な ~ の
方 言 | 意 味 | 語源、由来 |
なぁ、なぁっ | 縄 | 「なわ」が訛った |
・・ない | ・・ですね、 | 終助詞「・・・な」の丁寧語形 |
ない、ないで | あのねぇ、ちょっと、あのさ~ | 地域独特の呼びとめなどの言い回し |
ながし ※ が=鼻濁音 |
台所、キッチン | 昔の台所形態の「流し台」が転訛したもの |
ながしっぱだ ※ が=鼻濁音 |
炊事場、台所付近 | 「流し端(ながしぱだ)」の転訛 |
ながずそ・・・ ※ が=鼻濁音 |
澄ました、働かない(女) | ふだん綺麗な長裾着物で労働しない事が転じた言葉 |
ながっちり | 長居すること。長く居座る性格の者を揶揄する言葉。 | 長く座っている様子の「長尻(ながじり)」が転じた表現。江戸言葉・東京方言ともある |
ながっぽそい | 細く長いこと | 「長細い」が転訛 |
ながば | 仲間、一定のグループ | 「なかま」が訛った |
なぎみそ | 泣き虫の人 | 「泣き虫の味噌っかす」が転じた |
なげ | ①長い、(げ=鼻濁音) ②泣け、(げ=濁音) |
①「ながい(長い)」が転訛した。江戸弁「なげぇ」と同じ言い方 ②「なけ(泣け)」が濁音化した訛り言葉 |
なげる | 捨てる。廃棄処分する | 投げるには「放り出す」の意味が有り、拡大解釈使用か?「投げ捨てる」の短縮か? |
なさげね | 嘆かわしい、みじめだ | 「情け無い」が訛った |
なして | どうして?、なぜ? | 「何ぞして」が転じたか?関東以外の全国で使用 |
なじょした | どうした?。何かあったか?。どうかしたのか? | 「何を」の古い言葉の「なじょう」に「した」がついた言い方 |
なじょして | どう言う訳で?どうやって? どういうふうにして? |
「何を」の古い言葉の「なじょう」に「して」がついた言い方 |
なじょったい? | どういう塩梅ですか?。調子はどう?。具合はいかが? | 同上の「なじょう」に、「・・したい」が付いた言い方 |
なづぎ | 頭部、額 | 古語の頭部をさす言葉「なづき」が訛った |
なつこい、なつけぇ | 人懐こい(ひとなつこい) | 「ひとなつこい」が短くなって転訛 |
なっちぇる | 慣れている | 「慣れている」が訛った言い方 |
なっちぇね | 慣れていない | 「慣れてない」が訛った言い方 |
なっちゃ | 慣れた | 「慣れた」が訛った言い方 |
なっぱ | 葉物野菜 | 「菜の葉っぱ」 |
なにきら | なにやかにや、何やら | 古い言葉「何彼(なにか)やら」が転化した言葉 |
なにげね | 何気ない | 江戸弁「なにげねぇ」が転じた |
なにほど | どれほど。どんなにか。 | 「何程(なにほど)」は、あまり使われなくなった標準語。 |
なぬが、なぬか | 7日・七日(なのか)のこと | 「なのか(七日)」が訛った |
なまあげ | 豆腐の厚揚げのこと | 豆腐を全部揚げないで、中が豆腐のまま生揚げだから。 |
なまずし | 刺身が乗った握りずし、 | 生の切り身ネタを使う握りずしとそれ以外の寿司(巻き物やちらし)とを区別するための言葉。東北に多い言い方。 |
なまぐさ ※ ぐ=鼻濁音 |
肉魚介類、それの料理 | 肉魚介を指す「生臭物(なまぐさもの)」が転じた |
なまご | 波型トタン板。トタン | 波板を指す言葉「海鼠板(なまこいた)」が訛っって転じたもの |
なまばな | 生花(せいか)、生きた花 | 生花を「なまのはな」解釈して読んだもの 造花は「つくりばな」と言ったりすることの対称語 |
なめこい、なめけ | 滑りが良い。調子良い | 「滑(なめ)らか、滑(なめ)っこい」が転じた |
ならっちゃ | (・・・に)なれた。 | 「為れた」が訛った言い方 |
なり | 身なり服装、体つき、相応 | 今ではあまり使われなくなった標準語「なり(形・態)」 |
なりつら | 見た目、物の表面 | 身なりを表す「なり(形・態)」と「つら(面・表)」が合わさり転じた |
なるだげ、なるったげ | できるだけ。できる限り | 「成るだけ」が転じ訛ったもの |
なん | ・・・ですね。 | 終助詞「・・・な」の丁寧語形 |
なんか | なんだか。なにか。なにものか。なにごとか。 | 「なにか(何か)」の音便 |
なんがい ※「が」=鼻濁音 |
長~い、 | 「長い」を強調する独特の言い回し |
なんしゃかまわず | 何も気にせず。お構いなく。 | 「何も構わず」が訛った |
