二重構造政府が日本の伝統
昨年私が読んだミステリーSFサスペンス小説で「影絵の騎士(かげえのきし)」というのが有ります。著者はミステリー小説家の第一人者「大沢在昌(おおさわありまさ)」です。
内容は「推理小説」なので止めておきましょう。ただ、非常に面白い小説、そして読み後多恵が有るちょっと長いストーリーだったことだけは言っておきます。
この小説の中である人物が言う言葉に「そういえば日本は昔からそうだ」と感心させられる台詞が有ります
「日本という国は昔から権力者と決定権者の二重構造で成り立ってきた背景が有り、私は過ごしやすかった・・・」
江戸時代も実権と権力を握り国を動かしていたのは幕府ですが、何かを決めてそれを国民に納得させるため最終決定は朝廷の帝(天皇)にしてもらっていました。
今の象徴天皇制と変わりなかったわけです。
<天皇の国事行為とは>
天皇は、内閣の助言と承認により、国民のために、下記の国事に関する行為を行う。
(ゆえに天皇の国事行為の責任については内閣が全て負うことになり、天皇には責任が無い)
- 憲法改正、法律、政令及び条約を公布すること。
- 国会を召集すること。
- 衆議院を解散すること。
- 国会議員の総選挙の施行を公示すること。
- 国務大臣及び法律の定めるその他の官吏の任免並びに全権委任状及び大使及び公使の信 任状を認証すること。
- 大赦、特赦、減刑、刑の執行の免除及び復権を認証すること。
- 栄典を授与すること。
- 批准書及び法律の定めるその他の外交文書を認証すること。
- 外国の大使及び公使を接受すること。
- 儀式を行うこと。
上記のように、形上は国会を開くのも、衆議院解散も、実は天皇が行っているものなのですが、それは責任を伴わない行為という、複雑で理解しがたい体制になっています。
ですが、2000年以上も日本人はそのやり方に慣れてしまっているわけです。ですから、同じようにいろいろな組織も同じように二重構造になっている気がします。
政党しかりですよね。
ここが、権力と決定の権利を一人で請け負う大統領制の国との決定的な違いですよね。
だから、日本の外交というのが弱くなるんじゃないかと・・・?
これは少し飛躍しすぎかな
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コメント
なるほどーーー、二重構造ですかーーー。
江戸の時から変わりなく・・・・ですね。
もうずーーとそうなんですねーー。
最後の玉井人さんの言われる言葉分かりますよ。
そうかもしれませんね。
投稿: 浜辺の月 | 2010年3月 6日 15:22
)浜辺の月さん
最高決定権を持っている人と最高権力者がイコールじゃないというのはどうしても最終責任者が玉虫色になりがちな気がしますよね
投稿: 玉井人ひろた | 2010年3月 6日 18:13
な~るほど。
それが日本が曖昧さを残している原点だったのでしょうか?
投稿: もうぞう | 2010年3月 6日 19:32
)もうぞうさん
逆も言えます。曖昧だから二重構造になっているとか・・・
投稿: 玉井人ひろた | 2010年3月 6日 21:05
これって、私らに身近な組織の中にもよくありますよね。
うまくいってる時は、とても便利な方法に感じます。
投稿: ハル | 2010年3月 7日 07:00
)ハルさん
そうなんですよね。特に日本人にはやり易い方式なんだと思います
投稿: 玉井人ひろた | 2010年3月 7日 09:22