寃罪でも選挙権が復活しない・・?
足利事件(1990)で犯人とされ無期懲役になった「菅谷利和さん」が当時のDNA鑑定に誤りが見つかり「寃罪」が認められ、無罪放免となり釈放の喜びと警察への怒りの会見を行った報道はまだ記憶に新しいですね。
あの記者会見を見てほとんどの人が「長い空白の時間を戻すのは困難だがこれで普通の暮らしに戻っていける・・」と、漠然と思ったはずです
そしたら昨日18日告示された衆議院選挙、その選挙に菅谷さんは投票権が無いというじゃありませんか
地元選挙管理委員会の判断はこうです。
「菅谷氏は無期懲役が出された時点で公民権が失われ、それによって選挙登録人名簿から抹消され選挙権は無くなった。
現在、釈放されたが当時失った選挙権に関しては“抹消処分”はまだ公職選挙法上においては現在でも有効であると考える」
全然、私にはそこの選挙管理委員会の考え方が理解できません
公職選挙法は各都道府県ごとに決められていますがその中でも「投票ができない人」の条件は共通します。
- 20歳に満たない者(正確には20歳の誕生日の前々日まで)
- 選挙区に3ヵ月以上住んでいな者(住民票が移動されていない者)
- 禁錮刑以上の罪状の者でまだ刑期終了していない者
- 選挙において違反をした立候補者や政治家
- 日本人ではない者
- 現在国内に居ず外国に居る者
だいたい上記のような条件になっていますが、菅谷さんの場合「3番」の条件に当てはまると判断されたようです。
菅谷さんの刑は「無期懲役」でしたから「刑期終了は無期=選挙権回復も無期」と、いう考えなんでしょうね。
公務員の「一度決まったことは変更しない」というバカ真面目さなんでしょうか?それとも「外すのは簡単に自動的に外す」ところが「戻す作業=申請が無いし・・手続きが面倒だし・・判断は俺たちじゃないし・・」などと考えているんでしょうか?
菅谷さんはすぐに訴えを起こす準備にかかりましたが、過去の事例から言って選挙管理委員会の判断は「憲法15条、43,44条に違反」と判断されるはずですから勝訴になるでしょう。
ただし、やっと釈放されてから最初の大事な国政選挙には参加できない事は間違いないです。
これは菅谷さんが一番に頭にくるでしょうが、一票でも票が欲しい立候補者にとっても今回の選挙管理委員会の判断は腹立たしいことでしょうね。
| 固定リンク | 0
コメント
私も???と思いました。
単純にまだ「人」としては見ていないって事です。
何が問題なんでしょう?
これで「損」をするのは菅谷さんだけなのに。
法務大臣の一言で「復権は当然な事」と言えば誰も文句言わないとおもうけど。
投稿: ばいす | 2009年8月19日 16:45
)ばいすさん
公民権が自動的に消えるなら、その根拠が間違っていた場合自動的に戻るというのが当たり前の考え方ですよね。
そこができていない。なんせ、日本の法律のほとんどが明治のころにできたのをそのまま使っているのが問題だと思います。
投稿: 玉井人ひろた | 2009年8月19日 19:27
難しいですよね〜法律って。時代の変化にもう全然追いついてないっちゅ〜か…公職選挙法違反ってのも今イチ境界線がわからないというか、普通のお茶は良くて、ペットボトルのお茶は買収にあたるって!!!イミワカンナイッス。。。
投稿: くぽ | 2009年8月20日 04:26
)くぽさん
そうなんですよね
お茶の場合、ペットボトルは商品となるからでしょうが移し換えたら分かりませんよね
投稿: 玉井人ひろた | 2009年8月20日 07:33
ウ・ウーン・・・ケースバイケースってこともあるしなあ・・・そうしたら法律ってものは意味がなくなるし・・・
投稿: 山口ももり | 2009年8月20日 09:16
これまた典型的な「お役所仕事」ですね。
ことなかれ主義というか、全く融通が利かない。
法務大臣がひと言「戻す」と言えば済むことじゃないのでしょうか。
選挙運動で忙しくて人のことなんか構ってられないのかな…?
硬直化した縦割り社会の現実ですね。
菅谷さんが立候補したら浮動票を集めて当選するかもしれないのに、当然被選挙権も無いのでしょうね。
投稿: がんさん@大和の国 | 2009年8月20日 12:00
)山口ももりさん
今回の場合、法の解釈の仕方でしょうね
)がんさん
本当にそうですね。
菅谷さん立候補ですか、自民は頼みたかったかもしれませんね
投稿: 玉井人ひろた | 2009年8月20日 19:06