なんしゃでも | 何にでも、どれでも | 「なんにでも」が訛った「なんさでもの」がさらに訛った |
なんぞべ | 何倍以上も、激しく増えること、倍増していくこと | 未知数を意味する「なん(何)」に、倍の倍を意味する「そうばい(層倍・相倍・双倍)」が付いた「なんそうばい」が転訛 |
なんだかんだね | めちゃくちゃな様子 | 同意の江戸弁「何だも神田もねぇ」が訛った |
なんだでもね | 無愛想。なんの音沙汰も無い | 「なんだとも、かんだとも、何も無い」が短縮し転訛した |
なんだもね | 何も気にしない事(格好)、無愛想 | 江戸弁、そっけない様子「何だでもねぇ」が訛った |
なんちゃねぇ | どうってことない。大したことではない。何でもない | 「何ということもない」が転じ訛った言葉 |
なんでかんで | どうしても。何としても。絶対に | 「なんでもかでも(何でも彼でも)」が転じた「なんでもかんでも」、それがさらに転訛したもの |
なんどぎだい | 進み具合はどうですか? そろそろ終了ごろですか? |
「いつなんどき(何時何時)」が転訛した挨拶言葉 |
なんとはなし | なんとなく、 | 「なんということもなく」が転訛したことば |
なんね | ・・をやってはだめ。・・・を禁じえない | 形容動詞の「ならない」が転訛した |
なんね | ①(果実や穀物が)みのらない ②成らない、達しない |
①「生らない」の転訛 ②「成らない」、「為らない」の転訛 |
なんのきなし | 何気なく。何となく | 「何の気も無し、何気なし」の同類の言い回し語 |
なんぼ | いくら。どのくらい?、 | 「何ほど」が転じた「なんぼう」が、さらに転じた言葉。関西弁でもよく使われる言い方。 |
なんぼがな | いくら分の量? | 「なにほど」に「がな」が合わさった古い言い回し |
なんぼでも | いくらでも。 | 大阪などの関西に同じ言い方がある |
なんぼなんでも | いくらなんでも。どのような事情や理由があるとしても | 古い標準語や関西弁にある「なんぼなんでも」が使われている。「なんぼ=いくら」 |
なんもかんも | なにもかも。何でもかんでも | 「何もかも」が訛ったもの |
なんぼにも | どうしても。いつまでたっても | 「なにぶん(何分)にも」の言い方が転じた |
なんやかんや | あれやこれや | 「何や彼や(なにやかや)」が訛った言い方 |
・・・にぇ | ・・・ね。・・・ない | 福島弁の独自な言い方の接尾語の一つ |
にしゃ | あなた。貴様。おまえ。 | ①「仁」は孔子の最も上位の考えのため儒教に多く出てくる「仁者(じんしゃ)」の漢字、それは中世以前は「にしゃ」と読んでいた。その「にしゃ(仁者)」が相手への敬称として使われたものであるが、その後は同僚や目下への呼び方に転じたものであり、「貴様」の使用転じ方にとてもよく似ている。 ②古語の「主は(ぬしは)」が訛って「ぬしゃ」となり、さらに転じたという説もある。 |
にだだせる、にだでる | 煮たてる。沸かす | 「煮たて・させる」が転訛した |
にだづ、ねだつ | 煮立つ。沸騰する | 「煮立つ」が訛ったもの |
にでつぎ(にだいつぎ) | 二代継ぎ再婚 | 長男の妻が、長男死亡後その弟の妻になり家を継ぐ事 |
にゅうばい | 梅雨とこと。 |
雑節の一。太陽黄経が80度に達したときを指す「入梅」のこと。 |
にんぎゃが | にぎやか(賑やか) | 「にぎやか」が訛った |
ぬががま | ぬかくど、籾殻を使う炊飯用竈 | 「もみぬかかまど(籾糠竈)」が転じたもの |
ぬがす | ①言う(「が」=濁音) ②追い越す、追い抜く(「が」=濁音) ③脱がす(「が」=鼻濁音) |
①古語、しゃべるの意「吐(ぬ)かす」が訛った ②「抜き返す」が転訛したもの ③標準語 |
ぬがり | 泥田。泥水溜まり | 古語の「ぬかり(泥濘)」が訛った |
ぬがる | ぬかるむ | 「泥濘るむ」が訛った |
ぬげさぐ | 間抜け者 | 「抜作(ぬけさく)」が訛った |
ぬげね(げ=濁音) | (杭や靴が)抜けない | 濁音だと「抜けない」の訛り |
ぬげね(げ=鼻濁音) | (服が)脱げない | 鼻濁音だと「脱げない」の訛り |
ぬさる | 乗っかる。乗っかる | 「のさる(乗さる)」が転訛 |
ぬすくれ | 盗み食い。つまみ食い | 「ぬすみくらい(盗み食らい)」が訛った |
ぬったぐる | ベタベタやたら塗りつける | 古い標準語の「ぬたくる」が転訛した |
