亀の甲より年の劫・・「〒」
本日2月8日は「〒マークの日」という記念日なのですが、この「〒」マークができるときに面白いエピソードが有るんです)
江戸時代が終わり新政府になって現在の日本郵政グループ(郵便制度)の元になった逓信省(ていしんしょう)というのが発足します。
この時に同省はシンボルマークを考えることになり、逓信(テイシン)の「テイ(逓)」の読みに合わせて甲乙丙丁の「丁」に決定し、それを明治20(1887)年2月28日に公表されたのでした。これが記念日となったようです。
ところが・・・公表してしまってから明治政府はある事実を知ってしまうのです。
何と、外国では万国共通で郵便料金不足の場合に使用する記号がアルファベットの「T」の文字だったのです。
「T」の字と「丁」は非常に紛らわしく国際的に使用ができないとあわて感じた政府のとった行動が滑稽だったのです。
すぐに「テイシンショウ」の「テ」を図案化した現在でもおなじみの「〒」のマークが考え出され、2月8日公表から1週間も過ぎない14日には訂正の発表がされたのですが、その時の理由が面白い。
よほど最初のマークを作った人物の名誉や体面を気にしなくちゃいけない偉い人物か大先生だったのでしょう、訂正理由はだいたい次のようなものになっていたようです
「先の8日に発表した郵便記号のことであります。
記号は‘テイシンショウ’の「テ」を基とした「〒」であったのでありますが、どこで手違いが有ったのか、誤って漢字の「丁」のようなものを発表してしまったようであります。
ここに訂正し改めて発表するものであります」(※、言葉は推測想像です)
つまり、“初めから「〒」だったので、けして新しく作り直したのではない。発表時のは線が1本足りない単純ミスだった”ということにしてしまったようです。屁理屈ですよね。
ですから、記念日も14日じゃ無く、最初の8日のままにしたようです。
このような考えは若い人には無理だと思いますね。きっと、かなりの知恵の働くベテランがいたんだと思いますね。
逓信省の人々は「やはり亀の甲より年の劫だ」と、密かに発表の裏で感心をしていたのかもしれませんよね
雑学>
「亀の甲より年の劫」の「亀の甲」とは「亀の甲羅でやる占いのこと」を指しています。つまり「占いより経験豊富な年長者の智慧のほうが信用できる」というのが語源のようです。
単なる「ごろ合わせ」や「だじゃれ」の類の言葉じゃないようですね
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コメント
政治家や官僚のうわべを糊塗する言動には辟易していますが、これはなぜだか微笑ましいですね。遠い過去だからでしょうか。
投稿: 朝霧 圭太 | 2010年2月 9日 09:09
)朝霧圭太さん
子供の「後出しじゃんけん」の言い訳を言っているようで可笑しいですよね
投稿: 玉井人ひろた | 2010年2月 9日 09:23
へ・え・・・・え・・・面白いお話ですねえ。
投稿: 山口ももり | 2010年2月 9日 09:56
)山口ももりさん
本によっては最初から「〒」のマークは「テイシンショウ」のカタカナの「テ」だとしか説明が無いものも少なくないですね
投稿: 玉井人ひろた | 2010年2月 9日 10:32