手紙・・・あの日の父ちゃんへ
父ちゃんが倒れた
そう言えば毎日口で荒い息をしながら動いていたっけ
そんなに苦しいのに動いていたなんて・・・
いつ倒れて、息が止まりそうなくらい悪いのに・・・
それでも黙って動いていたなんて、知らなかった
苦しくて、手伝ってほしいが俺に言えなくて目で訴えるしかなかった
「ちょっと手を貸せ」とは言えず恨めしそうに見つめる目が頭に浮かぶ
厳しい俺の仕事を知っていて疲れてるからと気を使っていた
タバコをやめたのも苦しくてひどかったから
バイクに乗らなくなったのも走行中に気を失ったら死ぬから
そんなこととはつい知らずいろんな用を頼んでしまった
こんなに悪かったのに知らなかった
本当に申し訳なかった、気がつかなくて
きょうで4日目
父ちゃんは動くことも、話すこともしない
頼むからもう一度しゃべってくれ、もう一度目を開けてくれ
言うことがたくさん、たくさん、いっぱいあるのだから・・・
・・・平成9年の父へ・・・
| 固定リンク | 0
コメント