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2009年4月30日

“ゴキブリの童謡”が有ったよ?!

♪~黄金虫(こがねむし)は金持ちだ 金蔵建てた 蔵建てた
       飴屋で 水飴買ってきた~・・・飴くれた

これは「野口雨情作詞・中山晋平作曲」で有名な童謡「こがねむし」で、よく知られているものですね

でも、ここで歌われているコガネムシとは、私たちが思っている「カナブンブン(江戸の方言)」ではなく嫌われ者の「ゴキブリチャバネゴキブリ)」のことを指して作詞されているのです。驚きですね

つまりこの童謡のタイトルを現代風にすれば“ゴキブリの歌”になっちゃいますね。

七つの子、シャボン玉、など抒情あふれる美しく優しい童謡を数多く書いている野口雨情氏がそんなはずはない」と、思うかもしれません・・・が、本当にゴキブリを書いた詩なのです。

野口雨情氏が生まれ育ったのは茨木県北部(現在の北茨木市磯原町)ではこんな古い言い伝えと言うか、伝説が存在しています。

‘この虫(ゴキブリ)が家に住み付くと、その家は金持ちになる’

この伝説からこの地域ではゴキブリを「金虫かねむし)」または「黄金虫こがねむし)」と方言で呼ぶそうなのです。

童謡「こがねむし」はこの情緒ある昔伝えを子供のころから聞き親しんできた野口雨情氏が、そのころを思い出しながら楽しい子供の歌として作詞したとてもよい歌なのです。

嫌われ、汚い、ゴキブリの歌ではないのです。

この伝説はまるでおとぎ話のようですが、実はゴキブリのある習性形態からきています。

産卵するようになったゴキブリのメスは腹の所にカプセル状の卵鞘(らんしょう)というものを抱えているそうで、その卵鞘の形がガマ口(財布)そっくりなのだそうです。
その卵がかえるころそれをメスは切り離していってしまうらしいのです。

昔の人がその様子を見ていて「ガマ口財布を運んで来てくれる虫」と、想像したのかもしれません。
または、食べ物のが豊富で暖かいところを好むゴキブリ、現に北海道には最近まで居なかった虫だそうですから「金持ちの家にいる虫」という意味もあったのかもしれません。

各地域の名前を調べたらゴキブリとコガネムシは「アブラムシ、くそむし」など共通する名前が多いようで、混同されていたというか、そんなに区別していなかったようですね。

昔の人はおおらかだったんですね。

そういえばトキという名も昔は「ガン=雁(かり)」など群れで飛ぶ大型の鳥全般を指していたようです

    <かってに異説想像>

ここからは全く根拠のない話ですので、聞き流してくださってくださいませ。

軍事国家のこの時代童謡作詞家は政府の統制処罰を恐れ、社会批判や戦争反対を童謡にして風刺することが多かったそうです。
野口雨情氏はそいうのが特に多いことでも知られています

とすればこの「こがねむし」という童謡にも、もしかすると・・・
「みんなが貧困などで苦労しているさなか、ゴキブリのように汚い金儲けをして蔵まで建てた悪徳商人が、庶民には安い飴くらいしか買ってやらないことのがめつさ」それを風刺しているのかもしれません

あくまでも私の推測です。

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コメント

む~~~
深いところまで読んでますな~
さすがです。

投稿: もうぞう | 2009年4月30日 20:19

 卵抱えたゴキブリは何度も見ましたね。あれがモデルだったとは...。
 今ほど家の中が暖かくなく、食料も余っていなかった時代、多分ゴキブリももっとずっと少なくて、今ほど嫌われていなかったのでしょう。
 ゴキブリの語源、「御器被り」からというのを聞いたことがありますが、いいお家にしか現れなかったのでしょうか。

投稿: 秋ぎつね | 2009年4月30日 20:33

)もうぞうさん

深読みしすぎですかね
 
 
)秋ぎつねさん

「ゴキカブリ(御器被り・御器噛り)」が正しい名称だったようですね。
それが文献を作るとき誤って「ゴキブリ」と振り仮名が付きいまになったようです。
“誤記ぶり”だとか・・

投稿: 玉井人ひろた | 2009年4月30日 22:30

数年前に茨城の雨情の生家というところへ行ったことがありました。あれもこれも、なんて沢山の歌が雨情の作ったものだったのかと驚かされました。でも、黄金虫がじつはゴキブリだったとは全く初めて知りました。
それに“玉井人ひろたさん”のおっしゃるように、この短い単純すぎるとも思える詩の中に、なにか隠されたものがありそうな、そんな気も確かにしてしまいますね。

投稿: koji | 2009年5月 1日 06:36

)kojiさん

何らかのメッセージは入っていると思いますが、深読みかもしれません。
それにしても短い歌ですよね

投稿: 玉井人ひろた | 2009年5月 1日 07:47

へ・え・え・・・いつもビックリしてる私です。シャボン玉の歌は弟が幼くして死んだ時の歌だとか・・
 シャボン玉消えた 飛ばずに消えた 生まれてすぐに 壊れて消えた・・・ですか???
それにしても、昔の歌のほうがしみじみ好きです。古い人間になってしまってるんでしょうかね。

投稿: 山口ももり | 2009年5月 1日 08:22

ゴキブリが住みつくと金持ちになるなら昔の家はどこも皆金持ちになってもよさそうですが、うちは貧乏なままだったな…。
この歌や「かごめかごめ」など、昔から何気なく口ずさんでいた歌もよく歌詞を見直してみるとなにやら恣意的な意味が隠されているようなものがあって面白いです。
その意味を聞いたときには『なるほど』と思うのですが、すぐに忘れてしまって…。

投稿: がんさん@大和の国 | 2009年5月 1日 12:04

)山口ももりさん

シャボン玉、典型的なその当時の隠語歌ですね。
死を美化する時代に、死を悲しむ歌は禁止ですからね
 
 
)がんさん

カゴメカゴメは陰陽道とか・・いろいろな説がりますね
深読みせず気楽に歌いましょうか

投稿: 玉井人ひろた | 2009年5月 1日 18:30

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