今年は「ブタの年」・・？！「長文ですよ」

今年の干支（えと）は「丁亥」（ひのと い）で十二支が最後の年である。干支（えと）の十二支は１２で人生の一サイクルなるような意味があるのを御存知だろうか？

「子」は始まりを表す「一」（いち・はじめ）の漢字と、終わりをあらわす「了」（りょう・おわる）の漢字が合わさったもので、古い時刻表記にも1時～12時を指しているように「子」は最初に来るようなので、そこから作物の１年になぞらえて十二支が配置されている（方角の名称でもある）。　

1. 子（し）～種が膨らみ始め根が出始める
2. 丑（ちゅう）～暖かさが増し芽生え寸前
3. 寅（いん）～芽生えが始まる
4. 卯（ぼう、ばう）～発芽した芽が葉っぱになる
5. 辰（しん）～雨がふり成長が進む
6. 巳（し）～作物が生長しきった様子
7. 午（ご）～枝葉の成長が終わり次の実の段階へ
8. 未（び）～実が育ち始める
9. 申（しん）～実が完熟した
10. 酉（ゆう）～収穫の時期になる
11. 戌（じゅつ）～収穫も終わり残った枝葉や茎などを刈り払う
12. 亥（がい）～ついに根だけが地中に残り活動中止

　　※　（　）内は十二支の本来の読み方

この各十二支に象徴する動物が当て配され「十二生肖（じゅうにせいしょう）または十二属相」として中国から日本に伝えられたのであるが、その動物が当てられた謂（いわ）れが面白いのである

動物を上記の意味などにあわせて当てると

1. 子～始まりを表すので＜生まれること＝多産の鼠＝子孫繁栄＞～（ねずみ）
2. 丑～中国語では＜丑＞と＜牛＞の発音が同じかったので～（うし）
3. 寅～中国では恐れと強さへの尊敬の動物のため～（とら）
4. 卯～これは理由が単純で卯の字が＜うさぎの顔＞に似ていたから～（うさぎ）
5. 辰～この年の「雨が降り・・・」の意味から＜水の神、龍＞となった～（たつ）
6. 巳～蛇が鎌首を上げた形が芽生えした様子に似ているから～（へび、み）
7. 午～この年は太陽が真上の位置に当たり明るい事から、飛び跳ねて喜びを表す動物として馬が当てられた～（うま）
8. 未～この＜未＞の文字の発音が中国語では＜羊の鳴き声＞と似ていた～（ひつじ）
9. 申～完熟した実に手を伸ばす様が似ている（実が去る）～（さる）
10. 酉～この文字に＜鶏＞が当てられたかは不明だが、えさをついばむ様子が落穂などを拾う人に似ているような気もする～（とり）
11. 戌～収穫の農作業を終え狩猟に行ったので連れて行く犬がなった～（いぬ）
12. 亥～この文字が＜豕（ぶた）＞と同じ意味の文字だったため＜猪（ブタ）＞の字が当てられた～（ぶた）

　※　諸説あり

「あららららっ！最後の年の十二支が間違ってるぞ～！」と、思ったことだろう。

間違ってはいないのである。「猪」と書いて「ぶた」と読むのである。
中国で「イノシシ」とは「野猪」と書くのである。

韓国でも今年は「猪の年」と書いて「ブタの年」である。

なぜ日本だけイノシシなのか？それは「ブタ」がほとんど知られていなかったからのようだ。
それに食べていたのも、「琉球国（沖縄）」とそこと貿易があった「薩摩藩（鹿児島）」だけぐらいで四足は食べない習慣から、勇ましく走る「いのしし」を「猪（ぶた）」の字にして読ませたようなのである。

年によって陰と陽があるようだが今年は「陰」で猪突猛進じゃない。
そんな意味もあって、多産で子孫が増える縁起を担ぎ「ぶた」を当てたのかもしれない。

非常に面白いものである。

ちなみに「豚」の文字は、中国では「ぶたの肉」を指しているので、生きているものではない。

＜参考＞
干支は立春～次の年の春の節分まで区切られて入れ替わるもので元旦から干支が変わるわけではない。
よって１月生まれの人はその前の干支になっているので神社などで干支のお守りを買う場合注意したいものだ

干支とは＜十干十二支＞の略語で十干が１０年周期、十二支が１２年周期のため、干支（えと）は６０に一度同じくなっている。