ま ~ も
方 言 | 意 味 | 語源、由来 |
まきずし | 巻物の寿司全般。太巻き。 | 標準語で大阪などでは同じ意味で使用されるが、東京では「太巻き」は含まず、「かんぴょう巻」だけを指すので注意。 |
まぎめ | つむじのこと | 頭髪の巻き目(まきめ)が転じた |
まげ | ①親戚、血縁 ②負け |
①東日本の古語の本家分家関係を指す「まき」が転じた ②「負け」が訛った |
まげぎれ | 負けず嫌い | 「負け嫌い」が訛った |
まぜる | 含める。加える。足して | あまり使われなくなった標準語の「交ぜる。雑ぜる」。 |
まぜこぜ(まぜこじぇ) | 色々混じりあった様子 | 標準語‘混ぜこぜ’のこと。主に東日本に多い言い方 |
まだがり ※ が=鼻濁音 |
跨った物、跨るもの | 「跨がりし物(またがりしもの)」が転じ訛った |
まだぐら | 股間 | 古い語の股座(またぐら)が訛った |
まぢうぢ、まぢうち | 町内、中心街、街中 | 「町内(ちょうない)」の訓読みが訛ったもの |
まぢげ ※ ぐ=鼻濁音 |
間違い | 江戸弁の「まちげぇ」が転じた |
まぢば | 田舎の反対語、繁華街辺り | 古語の「町場(まちば)」が訛った |
まちぽい | 眩しい | 強い光に‘紛れて・交じれて’物がよく見分けられない様子から、その「交じれる」や「紛れる」が変異してできた言葉のようである。 |
まった | まだ、未だに、 | 「未(いま)だ」の訛り「まだ」がさらに訛った |
まったまった | まだまだ、 | 「まだ」を強めた言い「ま~だま~だ」の転訛 |
まったり | ・・形容語の強調につかう | 「~したりまったり」と使う |
まっちゃ | 町へ、町に | 「まち(町)」に「・・へ」を表す「・・さ」が付き約された言い方 |
まっちり | 町外れ、(町尻) | 町」に、後方を意味する「尻(しり)」が付き転じた |
まっちろ | 真っ白のこと。 | 江戸弁の真っ白の言い方「まっちろ」を使用している。 |
まっつぐ ※ ぐ=鼻濁音 |
真っ直ぐ | 同じ意味の江戸弁「まっつぐ」をそのまま使用 |
まってご | 隔たりなく、互角、同等、 | 「全(まった)く互角の対抗(たいこう)」が転じた |
まっと | もっと | 「もっと」の古い言い方。「尾張弁(名古屋弁)」にも同じく「まっと」という言い方が有る。 |
まづっぱ | 松の葉 | 「松の葉っぱ」が訛った |
まで、までぇ | 丁寧なこと | 「まじめ(で・・・)」が転じ訛った。「真手(まて)」のことだとも言われる |
まなぐ | 眼 | 江戸弁の同じ意「眼(まなこ)」が訛った |
まぶる | じっと番する、場を離れない | 古語の守るの意の「まぼる」が転じた |
マーボロ | ビー玉のこと | おはじきを意味する「マーブル(marble)」が転じ訛った |
まま | ご飯、めし、食事のこと | 古い標準語「まま(飯)」、江戸弁の「おまんま(お飯)」 |
まめて、まめ | 繊細気配り、働き者 | 古語での誠実の意「まめ(忠実)」が転じた |
まるぐ | 縛り束ねる | 古語で束ねるの「まろぐ(円ぐ、丸ぐ)」が転じた |
まるまってる | 丸くなってる。 丸まった状態になっている。 |
「丸まっている」が少し訛った |
まんにゃ | 間に合う | 「まにあう」が訛った |
まんにゃった | 間に合った | 「まにあった」が訛った |
まんにゃね | 間に合わない | 「まにあわない」が訛った |
まんぱぢ | 主に、目がチラついたりぼやけたりと,はっきりしないときに使う | 偽りや嘘を意味する「万八(まんぱち)」が転訛したもの |
みぐさい | 見苦しい、みっともない | 「見る」に「臭い」がついた東北独自語 |
みざくら | サクランボが実る桜のこと | 「実(み)あり・桜」が転じた言い方 |
みじけ、みじかい | 短い、 | 「短い」が訛った |
みじめて | あわれで見るに忍びない様子、惨めったらしい | 「惨めったい」の江戸弁「みじめってぇ」が訛った |
みすぐり | 果実の摘芯や間引きのこと | 「実・選り(み・すぐり)」という農業の用語 |
みずしも | 水霜、霜になる寸前の露 | あまり使われなくなったが「水霜」は標準語である |
