歯がおっかけた
「歯が追っかけた」・・・「それはお化けか夢か、恐ろしい」
そうではない。まったく違う意味である。
私の地域で「歯がおっかけた」と言ったら「歯が欠けてしまいました」の意味である。
こんなのはけっこうたくさんあるのだ。
たとえば、警察の検問などで聞かれることがあるだろう、こんな言葉
「お酒、飲んでない」
- 「運転手さんお酒なんか飲んでないでしょうね?」の意味である
ところがこの言葉をわが地域の言い方でまったく同じ言葉で
「お酒、飲んでない」と言ったら意味はこうなる
- 「お酒のほうも、遠慮しないでたくさん飲んでくださいね」
検問でこんなことを言われたと勘違いするドライバーは無いが、まったく逆の意味にもなるのだ。
そのほかにもこんなのもある。
- <はねる> これは「
跳ねる」じゃなく「走る」の事を指す
- <りっぱ> これは「
立派」ではなく「美しい」の意味なので、美人な人を見たときは「りっぱな人」とか言うのである
- <こわい> これは以前も記事にしたが「
怖い」ではなく「しんどい、疲れた」のことである。
- <あやまった>これは「
謝った」ではなく「困った、まいってしまった」のこと
これらを最近両方の意味で使い分けて話すので非常に聞くほうが混乱することが起きている。
いいことなのか悪いことなのか良く判らないが、画一化の中の弊害の一つかもしれない
関東などの人がこんな会話を喫茶店で聞いたらどう思うだろう。
お客・「すみません、コーヒーください」
店主・「コーヒー、ない」
お客・「それと、サンドイッチもつけてください」
店主・「サンドイッチも、ない」
たぶん、「この店は、喫茶店なのにコーヒーも無いのか?・・」と思うことだろう
ところがちゃんと、コーヒーもサンドイッチも出されるし、客も「そんなのも無いのか?」と怒り出すものはいない。
なぜなら「・・・・ない」とは「無い」ではなく「・・・・・ですね判りました」の意味だからである。
「いやあ難しない(なんとも難しいですね)」
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コメント
おっかけたは、なんとなく分かりますね。
「かける」を大げさに言う感じですね。
あやまったも、わかりますね。
あとはイマイチかな。
投稿: もうぞう | 2007年6月12日 (火曜日) 19:56
)もうぞうさん
「おっかける」は、普通に欠けた状態で言いますが、判りやすいかもしれませんね
標準語と同じで意味が違うのを使い分けるのは難しいです
投稿: 玉井人 | 2007年6月12日 (火曜日) 20:10
「おっかけた」はなんとなくわかりました。
前後の文でなんとかわかる事もありますね。
方言というのは味わい深いものがありますよね。
私は田舎が新潟で東京育ちの現住所が山梨なのですが面白い方言がいろいろあります。
「あせっくらしい」=せわしない
「えんちゃんこ」=しゃがむ
とか。
投稿: 秋ぎつね | 2007年6月12日 (火曜日) 20:55
)秋ぎつねさん
面白いですねえ。
「せわしない」はこちらでは「せわしね」または「せわし」
「しゃがむ」は「しゃごむ」ですが、幼児言葉で「えんと」と言うのもあります。
かなり短くなるのがわかりますね
投稿: 玉井人 | 2007年6月12日 (火曜日) 21:02
こちらでは、
美しい→いとしげといいます。すごく美しいというのは「ばっかいとしげぇあねっか」となります。
投稿: 阿武さんのゆきあたりばったり | 2007年6月12日 (火曜日) 21:08
こちらの新聞に、方言集が載ったことありますがとても味わい深くて日々の中で生かしていきたい言葉ってありますね。私は、方言は使ったことありませんが主人が角田出身で、帰ると地域の人らと使っている言葉が玉井人さんの地域と似ているのでよくわかります。おっ欠けるもわかりますよ。また「・・・・ない」はその一節だけ引用するとわかりづらいですが、「コーヒーですね」「サンドイッチもですね」という確認の意味でイントネーションが上がるんじゃないですか?その他の言葉も角田ととてもよく似ています。津軽弁は全然わかりませんね。外人の言葉を聴いているみたいです。
投稿: ミッチ | 2007年6月12日 (火曜日) 22:46
)阿武さん
それは難しいですねえ
いきなり言われたら、困りますよね
)ミッチさん
こちらの言葉は、語尾が上がるようなことはほとんど無く、フラットな言い方が多いので、理解に苦しむでしょうね
「・・・ない」もどちらかと言えば下がり気味です。
投稿: 玉井人 | 2007年6月12日 (火曜日) 22:53