違反非公開を責めるマスコミ
昨年2008年に起きた食品表示違反は「769件」有り、そのうち農林水産省が公表したのは「110件」にとどまったことがニュースになりました。
公表されなかった所は農水省の「公表すれば企業の売り上げに影響を及ぼす」として「改善命令」となったそうですが、「それでは食の安全が守られていない。政府は国民じゃなく企業を守るのか」とマスメディアは一斉に指摘した記事でした。
その“公表されなかった658件”には下記のようなものが有ったそうです
- 国産表示の「うなぎ」、「ニンニク」、「豚肉」、「ウニ」⇒外国産だった
- 松坂牛の表示⇒ホルスタインだった
- 新米⇒一昨年米だった
- 遺伝子組みかえ無し⇒遺伝子組みかえてあった
- アッサム紅茶100%⇒他の産地のが混在だった
- 天日干し⇒機会乾燥だった
- 無農薬野菜⇒無農薬の認可は無かった
- 天然アユ⇒養殖だった
- ハチミツ⇒オリゴ糖が混入されていた
このニュースを見れば、どれもこれも消費者にとっては「企業の詐欺行為」にあたり、それを消費者に公表せず「改善命令」で済ましてしまった農水省は「企業の詐欺行為の共犯者」のように言われてもしょうがないですね。
高額で買った方は「大損」ですから、そのことでも許されない農水省のやり方で、マスコミが指摘することは当然でしょう。
その通りですが、私はあえてマスコミとは視点を変えたいと思います
先にあげた表示違反はひどいですがその事例は658件の中では極稀で実際に「表示違反」になるケースで一番多いのはもっと些細(ささい)なことが多いのです。
たとえばマヨネーズ、この材料に使われる砂糖の代わりにもっと栄養価が高い、そして健康に良いハチミツなどを使った場合「マヨネーズ」の名称は食品表示違反になります(‘マヨネーズ風’にすると違反じゃない)。
たとえば、「加工食品はその使用材料の多い順に表示しなければならない」ということが義務になっています。これをうっかりして順序をミスプリントしたら食品表示違反です。
この材料表記の順序表記ミスプリントは消費者にとってたいした問題じゃないはずですが、これを「偽装食品」と同じく公表されたらこの不況下で確かに企業は辛いことも確かだと思いませんか。
今回のように問題になるのは「食品表示違反」の「公表規定」があいまいなことから起きているものだと思います。
これも、前回の冤罪問題と同じく立法府、つまり国会議員がしっかり仕事(法改正)をしていないからではないか?と思いませんか。
その意味では「国は消費者より企業に味方してる」というマスコミの記事と同じになってしまいますがね。
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コメント
監督官庁と言いますか、所轄官庁は誰のためにあるのか?
その業界業者のためにあるんですね~
だからこういう結果になるんでしょうね~
投稿: もうぞう | 2009年6月 8日 (月曜日) 04:24
)もうぞうさん
食品の安全を守る法律そのものにも、疑問んなところが多いことも事実ですし、運用期間にも疑問が多いです
投稿: 玉井人ひろた | 2009年6月 8日 (月曜日) 08:02
とも角、棄てたら勿体内ですよね。イチャモンと、不正の区別はどうつけるのでしょう???
投稿: 山口ももり | 2009年6月10日 (水曜日) 09:02
)山口ももりさん
意外とその辺がルーズなのが法律なんですよね。
これを「法の柔軟性」と言う人もいますが・・・
投稿: 玉井人ひろた | 2009年6月10日 (水曜日) 12:27