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2006年4月 6日

変わっちゃう伝来文化

その国が発展するときに他国の進んだ文化を昔もいまも習い覚えるのは常だがそれが間違ったり、伝わってからまったく反対になることは少なくない

旧ロシアがアルファベットを文字として導入するときにどこで間違えたか左右反対文字になるのが多くできてしまったことは有名だ

日本は多くの伝統文化を中国から朝鮮半島を経由して伝えられた。その数は多分何千何万あるかわからない。それが日本人の考え方でいろんな変化をしたのもまたたくさんある。

小さいのでいうと、お茶を飲む器は「お猪口(おちょこ)」として酒のぐい飲みになってしまった。
乳飲み子に食べさせる道具(レンゲ)は大人用のスープ飲みになってしまった。
中国で結婚式やお祝いに使う「はすの花」は葬儀用の暗い花になってしまった。

一番変化したのは「喪服の色」だろうと思う

現代の日本人は喪服の色といったら「」が当たり前だろう。黒がない場合はそれに近いダークカラーで、色的には重い色が常識だ。

しかし、日本では明治以前まで喪服は伝統的に「」だったのである。
時代によっては水色など軽く感じる「淡い色」が常識だったのだ。

いまでもその名残は各地方で残っている。わが地域では女性は首に白い布切れを必ず巻くし、六尺といって仏を運ぶ役割の人が「白い上肥も(かみひも)」のように白い布を肩に掛けるところもある。
当然「位牌もち」は白い布を首から下げる。
なによりも、「死に装束は白」 と決まっているのは当たり前

そんなことをしない地域でも、のしの表書きを「薄色文字」にしている人を見かけないだろうか?
それも1000年以上も続いた日本文化の名残である

中国人のある教授が日本の結婚式に出会い、お嫁さんが純白の姿で現れたのを見て「お葬式でもないのになんてことを!」とものすごく驚いたとホームページに掲載していた。

そりゃあ、驚くことだ。
中国ではお祝いは「紅事(紅喜事)」として「い色」が常識、つまり花嫁さんは「赤い装うい」である。
ただし、いまは中国でも西洋文化が強くなって白い服を着る人も増えているらしいが、白っぽい黄色とかにして「純白」は避けるようだ

明治以降にガラリと変わってしまったから面白いことだ。
そういえば明治以前はお坊さんが神官や神主をやっているところが当たり前にあったそうである
ちなみに神社にぶら下がっている大きな鈴は明治からで、それ以前はみなお寺と同じ「わに口」が本来だったのだ。

それゆえ、「わに口」がある神社は明治政府が保護した格式のある神社と思っていいそうだ

伝統文化はいろんな要素で変化していく、言葉もそうだ。いま「何だあの変な日本語は」と言われている言葉も常識になっていくのが自然な姿だそうだ(日本語学者金田一教授談)

こんな風に「変わっちゃったもの」を身の回りから探し出すと面白いかもしれない

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コメント

なかなか面白いお話ですね。
言葉などは、日々変わって来てるようですし・・・

投稿: もうぞう | 2006年4月 6日 19:51

)もうぞうさん

言葉の変化は面白いですが「鼻濁音」については頑固に行きたいです。

さっきNHKにへんな言葉だから見直しをするように意見を送ってきました。鼻濁音発音が濁音になっていた番宣があったもんですから

投稿: 玉井人 | 2006年4月 6日 21:20

ちょっと内容が違うかもしれませんが…
最近、会社で使われる流行の横文字に違和感を感じます。
今日の午前中に本部主催の説明会が催わされ参加してきたのですが、説明内容のなかにある横文字の多さにビックリです!「アカウンタビリティ」やら「ネゴシエーション」などなど…
本来、説明会とは受け手に内容を理解してもらうために行われるものですが、その説明に流行の横文字を交ぜてしまってはいかがなものでしょう??
全員が理解したのかと言われれば私は正直疑問ですね。年上の方も多数参加してましたから…
しかしその流行の横文字も、時代の流れで日本語になっていくんでしょうね。

投稿: hide | 2006年4月 6日 23:51

意外な言葉の秘密に、「へえ」ボタン20回押しました。

投稿: こやなぎ名人 | 2006年4月 7日 08:39

)hideさん

それは私も感じていることです
私が職場で経験したことも同じようなことが多かったです。

あるとき社長通達で「現場所属長は部下にわかりやすい言葉で説明はしなくてはならない。気をつけて話すように」が格部署に連絡が来て、早々にミーティングがあり本社の御偉いさんが話し始めたら・・・・・やたらカタカナ言葉が多いこと多いことひどいもんでした。
気分悪く聞いていたら「XXXのいみがわかりますか?つまりは~~です」と見下した言い方になりだしました。

わかりやすい言葉イコールカタカナ言葉の乱発と勘違いをしてる人って少なくないような気がします。

そういう人に限ってその言葉の意味を間違って使ってる場合も・・・すくなくない気がします

投稿: 玉井人 | 2006年4月 7日 13:43

)こやなぎ名人

20回も押していただけるとうれしくて

私は調子に乗っちゃいますので15回くらいでとめてください (#^.^#)

投稿: 玉井人 | 2006年4月 7日 13:46

こんにちは、玉井人さん。
「変わっちゃう伝来文化」を読んで、なるほど、なるほど、へぇ~、へぇ~で、こやなぎ名人さんではありませんが、「へぇ~」ボタンを何回も押したくなりました。
そう言えば、母の結婚式の時の記念写真の写真の着物の色は黒い色の留袖でしたね。祖母の結婚式の記念写真も黒い色の留袖でした。
白無垢ではありませんでした。
白い色の着物、または、ドレスという花嫁の着るものの色は西洋から入ったのですね~~。
そう言えば、いつかの時代劇で、自害する女性が真っ白い着物を着ていました。
そういうところから来ているのですよね~~。
なるほどと、勉強になりました。

投稿: 浜辺の月 | 2006年4月 9日 15:58

)浜辺の月さん

ありがとうございます

そうなんですよね。時代劇を見るとよくわかりますよね
最近は歴史に忠実なのが増えてきましたからよくわかるかもしれませんね

投稿: 玉井人 | 2006年4月 9日 20:59

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