「どじょう鍋」と「柳川鍋」は違うんだね!
私の好きな作家に「池波正太郎氏」がいます。実におもしろい時代小説、そして必ずその場面に出てくるおいしそうな料理と食べる描写が特徴で、読んでいるとちょっと熱燗で一杯やりたくなるんですねえ。これが
先日読んでいた「藤枝梅安」中にも出ているのが常でおいしそうな解説が主人公によってなされるんです。
そこに出てきた「どじょう鍋」なんですが、わたしは「なぜ柳川鍋と言わないのだろう?」と思いましたらこの小説の時代背景ではまだ「柳川鍋が日本には無かった」という行(くだり)が出てきたのです
わたしの地域でいう「どじょう汁」それは「どじょう鍋」「柳川鍋」とともに同じものだと思っていましたので、違うんだと知ってちょっと驚いてしまいました。
<どじょう鍋>
下煮(味噌などで)したどじょうを丸ごと鍋に入れだし汁で煮ながら食べるもの<柳川鍋>
どじょうを開いて内臓や骨をとり下煮する、鍋にはササガキごぼうを底に敷きそのどじょうを並べ煮汁をかけ溶き玉子を落として食べるもの
ドジョウの下処理と玉子に大きな違いがありますね
柳川鍋の語源には「天保年間に江戸の柳川という店が始めたからその名称がある」という説、
そしてもう一つが「福岡県に流れる柳川の岸辺にあった柳の葉の形がササガキごぼうの形に似ているからその名がある」と
大きく二通りが有るようですが、作り方は同じようです。
いずれにしても江戸時代の玉子は高価な高価な食べ物ですから柳川鍋を食べられたのは大金持ちで庶民には手が出なかったと思います(私の子供のころも玉子とバナナは高価だった)
私、実はどじょうが食べられません。
子供のころは異常に食べていたのを記憶していますがある時から食べると「ゲロする」ようになってしまいました。たぶん生煮えの内臓を食べて吐いたのがトラウマになっているのだと思います。
そのとき「柳川鍋」だったら内臓が無いのでならなかったかもしれないと思ってしまいました
<なぜ?どぜうと書く看板>
元々は「土長」という漢字で、平仮名では「どじゃう」と書き「ドジョウ」と読ませていたそうです。
江戸時代浅草に「越後屋」というどじょう鍋を売り始めた店がありました。
看板の文字には「どじゃう」の平仮名四文字を掲げたそうですが、まもなく起きた江戸の大火で全焼してしまったそうです。
落胆した主人は「この看板の<どじゃう>の平仮名が四文字なので悪かったのだ」と考え、
建て直しに当たって看板職人に「看板の文字は縁起の良い3文字または5文字に考えて作ってくれ」となったそうです。
困ってしまった職人さん、試行錯誤、そして考えに考えた挙句にできたのがほとんど同じに発音できる「どぜう」だそうです
これが話題になり、縁起を担ぎドジョウ屋は皆看板を「どぜう」と3文字平仮名にするようになったそうです
めでたしめでたし
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コメント
雑学ですね~
「どぜう」は先日のTVで見ましたので知っていましたが、それ以外は知りませんでした。
でもまさかここでも「越後屋」が登場するとはね~
投稿: もうぞう | 2008年3月12日 (水曜日) 20:56
)もうぞうさん
この越後屋がこの時代日本最大の店舗をもつ「三井越後屋(現、三井商事グループ)」かどうかは書かれてありませんでした。
同じですかね?
投稿: 玉井人 | 2008年3月12日 (水曜日) 21:13