昭和50年代のガソリンスタンド
ガソリンの高騰の話題から昔話を思い出しました。これは50代以上の人じゃないと分からない昔のガソリンスタンドの話です。
昭和50年以前、ガソリンスタンドには今と同じように2種類のガソリンが売られていました。
一つは普通のガソリン、もう一つは頼んでから作る「こんごう」と私たちが言っていたエンジンオイルと混ぜて売る2サイクルバイク用の混合ガソリンでした。ハンドル付きの機械に入れて混ぜて販売されていました。
現在は草刈機やチェーンソー用に自分で作って入れるものです。
この混合ガソリン、黒い昔のバイクが無くなりホンダカブが現れた時点で消えていきました。
それまでのガソリンには自動車の性能があまりよくなくノッキングしやすい車が有りそれを補うため燃焼効率を良くする「四エチル鉛」というのが添加されていました。
それが昭和50年に入ると「排ガス規制」が騒がれ始まり、四エチル鉛が排ガスになって出ると「有害である」となり、その対策として石油メーカーが作り出したクリーンなガソリン鉛を含まない「無鉛ガソリン」が販売されました
そのため、スタンドには従来車用の「有鉛ガソリン」とクリーンな「無鉛ガソリン」が並んで売られるようになりましたね
そのうち車の性能が向上しすべて無鉛ガソリン対応になってしまったため「有鉛」の文字は姿を消すようになりました。
しかし、ユーザーのなかで燃焼効率が良くエンジンパワーが上がる以前の有鉛ガソリンを要望する声が上がってきたのです
そこで出たのが無鉛でも有鉛ガソリンのように燃焼が良くパワーが出る「ハイオクタンガソリン」でした。
スタンドでは、どちらも「無鉛ガソリン」なので今までの無鉛ガソリンを「レギュラー」とし、新しいガソリンを「ハイオク」と表示して販売するようになりましたね。
エンジンもクリーンエンジン開発がメーカー同士で激しくなり、結果として「三菱方式」と「富士重工方式」が先行しました。
日産は三菱方式に近いものを開発、トヨタはなぜか富士重工方式とまったく同じものを独自方式として出しました。
トヨタがスパイしたとあのころのわたしは直感しました。それとともに「さすがでかい会社だ!」とも思いましたね。
こんなことを知っている人って意外に少ないのかもしれませんが、あのころ車に関心が高かったころのわたしには51年規制、52年規制、などの言葉ともに非常に懐かしい話です
そういえばあのころですよね、軽自動車の排気量が360から550に変わったのも、そして4WDの人気が上がってきたころでも有りますね
ずいぶん昔の話になってしまったんですかね・・・これ()
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コメント
車の事まるで知らない私ですが、山崎豊子「無法地帯」を思い出しました。自動車産業界のすざまじい競争を描いていました。
投稿: 山口ももり | 2008年6月12日 07:58
)山口ももりさん
あのころは、環境に良いものの競争でしたから内部はもっとすごかったのでしょうね
投稿: 玉井人 | 2008年6月12日 08:14
そういえば、給油口の所にわざわざ「無鉛」と書いたステッカーを貼っていた時期がありましたね。
なんか、懐かしい気がします。
うちの車はレギュラー仕様の筈なんですが、エンジンがデリケートなのかレギュラーだとノッキングするという話を聞いたのでず~っとハイオクを入れています。
今のガソリン価格は昔に比べると無茶苦茶な値段なので痛いですが、週末にしか乗らないのでなんとか…。
車の販売台数も普通車以上は減っていて、軽自動車が伸びているようですね。
投稿: がんさん@大和の国 | 2008年6月12日 09:53
)がんさん
ハイオクを給油されているんですか
それじゃ、すごい価格ですよね()
プラグを良いもの(白金端子のとか)に替えるとレギュラーで大丈夫だと思います・・・思いまうが・
投稿: 玉井人 | 2008年6月12日 12:38
玉井人さんとは、同年代だと思うのですが、知らない事が一杯書いてあってビックリです。
凄いな~
投稿: もうぞう | 2008年6月12日 20:33
父や叔父は良く知っておりました>混合ガソリン
有鉛、無鉛ガソリン...懐かしい響きです。
ホンダZやスズキフロンテなど懐かしい軽自動車です。
正に「昭和は遠くなりにけり」なのですね...
投稿: 秋ぎつね | 2008年6月12日 22:12
)もうぞうさん
友人と話すのは車のことばかりでしたし、金が無くてガソリンや車のメンテナンスをどうやったら安くなるかばかり考えていたころでしたので、頭から離れないですね
投稿: 玉井人 | 2008年6月12日 22:15
)秋ぎつねさん
ホンダZは、リヤ窓の形状から「水中眼鏡」と呼ばれていました
懐かしいです
投稿: 玉井人 | 2008年6月12日 22:18
有鉛ガソリン、懐かしいですね。日本では1987年に廃止されました。
何でも排ガス規制が始まった頃(1976~1977年頃)、我が国では酸化触媒を中心とした触媒を用いた排ガス規制車が発売され、触媒コンバーターによるパワーダウンは建て前では5~6%と言われていたものの現実には10%どころではないダウン率があったそうです。そこで、非合法を承知で無鉛指定の触媒付き車に有鉛ハイオクを入れて、触媒のタイミングベルトを切って触媒自体が破損することに伴うマフラーの背圧減少と有鉛そのものの(4エチル鉛に由来する)強力な爆発力の相乗効果を生かしてパワーアップの手段とする剛の者を何人も聞いたことがあります。
さて、51年規制から53年規制へと基準値や規制そのものが進化するにつれて触媒そのものの性能も上がり、従来のペレット型からハニカム式を中心にした白金触媒が主流となり、三元触媒としてO2センサーの精度を高めた還元作用を持つ触媒が大勢を占めるに至りました。お陰で鉛による触媒の被毒作用の心配も大幅に減りましたが依然触媒によるマフラー系のパワーダウンは現在のそれより大幅に存在し、触媒ストレートが盛んに売られ始め、サーキット用を中心に人気を博するようになりました。時系列を追うように、有鉛ガソリンそれ自体の鉛の含有量も年々減少し、1976-77年時点では全燃料の15%を占めていた有鉛ガソリンの販売量は激減し、1983年に無鉛ハイオクガソリンが登場、さらにアルキレート化剤(洗浄剤)が含まれてオクタン価100を達成した1987年に日本での有鉛ガソリンは長い歴史の幕を下ろした次第です。
投稿: 真鍋清 | 2009年8月14日 22:11
)真鍋清さん
お詳しいようですね。
とても丁寧なコメントをいただき、ありがとうございます。
投稿: 玉井人ひろた | 2009年8月15日 07:31