ぬってげ | 乗っていきなよ。乗りなさい | 「乗ってけ」が転訛 |
ぬる | 乗る。載る。塗る | 「のる(乗る、載る)」が転訛、「塗る」も同じ発音 |
ぬるまこい | とても温い。さらにぬるい | 「ぬるい」の転訛に「まこい」が付いた強調形 |
・・ね ・・ねぇ |
①打消しの「・・じゃない。・・ではない。」 ②苗(なえ) ③無い(ない) |
全て、江戸言葉の「ねぇ」の発声の仕方に由来する訛り。 |
ねがす | ①寝かしつける。 寝かせる ②熟成させる。発酵させる |
いずれも「寝かす」の言葉が訛ったもの |
ねぎさま | 神主様。 | 「祢宜(ねぎ)」とは、本来は神主の下位で代行をする神職のことだが、僧の用いる「神主」の隠語の「葱(ねぎ)」などが由来し、東北では神主を意味する言葉になった。 |
ねじぐれる | へそを曲げる、ひねくれる、つむじを曲げる、ふて腐れる | 心や気持ちが「捩(ねじ)れる、ぐれる」が転じ訛った |
ねしな | 寝付くころ、寝てまもなく | あまり使わなくなった標準語「寝しな」 |
ねだ | ①食べ物に火が通った、煮えた。 ②寝むった ③熟成発酵した。 |
①「煮立った(にたった)」または「煮えた」が転じ訛ったもの ②③「ねた」が訛ったもの |
ねだづ | 煮だった様子 | 「煮立つ(にだつ)」が訛った |
ねだった | 煮立った | 「にたった」が訛った |
ねだってね | 煮立っていない。 | 「煮立っていない」、「煮立たない」が訛った |
ねっから | てんで。思うほど。まったく | 「根から」の転じ語の「根っから」がさらに転じた |
ねっからだ | たいしたことない | 「根っから期待したほじゃない」が転じた |
ねっきし | ふもと。真下。根本あたり。 | 「根岸」、「ねっこぎし(根っこ岸)」が転訛した。上方方言で際(きわ)や、ギリギリそばを指すことば「根際(ねき)」が基の言葉かもしれない。 |
ねっこはる | 定住する。移動しない。根張る | 植物が根っこを張って動かなくなる様子から転じた言葉 |
ねっころがる | ごろんと寝ること | 「寝転がる」が訛った |
ねっぱかっぱ | ねばねばした | 地域独特の擬態語 |
ねっぱす | 貼り付ける | 「粘(ねば)す」が訛った |
ねっぱる | くっ付く。貼りつく。 | 「粘る(ねばる)」が転訛した |
ねでね | ①寝てない。眠っていない。 ②未発酵だ。熟成してない。 |
①②とも「寝ていない」、「寝てない」が訛った。 |
ねばつち | 粘土質の土壌のこと。 | 今は使わない読み「粘土(ねばつち)」のこと。 |
ねぼげ | 寝ぼけたような者を指す | 「寝ぼすけ」に「ボケ野郎」の意が合わさって転じた |
ねむて | 眠い。眠たい | 「眠たし」が変化した「眠たい」の転訛 |
のぐう | 拭(ふ)く、拭(ぬぐ)う | 古い言葉使い「のごふ(拭う)」が訛った |
のぜる | 吐きそうになること、えずく | 「のどに添える」が訛り転じた |
のぞっくび | 首を伸ばして覗き見る様子 | 野次馬的覗き見行動からできた言い回しか? |
のぞっこむ | 覗き込むこと | 「覗き込む」が訛ったもの |
のっこいる | 乗り越える | 単純に「乗り越える」が訛った |
のっせ、 | 乗ってください | 江戸弁「乗りなせぃ」が訛った丁寧語 |
のっさんしょ | お乗りください | 上記のさらに丁寧になった敬語 |
のったぐる、のたうつ | もがき苦しみ転びまわる様子 | 古い標準語の「ぬたくる」が転訛した |
のってくんちぇ | 乗ってください | 江戸弁「お乗りくだせぇ」が訛った |
のっぺ | ①安易に、考えなしに、やたらと、単純に ②乗ろう、載りましょう |
①「のべつ」が転じた ②「乗る」に「ぺ」がついた言葉 |
のへっと、のへーっと | のほほんと、ぼんやりと | 変化が無い様子「のっぺりと」が転じた |
のめ | 眼病のものもらい | 膿で腫れる眼病の俗称「膿眼(のう・め)」が転じた |
のめる | 倒れる、(田などに)嵌り込む | 「(前へ)倒れる・傾く」を表す標準語 |
「ふくしま方言辞典(南達弁)」カテゴリの記事
- 福島県と南達弁について(2020.11.17)
- あ ~ お(2022.10.17)
- か ~ こ(2020.11.29)
- さ ~ そ(2020.11.27)
- た ~ と(2020.11.25)
コメント