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2010年3月 2日 (火曜日)

「無認可保育所」の呼び方は反対だ!

先日遊びに来た幼子を持つ姪がこんな愚痴をこぼして行きました

姪、「なんかパートでも仕事探したいんだけどさ、この子をあずけるところが無いしだめなんだよね)」
俺、「保育所、近くに無いのか?」
姪、「有るんだけどさ、私が働いていない(共働きじゃない)から許可にならないんだ。職場では保育所に預けていないと採用を断られるし・・・、仕事が無いと保育所はひき受けないし・・、あずけないと仕事探しも出来ないし・・・“どうしろ”というのよ?
俺、「無認可保育所だと引きうけるが料金が高いし、ちょっと不安だよな」
姪、「そうなんだよね。まいっちゃう

こ言うジレンマに陥ってる若い夫婦の家庭は、姪夫婦だけじゃなく今現在 日本国中にあふれているんです。
これは厚生労働省が定めた法律の規定を満たし各都道府県知事が認可した、いわいる「認可保育所」の最大の欠点なのです。

そこで急増しているのが国の定める規定外の「認可外保育所」という、自治体に届け出るだけで開設できる保育所で“通称”は「無認可保育所」と呼ばれるものです

ところが、先日も福島県郡山市で無認可保育所に預けられていた乳児が死亡するという事が有りましたように、この「無認可保育所」というのはイメージが悪いのも事実です。

ちょっとここで認可と認可外保育所の違いを並べてみましょうか

認可保育所>

  • 厚生労働省が定める面積以上の施設と、かつ規定以上の保育士が保たれている
  • 許認可は各都道府県が国の規定と照らし合わせ調査し知事が行う
  • 種類>市町村が運営する公立なものと、民間団体や企業が運営する私立のものが有る
  • 長所>使用料金はその家庭の収入に応じ割り当てられ比較的支払いがしやすい
  • 長所>運営には公的な補助金制度が有るので経営の安定度が高い
  • 短所>必ず夫婦共働きじゃないと受け入れができないため、求職活動をするために利用できない
  • 短所>国の規定を満たすには広い面積と多くの保育士を集めなくてはならないため、施設が少なく利用者の人数にに追い付いていない

認可外保育所>

  • 厚生労働省が定める施設の面積・人数を満たさずとも地方自治体への申請で開設出来るので自宅などを利用したりして経営しているところも多い
  • 種類>全て団体や企業や個人が運営する私立だけである。
    しかし、市町村が委託した保育所のように有る程度公立に近いものもあったり、企業が社員のために設置したりするものなど多種である。
    東京では石原都知事が「国には任せられない」として独自の「認証保育所制度」を持ち「駅型保育所」や「認証保育所」という一部助成金も出たり、少し違った形態のも存在する
  • 長所>共働きじゃ無くても預けることができる。
  • 長所>保育所経営チェーン企業等が参入していて、認可保育所より親切できめ細かいサービスをやってくれるところが多い
  • 長所>認可保育所より件数が多い
  • 短所>乳児の死亡や環境の劣悪さのところもあり、トラブルが多い
  • 短所>公的助成金が一部のところを除き無いので利用料金が高い割に経営が不安定

無認可保育所と言っても市町村が事実上管理しているところもあるので、つまり認可保育所と認可外保育所(無認可保育所)の違いはというと、極端にいえば施設面積とスタッフの数字が規定より大きいか小さいかの違いしかないのですがね

ちゃんと許可をもらって運営している保育所なのに、さも“無許可保育所”のようなイメージを抱かせる「無認可保育所」というのは良心的に運営している方たちにはさぞかし気分が悪いでしょうね。

福島県では病院の女性医師確保のため病院が女性医師などのために保育所を設置すると運営に助成金をだすことを行っていますが、この病院の保育所も「無認可保育所」になります。ちょっと、おかしいですよね
言い方を東京の「認証保育所」のような呼び方に直した方がいいと思います

<保育所の雑学>

保育所は元々は「託児所」などとも言っていたのですが厚生労働省の改正児童福祉法などによって「保育所」に統一されたものだそうですが、
これの「日本発祥の地が新潟県」なんです。わが福島県の隣です

時は明治23年(1890)、赤沢鐘美夫妻が新潟に家塾「新潟静修学校」というのを開校したのですが、通う生徒たちは幼い妹や弟の子守りをするのが常識の時代で学校にも連れてきたため、見かねたご夫妻がその幼子を別の部屋で預かることを始めたのが最初だそうです

わが母も弟や近所のこどもなどの子守りをさせられた話をよく聞かされています
時代ですよね。

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コメント

いやはや恐れ入ります。
新潟県人でも知りませんでした。
またまた勉強になりました。

投稿: もうぞう | 2010年3月 2日 (火曜日) 22:01

)もうぞうさん

意外と新潟県内でも知られていないことなのかもしれませんね

ちなみに福島県は「農業協同組合発祥の地」ということになっています

投稿: 玉井人ひろた | 2010年3月 2日 (火曜日) 22:25

親が無職だと認可保育所に子供を預けることは永久にできないわけですね。
認可にせよ、認可外にせよ、保育所はある意味企業であってはいけませんね。
採算は必要でしょうが、人となる基礎を育む場所ですから、そちらを重視していただきたいです。(親の責任も大きいですけどね)
他人の子供(の命)を預かっていることを肝に銘じて。

投稿: がんさん@大和の国 | 2010年3月 3日 (水曜日) 12:43

)がんさん

今の制度では、そうなってしまうようです。
少子化問題を何年も前から声高に掲げてきている政府ですが、現場とのギャップは想像をはるかに超えているようです

投稿: 玉井人ひろた | 2010年3月 3日 (水曜日) 15:39

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