みせ、みっせ | 見なさいよ。 | 江戸弁「見なせぇ」が短く転じた |
みそになる | リンゴやナシなど果物が、少し傷んで柔らかくなってきた状態をいう。腐る一歩手前の状態 | 新鮮で硬かった果物が、味噌のように柔らかくなり不味くなった状態を表現する独特の言い方 |
みちかい | 短い | 「みぢかい」の「ぢ」が濁音にならない独特の方言。 |
みちけ、みしけ | 短い!、思ったより短い | 江戸弁「みぢけぇ」が訛った |
みつこわらし | 幼児、幼子、小さい子供 | 「三つ子」と「童衆(わらし)」が合わさって転じた |
みったぐね | みっともない、格好悪い | 江戸弁「見たくね」が転じ訛った |
みっちゃぐね | 見たくない、みっともない | 同上(言い方違い) |
みっちら | しっかりと、十分に、ちゃんと | 「みっちり」の転訛 |
みっちり、みっちら | しっかり、十分に、ちゃんと | 「満ち足り(みちたり)」が転じ訛った |
みっつぁ・・・ | 水に。水の中へ。 | 「水の中さ(みずのなかさ)」が縮まって訛った言い方 |
みっつぁぐり | 田畑に水を逃がす溝を長く掘ること | 「水(みず)」と、‘溝状に掘る’という意味の古語「さくり(刳り」が合わさって転訛した言葉 |
みでみっせ | 見てみなさいよ | 江戸弁「見てみなせぇ」が短く転じた |
みどもね | 見苦しい | 「みっともない」が訛った |
みば | 見栄え、外面、格好 | みばえ(見栄え)が訛ったもの |
みばわり | 恥かしい格好・様子だ、世間体が悪い | 「みばえわるい(見栄え悪い)」が訛った |
みめぇ | お見舞い、葬儀香典にも使う | 「見舞い(みまい)」の江戸弁を使用 |
みんな | 見るんじゃない | 「見るな」が訛った |
みんなして | みんなで、全員で | 「みんな」に、今ではあまり使われない格助詞「して」がついた言い方 |
むぎ | くじ引き | 上紙を‘剥(む)く’くじ引きが転じた |
むぎつらわり | 無礼な・・、無愛想な・・ | 「向こう面(つら)が悪い」が転じた |
むぎでね | 合っていない、不向きだ | 「向いていない」が転じ訛ったもの |
むぎなし | 粗暴な奴、短気な者 | むげ(無碍・無礙)に接尾語「なし」が付いたものか? |
むぎんなる | 頭にきて意地をはる | 「向きになる」が転じ訛った |
むぐした ※ ぐ=鼻濁音 |
小便を漏らした | 「漏らした」の転訛 |
むぐす | 小便を漏らす | 「漏(も)らす」が訛った |
むぐらす ※ ぐ=鼻濁音 |
潜り込ませる | 「もぐりこます」が訛って転じた |
むぐる、 | 小便を漏らしてしまうこと、 | 古い言い回しの「漏らる」の転訛 |
むぐる ※ ぐ=鼻濁音 |
もぐる | 「潜(もぐ)る」が訛った |
むぐれる | 漏れてしまう | 「もれる」の訛り「むる」の変化形 |
むぐろ、むぐら ※ ぐ=鼻濁音 |
モグラ(土竜)、むぐら(葎) | 古称の「ムグラ、ムグロモチ、ウグラ」を使用 |
むげが | お向い。向い側 | 江戸訛り「向けぇ」に「側(かわ)」が合わさって訛った |
むげっか | 向こう側。対岸 | 江戸訛り「向けぇ」に「側(かわ)」が合わさって訛った |
むしくだし | 寄生虫駆除剤 | 古い言葉「虫下し(むしくだし)」のこと |
むすい | 中々終らず長引く事 | 「むそい(無想い、無双い)」が転じ変化した言葉か? |
むすぐて ※ ぐ=鼻濁音 |
くすぐったい。むずがゆい ムズムズした感じがする |
「ムズムズ」と「くすぐったい」などの表現語 歯の浮くようなお世辞を言われたときにも使用。 |
むせて、むせたい | 咽苦しい。咽られる。 | 古語の「咽たし」が転じた「咽たい」が訛った |
むで | 無理無体、めちゃくちゃに | 「むたい(無体)」が訛った |
むでっぱ | 荒っぽいこと。無鉄砲者 | 「むてっぽう(無鉄砲・無手法)」が転訛した |
むやみに | 異常に、変に | 標準語の「無闇(むやみ)」である |
むやみやだら | ひどく度を越す、尋常でない | 標準語の「無闇矢鱈(むやみやたら)」の濁音形 |
むる | もる、もれる | 「もる(漏る、洩る)」が訛ったもの |
めぇる | 見える | 「見る」が訛った |
めぇね | 見えない | 江戸言葉「見えねぇ」が訛った |
