欧米はなぜグルジア寄りの仲裁をするのか?
北京オリンピック開催中に南オセチア自治区で起きたグルジア共和国とロシアの戦闘は衝撃のニュースとして世界中に流されました。
戦いは激化が予想されましたが、フランスの仲裁と言う形になり、わたしとしては双方の妥協点を探す協議会などがフランスを議長に進められるのだろうと素人考えでいたのです。
ところが、フランスが示した案は「ロシア軍の早期撤退」の完全な「グルジアが被害者でロシアは侵略をした悪国」という偏った仲裁だったのでちょっと驚いてしまいました。
それに対抗案として、ロシアは南オセチア地区とアブハジア自治地共和国の独立を容認を発表、そのためさらに欧米が反発を強める結果になりました
そこで、疑問>
- 欧米はなぜ、一方的にロシア軍への撤退要求と反発を強めるのか?
- 南オセチア自治区はどこの国に属するのか?
- なぜ、南オセチアなどの独立を欧米は認めないのか?
- グルジア、ロシア、どちらの言い分が正しいのか?
- グルジアとロシアとの紛争の基は何なのか?
- この戦闘で、得するのは、損するのは、誰?どこの国?
調べたら第二次世界大戦以前からの複雑な戦闘の歴史などにイギリスなどの国や企業が絡み合って難しい背景があるのが分かりました。
グルジアはまず旧制ロシア帝国の侵略戦争に敗れロシア帝国にされますが、共産主義闘争などの内紛に乗じ独立戦争に勝利して「ザカウカス連邦共和国」として独立を果たします。
すると今度は「ソビエト連邦」となったロシアのスターリン(グルジア出身)がこの国に侵攻し戦闘に、それに勝利したソ連は「グルジア共和国」としてソビエト連邦の中に編入してしまいますが、グルジア国民のソビエトに対しての抵抗は強く戦闘が止むことは無かったそうです。
そこでソ連が考えた奇策、グルジアに他から別の民族を移住させ人工的に町を作り、ソ連への反発意識を民族紛争に摩り替える計画が出されました。
それがイラン系のオセット人が現在7万人いる「南オセチア自治区」なのです。
それでも結果的にはグルジアはソ連改革とともに独立を果たし現在に至ったわけです。
豊富な地下資源を周りに有するグルジアは欧米とロシアには最高の場所、どちらも自分のルートを確保したい。そんな中で起きた戦闘、ロシアは南オセチアを独立させロシア連邦にしたい。
グルジアはもともと自国の土地を取られたくない。
積み出し用の港がある黒海北部は、同じくグルジアからの独立戦闘状態のアブハジア自治共和国に加勢するかたちでロシア軍艦で封鎖状態になっているため、欧米は石油積み出しの場所が少なくて困っている、と言った状況です
イギリスなどはパイプラインなどをロシア軍に爆破されているのでロシアが憎いし邪魔なわけです。それは欧米諸国共通でしょう。
つまり建前上の大義名分は↓
- ロシア=少数民族の南オセチア自治区に住むオセット人たち住人への虐待と攻撃をするグルジアをやっつけ、独立支援をする正義の味方
- 欧 米=小さなグルジア国の一部‘南オセチア自治区’へのロシア軍の行為は他国侵略で許されず、阻止する行為こそが我々の正義だ
しかし、本音は地下資源と黒海の自由往来権の争いなんですね。
これで一番被害になっているのは強制移住で人工の町南オセチアに住む「イラン系オセット人」の人々です。
グルジアからは激しい虐待をされ、ロシアからはグルジア軍をおびき出させるための「餌」にされているわけです。
だれが、一番悪いんでしょうか?どこの国が悪いんでしょうか?分からなくなりました。
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コメント
世界情勢まで詳しいですね~
私の頭の中には入っていない情報ばかりです。
投稿: もうぞう | 2008年8月29日 (金曜日) 19:56
)もうぞうさん
マスコミ報道では分からないことが多すぎて、調べた結果です
投稿: 玉井人 | 2008年8月29日 (金曜日) 22:39
こんばんは、玉井人さん。
凄くよく調べていますね~~~。
極端にどちらか寄りでもなく、玉井人さんは凄いです。
度々こちらへ来て勉強しなくては~~って気持ちに
なります。
玉井人さんのようにちゃんとした情報をマスコミは
報道してくれませんねーー。
投稿: 浜辺の月 | 2008年8月31日 (日曜日) 00:22
)浜辺の月さん
そう思っていただけるとありがたいですね
今回は欧米が異常に偏った仲裁案を出したので気になっていたんですよね
投稿: 玉井人 | 2008年8月31日 (日曜日) 09:45