「ニンビー施設」・・・・・?
「ニンビー施設」という言葉が有るのを知っていますか?わたしは知りませんでした。
ちょっと見ると「コンビニ・!施設・・?」などと思ったくらいです
これは「Not My Back-Yard」の頭文字をとって作った造語らしいのですが、直訳すれば「自宅近く(自宅裏など)には嫌!」という感じですがね。
この場合の「ニンビー施設」とは「絶対に社会には必要だが自宅近くには有っては困る、嫌だ、反対だ」という施設を指しています。
例えば、「火葬場」、「下水処理場」、「ゴミ処分場」、などがその施設に当たります(「米軍基地」もでしょうか)。
そう言われれば分かる気がしますよね。
福島県内の地元のテレビや新聞話題になっていることがあります。
それは福島県の県庁所在地の福島市にある保護観察所内に建設完了された「自立厚生促進センター」という施設の開所について地元市民とでトラブルが起きていいることです。
そのトラブル内容の前にこのセンターとはどういうものなのか?説明しておかなければなりません。
<自立厚生促進センターとは>
犯罪を犯し刑務所に服役していた受刑者の中で態度などが良く社会復帰を望むものは刑期終了を待たず「仮釈放」という形で、事実上の釈放がなされます。
ただし、法的には完全刑期終了じゃありませんので、国家公務員の「保護観察官」や民間人ボランティアの「保護司」の方たちが仮釈者たちを監督指導することが義務付けられ、さらに仕事を探すことや住居を持つためには身元引け受け人が必要とされます。その身元引け受け人、主に親族がいないばあい保護施設に住まうこととなりますが、その施設は全国で102か所収容人数は2,301名で、仮釈放者年間16,000人(全体では仮釈を含め約3万人出所)から比べたら全く不足しているそうです。
入所できない者は自動的に無罪釈放(刑期満了)の処置が取られ社会に馴染むことなく町中に放り出されることになり「再犯」を繰り返す悪循環になっているのです
そこで国が考えたのがこのセンターというわけで、まずモデル計画地区として条件に合う京都、福岡、福島、の3か所が選ばれ平成18年に計画20年に開所予定を国は決定し近隣住民に説明を開始しし、出来上がったら受刑者にとって「社会復帰のリハビリ」と「仮釈放者の住まい確保」そして監督管理が同時にできるセンターで一石二鳥の施設・・だったのです。
そのうちの京都と福岡では、このセンターには性犯罪者(幼児性犯罪歴者も含む)などが住まいし自由に、そして多人数が街中を歩くことになり子供たちや女性たちが危険な施設だとして早々に反対運動が起き建設開始さえ出来なくなったのです。
ところが福島では同じ事前説明を「市議会」と「区長会(自治会長会)」に行い許可を得て建設が完了してしまったのです。
そして“出来上がってから住民から反対運動が起きた”のですから変な話です。ここには国の策略が有ったのです。
京都と福岡の例を踏まえ福島での説明はセンターの内容をぼかしたもので反対が起こらないように画策したようです。
その内容はまず大前提に「国家施設なのですばらしものである」という半ば強制に近いもので始まり「受刑者の訓練福祉センター的」なものであるような説明にしたため、住民代表はそこに住む者(性犯罪、窃盗、傷害罪の犯歴者)が自由に町中を出歩くようになる施設(単なる「アパート」に近いもの)だとは思いもしなかったようなのです。
そのため市や住民代表は「なんだか国が作るすごい福祉施設ができるようだ」くらいにしか説明からは思わなかったようで、話題にもならなかったのです。
ところが出来上がってから詳しい内容を知った住民が、「このセンターが有っては近くに小中学、高校など10校ほども有り子供たちの登下校に不安だ」と、今になって気がついたのです。
- 「受刑者の再犯防止や、犯罪そのものを減らす施設としては欲しいものだが学校が多いここでなくてもいいじゃないか?」
- 「なぜ、事前にしっかり説明せず“内容隠ぺい”のような説明をしたのか?」
- 「学校やPTAには事前説名がされなかったのは納得いかない」
つまり市民の言い分は「ニンビー施設」で有るというわけです。
市議会は最初反対のような態度をとりましたが「国のことには口出しできない」ということで、調整委員会のようなものを立ち上げたのですが、「だまし討ち」みたいなことをやられた住民が開所に賛成することは困難でしょうね。
もし・・もしも、こう言う施設が自宅近くに来たら趣旨を理解して賛成しますか?寛容になれますかね?難しいですよね。
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コメント
いったいどこから情報を仕入れられるのか?
ま~大した物ですね。
必要性は理解できますが、近くに出来るとイヤですね。
投稿: もうぞう | 2009年6月15日 20:03
)もうぞうさん
俗に言うマニアックな経済紙からです
投稿: 玉井人ひろた | 2009年6月15日 20:16
原発や産廃のことに興味をもって調べてたとき、NMBY、という言葉を知りました。
たしか、福大の教授の本にあったと思います。
「地域エゴ」「中央エゴ」みたいな観点でとらえた、環境問題社会問題のものだったか‥
正直、私もイヤだもんな~
考えさせられますね。
投稿: ハル | 2009年6月16日 11:08
ニンビー施設ですか…。
犯罪者達と背中合わせで生きるのは、真っ当に生きてきた(積もりの)私は嫌ですね。
特に性犯罪者は繰り返す傾向があると言うし、病気のようなものなら隔離しておくべきだと考えています。
見方によっては「気の毒」とも思えますが、迷惑を受けてからでは遅いですからね。
人生には「リセット(やり直し)」は無いんです。
程度にもよりますが、基本的に犯罪を犯したらそれで人生終わり。
更正なんてどの程度期待できるのでしょう?
しかし、役所のやることは陰湿で詐欺のようなやり方が多いですね。
住民の方々が怒るのは尤もです。
投稿: がんさん@大和の国 | 2009年6月16日 12:03
)ハルさん
確かに必要なものであることは重々解るいんですが、近所に有っては考えちゃいますよね
)がんさん
福島の場合、反対運動が起きてから「幼児性犯罪者」はリストから外されることになりましたが、不安ですよね
保護師の方から言わせれば「その偏見の目が再犯になる」とはおっしゃいますが・・・もしもが無いわけじゃないので難しいですよね
投稿: 玉井人ひろた | 2009年6月16日 17:34