手の向こう

ベッドに横たわり天井に左手を伸ばしてみた

何かをつかみたくて、何かがつかめそうで

何も届かない、何もつかめない

天井に届くかのように

もう一度手を伸ばして握ってみた

何もつかめない

右手も伸ばしてみた、両手でつかもうとした

何をつかもうとしているのだろうか、おれは

判らないが、何かがほしい

心の奥底の闇の中の奥のそのまた奥で

蛍の光のようなやさしい光をもとめているような

なんとなくそんな気がして・・

つかめそうでつかめない何かに向かって

手が伸びる