暑さ寒さも彼岸まで、
「暑さ寒さも彼岸まで」文字通りのきょうの気温であった。
昨日までの30℃を越す蒸し暑さからきょうは20℃を少し越すくらいの気温で半袖では少しつらい日になった。
ところで「暑さ寒さも彼岸まで」の言葉だが、
なぜ?「暑さ寒さは彼岸まで」ではなく「暑さ寒さも彼岸まで」になっているのだろうかと思ったことはないだろうか。
気温や季節が彼岸を境に変化する言葉なら「・・・は」でいいではないか。
それが「も」になっているということは「暑さ寒さ(そして・・・・)も彼岸まで」という風に何か以前には言葉が入っていたのではないかと、そんな思いが湧いてくる。
日本語というのは以前あったのを省略したりすることを少し謙った温和な言葉だとする慣習がある。
たとえば
- さようならば、これにて失礼いたす。=さようなら
- こんにちはご機嫌いかがですか =こんにちわ
- 今朝はずいぶんとお早うございますね =おはよう
それから、よく使う「どうも」などもその典型だろう。
西日本の方の一部では「暑い寒いも彼岸ぎり」や
「暑さの果ても彼岸まで寒さの果ても彼岸まで」という言い方をするそうである
つまり「・・も」という言葉で「残暑のつらさ」「寒さの厳しさ」それに付随するいろいろなつらさや思い意をすべて含めて、彼岸を過ぎたころには和らいで楽になるだろうという願望につなげるための言葉が「・・・も」という言い方に集約し託したような気がする。
ここまで考える人は少ないだろうが、日本語の裏にある複雑な意味の一端が少し見えてはこないだろうか。
昭和20年連合軍から「降伏命令」が出されたとき、日本政府は「今はまだ事態を把握検討中につき返答かなわず」という意味で「黙殺」という返答をした。
これを通訳に「降伏命令を無視する」と訳されたため後の原爆投下にまでいたるのだが、これも日本語の「隠された意味を解ってもらえ難い」という複雑さゆえ起きた悲劇である。
これでは、やはり外国の人に「日本語は難しすぎる」といわれてもしょうがない。
日本人でも判らないのだから。
「日本語は耳じゃなく毛穴で覚えるもの」と誰かが言ったような言わないような・・
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コメント
こんばんわ。
自分の住んでいる岐阜では・・・。
「暑さ寒さも、彼岸まで」と、呼びますよ。
投稿: H.K | 2007年9月23日 20:17
)H.Kさん
私のところと同じですね
投稿: 玉井人 | 2007年9月23日 23:34
さすがに“玉井人さん”は深いです。「も」はその対象が複数のときに使うと思います。ですから「暑さ寒さ」と彼岸本来の「迷いから悟りの世界へ」という意味を含めて「も」の表現になっているのかもしれません。
でもこの話題からポツダム宣言の“黙殺”まで話題のおよぶところが“玉井人さん”のすごいところだと感心して、とても興味深く読ませていただきました。
外国のかたが日本語を勉強するのであれば、この深さを理解して欲しいし、日本が国外に理解して欲しいことがあればストレートな表現で誤解を避ける必要があるのでしょうね。
投稿: koji | 2007年9月24日 07:30
これは、方言を紹介するような訳にはいきませんね
日本語は、嚙みしめると奥が深いですね~。
又来ます。またお伺いします。またお邪魔します。
投稿: nanami | 2007年9月24日 08:29
)kojiさん
ちょっと広げすぎましたかね。文章を打ち込んでいるうちに思い出したのでつなげてしまいました。
)nanamiさん
普段何気なく使っているものですから、あらたまって細かいところを指摘されたら説明できにくいのも日本語でしょうかね。
悪く言えば「あやふや」ということでしょうか
それから何度もおいでくださいませ
投稿: 玉井人 | 2007年9月24日 10:56
タイトル見ただけで、たいした記事じゃないと思ったんですが、どうして・・・
さすが、「深いですね~」
投稿: もうぞう | 2007年9月24日 18:22
)もうぞうさん
このタイトルしか浮かびませんでしたが、ありふれてますね
投稿: 玉井人 | 2007年9月24日 21:59
私は単純に
『暑い「も」寒い「も」彼岸まで』の
「も」が一つになっちゃっただけかと思ってました。
単純な感じですね^^;
しかし「黙殺」の英訳…
知らざる真実で起きた事実を考えると
少しショックを覚えました。
投稿: hide | 2007年9月24日 23:36
)hideさん
黙殺の翻訳は、難しいでしょうね。
「今ロシアに調停を頼んでいるこの苦しい胸のうちを察してくれ」的な、はっきりしない返答が外国に通じる訳がないですよね。
投稿: 玉井人 | 2007年9月25日 00:04