ら わ ん
方 言 | 意 味 | 語源、由来 |
・・・ら | ・・・達、・・・ども、・・・等(ら) | 「・・等(ら)」という古言、現代の標準語では「彼等(ら)」のみに見られるが、関西方言には今でも多く使われている |
らいさま、れーさま | 雷、 | 「雷様」の異読み |
・・・らっちぇ | ・・・られる | 「・・・られ」が訛った |
・・・らっちゃ | ・・・られた | 「・・・られた」が訛った |
らっちゃくっちゃね | 非常に乱雑または混乱したな様子 シッチャカメッチャカ |
「埒も口も無い(らちもくちもない)」または「臈次も口も無い(らっしもくちもない)」の転訛 |
らっちゃね | 乱雑で片付かない様子、 混乱してよくわからないこと、煩雑な様子のこと |
「埒(らち)もない」の転訛 {臈次(らつし)⇒埒)} |
・・らんにぇ、・・らんね | ・・・られない、・・いかない | 江戸弁「~られねぇ(らんねぇ)」の使い回しが訛った。 南達弁に限らず、福島県内は「られない」の「れ」が「ん」に変化する |
らんば、 らんと | 墓地、墓場、卵塔場(古称) | 元々は僧侶墓石の「無縫塔(むほうとう)」が卵形であることからきた俗称‘らんとう(卵塔・欄塔)’、それが転じ墓地そのものを指す「卵塔場」になった。 さらに、僧侶の墓石を「卵塔婆」や「欄塔婆」と書き表し同じく「らんとうば」と言ったこととが混用され転じたものとも考えられる |
りぎむ | いきむ、いきばる、気張る 虚勢を張る、力をこめる |
「息む」の転じ語「力む」が転訛した |
りぐじねぇ、りぐっちゃね | 理屈っぽい。いやにくどい様子。ハッキリしない様子。 | 「理屈っぽく意気地ない」が転化した |
りご | 利口のこと | 「りこう(りこう)」が訛ったもの |
りっく | リュックサック | 「リュックサック」の略し「リュック」がさらに転訛した |
りっぱ | 美しい、みごと、綺麗に整っている、きちんとしている | 「立派」には元々‘美しい’の意味もある。我が地域の場合と整った美しさを指して言うことが主である |
れぇさまあめ | 夕立雨、直止むにわか雨 | 「雷様雨」は「にわか雨」の場合が多い事から転じた |
ろぐざま | ろくに、ろくすっぽ、しっかりと | 「ろく(陸)なざま(様・態)」が転訛 |
ろぐすっぽ | ろくに、ろくろく、ちゃんと | 「ろくすっぽ(陸すっぽ)」が転訛 |
ろぐでもね | ろくなものではない | 江戸弁「ろくでもねぇ」が少し訛った |
ろんぱり | 思考等が定まらない様子、または人物の蔑称 | 本来は視線が発散している「斜視」のことだが、散乱した思考や行動まで指すようになったもの。 |
わが ※が=鼻濁音 |
自分、俺、あなた、おまえ | 古代、人を指すとき「わ(我)」と言ったのが転じで、自分自身も相手にも使用される |
わがい、わげ ※が=濁音 |
若い | 「若い」が訛った |
わがい ※が=鼻濁音 |
我が家、自分の住居 | 「我が」+古い家の言い方「いひ」が転訛した |
わがげ ※が、げ=鼻濁音 |
あなたの家、自分の家 | 「わがのいひ(我がの家)」の言い方が転訛 |
わがら | 自分達、あなた達 | 上記の「我が」に「ら」がついた複数形の言い方 |
わがるめ | (それでは)だめだろう。うまくないだろう。よくないぞ。 | 「わかるまい」が転じた言葉」だが、少し意味合いが違う。 |
わがんね | ①判らない、解らない、分からん、 ②だめだ、うまくいかない、いけない、 |
江戸弁「わからねぇ」が転じ訛った 京都、大阪弁で「埒が明かん」が転じた「あかん」の言葉とまったく同じ意味になることから混用され転訛した可能性も考えられる。 |
わがんない | わかりますね、理解できることですよね | 「わかる」に、「な」の丁寧語「ない」が足さって訛ったもの |
わげ | 若い、若いな~ | 「若い」の江戸弁「わけぇ」が訛ったもの |
わけ゜ ※げ=鼻濁音 |
我が家、自分が暮してる所 | 「わがけ(我家)」が転じ訛ったもの |
わげもん | 若い者。年下の者 | 「若ぇ者(わけぇもの)」が訛ったもの |
わすっちゃ | 忘れてしまった | 「忘れちゃった」が訛ったもの |
わすら | いじり、なぐさみ、楽しみ事 | 「わるさ」の転じ言葉 |
わすらする | いじる、さわり使う、なぐさむ | 「悪さする」の一部が変化し転じた |
わせだ | 忘れた | 「忘れた」が訛った |
わせった | 忘れてしまっていた | 「忘れていた」が訛った |
わせる | 忘れる | 「忘れる」が訛った |
わっか | 輪、輪状のもの | 「輪環(わかん)」が転じたもの |
わっかぐ | さき(割き)分ける | 「わりかく(割り欠く)」が訛った |
わらし | こども | 子供の古称、「童衆(わらし)」を使用 |
わらしとも | 子供たち | 同上の「童衆共(わらしども)」が転訛した |
わらじをぬぐ ※ぐ=鼻濁音 |
養子同様になること | 「旅人が草鞋を脱ぎ泊まり落ち着く」が転じた |
わりふり | 配分、割り当て | あまり使われなくなった標準語「割り振り」 |
わんな | 獣捕獲の仕掛け罠(わな) | 紐の仕掛け罠を指す古語「輪奈(わな)」が訛った |
んが、ぅんが | そうなのか? | 「ん」から始まる独特の方言 |
んがい | そうなんですか? | 上記の「んが」の丁寧語 |
んじゃない | それじゃまた | んじゃ=それじゃ、ない=・・ね、が合わさった |
んだ | そうだ、 | 「ん」から始まる独特の方言 |
んだげんちょ | そうなんだが。そうだけど。 | 「んだ=そうだ」に、打消しの「げんちょ=けれど」が合わさった言い方 |
んだっけ、 んだっけが |
そうだったかな? | 「ん」から始まる独特の方言 |
んだでば | その通りだよ | 「ん」から始まる独特の方言 |
んだど | そう言う事なんだってよ | 「んだ」に・・・ですっての意の「と」が付いた |
んだわ | そうだそうだ、その通りだ | 「ん」から始まる独特の方言 |
んなわげね | そんな訳がない | 「わげね」は「訳がない」が訛ったもの |
« 擬音・擬態語(トントン、ワンワン) | トップページ | や ~ よ »
「ふくしま方言辞典(南達弁)」カテゴリの記事
- 福島県と南達弁について(2020.11.17)
- あ ~ お(2022.10.17)
- か ~ こ(2020.11.29)
- さ ~ そ(2020.11.27)
- た ~ と(2020.11.25)
コメント