゆする」より少し強く荒い言い方 | 古い標準語「揺する」の強調形 |
ゆすぐられる | 揺り動かさらされる | 古い標準語「揺さぶられる」の転訛 |
ゆすぶる、ゆさぶる | 同上 | 「揺する」に「振る」が相まって転訛 |
ゆだれ | よだれ | 古語の「よだり」が転じ訛った |
ゆっつばる | 結びつける | 「結(ゆ)い縛(しば)る」が訛った |
ゆんべ | 昨日の夜 | 「ゆうべ(昨夜・夕べ)」が訛ったもの |
よい・・、よいの・・ | 前日。前の・・・。前日の・・・。 | 標準語の「宵(よい)」だが、昨今はあまり使われない。 |
よいでね | 難しい、困難だ、 | 「ようい(容易)でない」が訛った |
ようめし | 晩ご飯 | 「よるのめし」が訛った |
よくたがり | 強欲な奴、がめつい奴 | 「欲」に「集り(たかり)」が付き転訛した |
よぐふか | 欲深い、欲深い人 | 「欲深(よくぶか)」が訛ったもの |
よぐふけ、よぐぶげ | 欲が深いこと | 江戸弁「よくぶけぇ」が訛った |
よげなかす | 無駄なおせっかい。 | 「余計な」と方言の「かす=くだらない行動」が合わさった言葉 |
よごっちゃ ※「ご」は鼻濁音 |
汚れた。 | 「汚れ」に、方言の「・・ちゃ」がつた言い方 |
よごっちぇる ※「ご」は鼻濁音 |
汚れている。汚れてる。 | 「汚れ」に、方言の「・・ちぇる」がつた言い方 |
よごっぴづ | いびつなこと、ゆがんだ様子 | 「横に歪みいびつ」の言葉が転じた |
よさる | 寄る、偏る | 上代東国方言の「よそる」がさらに訛った言葉。 |
よたこう、よたもん | やくざ者、チンピラ、役立たず | 馬鹿なやつを指す「与太者」が転じた |
・・・よっか | ・・よりも。・・よりは | 助詞、「・・よりか」が転訛したもの |
よっかがる | 寄りかかること | 「よりかかる」が訛ったもの |
よっく・・、よっくど・・ | 十分に、くわしく、しっかりと | 「よく(良く、能く)」の強調「ようく」が訛った |
よっさわり | みすぼらしい姿、汚らしい姿 | 「様子が悪い」が訛った言葉 |
よったがる | 寄り付くこと | 「よりたかる(寄り集る)」の転訛 |
よったがんね | 寄り付かない、近づかない | 「よりたからない(寄り集らない)」の転訛 |
よったまる | 寄り集まる | 「よりたまる(寄り溜まる)」が訛った |
よったり | 4人 | 四人の数え方の古い標準語「よたり」が訛った |
よってがさんしょ | お寄りくださいませ | 上記のより丁寧語、敬語 |
よってがせ | 立ち寄ってください | 上記の少し丁寧語「寄ってください」が転訛 |
よってげ | 立ち寄っていけ | 「寄っていけ」が転訛した |
よってつかね よってずがね |
近寄らない。敬遠する 付合いが無い。 |
「寄って、付かない」が転じた言い回し。 |
よってづがんにぇ | 近寄り難い、関りづらい | 「寄って、付けない」が転じた言い回し。 |
よっぱら | 充分と、散々、長々と | 古語の充分なの意「余腹(よはら)」が訛った |
よっぱらすっぱら | あきれるくらい充分 | 「よっぱら」の強調 |
よっぱれ | 酔っ払い。酔ってしまった者 | 「よっぱらい」が訛った |
よっぴで | 夜通し、徹夜で | 古語の「よるひとよ(夜一夜)」が転じ訛った |
よっぽど | よほど、 | 「余程(よほど)」が転訛した |
よどれ | 老い耄れ、またはそんな風に弱った様子の人。 | 同上の名詞形、悪口と蔑み語 |
よどれる | 老いて、または老いたようにみすぼらしくなった様子 | 沈滞して活気が無い様子「よど(淀・澱)む」が転じた |
よねまつり | 米寿の祝いのこと | 米寿(よね・いわい)が米祭り(よねまつり)となった |
よのもの | その他の物 | 古語、その他の意「余の物」をそのまま仕様してる |
よばっちゃ | 招待を受けた、呼ばれた | 古語「呼ばれた」が転じ訛った |
よはり | 夜の見張り。徹夜の意も有 | 「夜」と見張りが合わさった作業言葉 |
よばれ | 御招待、およばれ | 「およ(呼・招)ばれ」が転じた |
よばれ | 呼べ、呼んできなさい | 古語「呼ばる」の命令形「よばれ」を使用 |
よひかり | 日中より夜中に動くのが多い者。 | 同じ意味の「宵っ張り(よいっぱり)」が転じた |
よらつぐ | ふらつく、フラフラ歩くこと | 「ゆらつく(揺らつく)」の転訛 |
よらぶる | よろける、倒れそうになる | 「ゆれふらる(揺れ振らる)」の転訛 |
よわかす | 弱虫 | 「弱い、かす野郎」が転じた |
よわり、よわれ | 徹夜、夜中の仕事 | 時間を割(さ)くと同じ意味使いの「夜割り(よわり)」 |
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