寒風を楽しむものたち
風がざお~ザアオ~と怒るかのように声を上げる
太く高く伸びた孟宗竹が謝るかのように
何度も何度も風に頭(こうべ)をさげている
カラスが「どうしたんだ?」と声を張り上げている
ノビタキが飛び立った
雀が渦を巻くように濁った西の空へ飛ばされていった
そこを何もなかったかのように
掛け声を掛け合っているアスリートのように
真っ白な、真っ白な白鳥たちが一列になって十羽
怒る風を楽しむように 鳴きながら
東の空に真っ白な翼を映して飛んでいった
その白さは陽もさしていない空なのにうっすらと光を放っていた
もう少しで旅立ちの春近しか
今度はどこの冬寒に向かって行くのだろうか
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