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2008年1月10日 (木曜日)

「中学生ホームレス」を読み終えて

ベストセラー本芸人田村裕の「中学生ホームレス」、話題になったころはすでに店頭からは消えていたので追加販売後に買い読むこととなってしまい読み終えたのは昨年の暮れになりました。

そこで、小学生以来の「感想文」を書いてみましょうか。(まだ読んでいない方もいるので内容にはなるべく触れないようにしたいと思います)

私は以前に島田洋七の「がばいばあちゃん」を読み感動で泣きながら読んだことが頭にあったので、それより売れているこの本に同じような期待感を少し持っていたわけです。

しかし、その期待はあっさりと打ち消されてしまいました。
物語とは「起、承、転、結」がどんな本にも存在するわけで「がばいばあちゃん」には非常にそれが生かされ良くできていました。

それに比べ「中学生ホームレス」はまず「結」がきて「承」があって「転、起」そして最後に普通 前書きに来るあいさつ文でしめられているのです

文章も個人名がいっぱい出てきて、まるで小学生の絵日記を髣髴させるもので、良く言えば斬新、悪く言えば「幼稚な本」となっているのにはなんともいえない戸惑いを起こしてしまいました。

多分小説をたくさん読む人にとっては、「読みにくい」と感じてしまうかもしれません。

突然一夜にして、住むところも家財もすべてなくしてしまった主人公とその兄姉の涙ぐましくすさまじい苦労の話とそうなるまでの過程とその後の結末なのですが、涙が出てこないのは「絵日記」的文章のせいだと思いました

ではなぜこんなに売れたのか?この3兄弟の悲惨で涙ぐましい生活、母親や恩人の死、出会った人のすばらしさ、それは「がばいばあちゃん」の比ではないのです

この3兄弟、大学生だった長男、受験を控えていた高校生の姉、そして母の死を受け入れられないでいた甘えん坊中学生の田村裕本人の立場を自分に置き換えたときの切なさが、読み終えてから起きるのです。

読み終えて2~3日後に来る感動、これは「悲惨な経験」と「幼稚な文章」のギャップからくるものだと思います。

一度この本を読んでみて、不思議な感覚を味わってみて涙してみるのもおもしろいですよ。

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コメント

私も読みました。
文章が気になって、感情移入ができにくい感じがしました。
すごい経験のはずなのに、なにか冷めている自分を感じてしまいました。
がばいばあちゃんの感動とは、かなり違っていました。

投稿: ぜん | 2008年1月10日 (木曜日) 23:18

)ぜんさん

かなり本を読む方にとっては、「なんだ・・・」でしょうね。
感情移入無しで絵日記の作文とみるとなんとかなりますね。単純な文章なんですが、ストーリー3つも4つもあるようで読むのに時間が掛かった気がしました

とってもすばらしくも辛い体験であることだけがこの本の売れている理由ですね

投稿: 玉井人 | 2008年1月11日 (金曜日) 08:09

未だ読んでいません。でも、必ず友人の中で貸してくれる人が出てきそう・・・それから、読みましょう。

投稿: 山口ももり | 2008年1月12日 (土曜日) 09:09

)山口ももりさん

私の行った文章構成を頭に入れて読めば、その悲惨な経験内容が感じやすいかもしれません

投稿: 玉井人 | 2008年1月12日 (土曜日) 10:13

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