めがまる(めまぁる) | 目が回る、めまいする | 「目が回る」が訛った |
めがまんぱぢ | 一つの物を凝視し過ぎて物が二重に見えたりうつろになった様 | 偽りや嘘を意味する「万八(まんぱち)」が転じ訛った |
めしくい | 結納、仮祝言の行事 | 招待会を意味する「召し会」と「飯食い」の混同語か? |
めっかさった | 見つけられた、 | 「見付けられなさった」の転訛 |
めっかさる | 見つけられる | 「見付けられなさる」の転訛 |
めっかる | 見つかる、 | 「見付かる」の江戸弁と同じ訛方 |
めっかんね | 見付からない | 江戸弁の「見付からねぇ」の転訛 |
めっけ | 見つけた、見~つけた | 「見付けた」の江戸弁「めっけ」をそのまま使用 |
めっける | 見つける | 「見付けた」の江戸弁「めっける」をそのまま使用 |
めっこ | 目の見えない人、目が悪い人、洞察力が無い人、片目 | 「片目」に接尾語の「こ」が付き「かためっこ」になり、さらにそれが略され転訛した? |
めっこめし、めっこまま | 生煮えの失敗ご飯 | 生煮えの「硬めの飯」の「硬め」を「片目(かため)」に置き換え、「片目=めっこ」という風に転じた言葉 |
めど | 穴 | 縫い針の糸通し孔(穴)の名称「針孔(めど)」が転じた |
めろ | おんな | 古語の「めろう(女郎)」が転じた |
めろっこ | 少女、幼い女子、稚拙な女性 | 女郎(めろう)に「こ(子)」をつけた言葉 |
めんきしょう | 免許証のこと | 「めんきょしょう」が転じ訛った狭地域語 |
めんげ、めんごい ※ げ、ご=鼻濁音 |
かわいい | 古語の「めぐし(愛し)」が転じた |
めんごぐね ※ご=鼻濁音 ※ぐ= 濁音 |
可愛くない。 生意気だ。 素直じゃない。 |
「めぐしく」に打消しの「ない」が付き転訛 |
めんどくさがり | 面倒な事が嫌いな人、不精者 | 標準語「面倒くさがり」が訛ったもの |
めんどくせ | 非常に面倒だ | 江戸弁の「めんどくせぇ」を使用 |
もさもさ、もっさもさ | 緩慢な様子、もじゃもじゃ | 毛や草など生い茂る様、または鈍い動きを表す擬態語 |
もしか | もしや、ひょっとして | 「もしか」を単独で使うふる標準語の名残 |
もじゃぐる | 紙などをくしゃくしゃにして丸めること。 | 動作語「もじる(捩る)」の酷い状態が転じ訛った |
もじる | 紐や縄を綯(な)う事 | 古語使いの「もじる(捩る)」をそのまま使用 |
もっきり | 酒屋で注ぎ買いして飲む酒 | 酒の「もりきり(盛切)買い」が転じ訛ったもの |
もったでる | 盛り立てる、おだてる | もちたてる(持ち立てる)が転じ訛った |
もっちゃがる | 持ち上がる、盛り上がる | 「もちあがる」が訛った |
もっつぎ | 生まれ付いた性格、性根 | 「持って生まれ付いたもの」が短く転じ訛った |
もってね | ①もったいない(勿体無い) ②持っていない |
①江戸弁「もったいねぇ」が訛った ②「持っていない」が訛ったもの①と口調同じ |
もぼれる | ぼける、もうろくする | 耄碌(もうろく)と耄れる(ほれる)が合わさって転訛 |
もぼっちゃ | 呆けてしまった、老いぼれた | 同上の完了形 |
もぼっちぇる | 老いぼれてしまっている | 同上の現在進行形 |
もぼれ | 耄碌野郎、老いぼれ野郎 | 同上の言葉を個人に対し悪口や蔑みに使った言い方 |
もみだす | 雑巾などをもみ洗いして絞っておくこと | 「揉みだす」は標準語であるが、雑巾がけなどをすることが少なくなった昨今、言葉もあまり使われなくなってきている |
もよう、もよぉ | 様子、経過 | 標準語で「模様」には、この意味もあるが、使う頻度は低い |
もよぉみる | 模様眺め。成り行きを見る | 「模様眺め」と「様子見」が混用され転訛 |
もれもん | もらい物、到来物 | 江戸弁「もれぇもの(貰い物)」が訛った |
もんごい ※ ご=鼻濁音 |
かわいそうだ、ふびんだ | 「むごい(惨い)」が転じ訛った |
もんず | 鳥の「モズ(百舌鳥)」 | 「モズ」が単純に訛った |
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