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2010年5月 3日

今日は何の祝日、知ってますか?

今日は「憲法記念日」という祝日です。だからこの日は「新憲法が公布された日」だと思っている方もいるでしょうが、それは勘違いなんです。

戦後の新日本国憲法が公布されたのは昭和21(1946)年113日です。

憲法記念日になっている5月3日とは公布された日ではなく
それから半年後、つまり翌年の昭和22(1947)年53日に施行されたので記念日になっているんですね。
公布と施行、なんとも法令等は複雑な言葉と仕組みになっていて一般庶民には解りにくいものです。

ちなみに公布日の11月3日は、日本国憲法が平和と文化を重視していることから「文化の日」になっているそうです。

憲法ができるまでの流れを記載してみましょうか。

  • 昭和20年(1945)10月4日マッカーサー元帥が近衛文麿国務大臣に改憲を指示
  • 同年  11月22日近衛国務相、「帝国憲法改正要綱」を天皇に提出
    この後近衛大臣はGHQによって戦犯に指定され出頭前の12月に自殺
  • 昭和21年(1946) 2月8日、「松本烝治(じょうじ)試案」GHQに提出
  • 同年 2月13日、GHQは「松本試案」を拒否しGHQ草案を提示
  • 同年 2月15日、白洲次郎氏がGHQ案に抗議し抵抗する
  • 同年 3月 6日、日本政府はGHQ案を翻訳した憲法改正草案を発表し、承認される
  • 同年10月 7日、日本国憲法成立
  • 同年10月29日 天皇陛下臨席の下、枢密院本会議が新憲法を可決
  • 同年11月3日新憲法公布マッカーサーは「新憲法は新日本建設の確固たる礎石」と評価したとされる
  • 昭和22年(1947)5月3日新憲法施行日本の庶民は新憲法に大熱狂する

日本国憲法は前文と11章103条の本文で構成され「国民主権」「戦争放棄」「基本的人権の尊重」を基本理念としているわけですが、この時GHQ案作りに携わったアメリカの学者は「基本的人権の尊重」の中に、そのころあまりにも虐げられ権利を軽視された日本女性たちの姿を見て「男女同権」の思想を入れたそうです。

そして、憲法の第一章で形として「天皇制」を残したのは、連合国側の中国代表の蒋介石の強い要請があったとされます(蒋介石は天皇制を非常に尊んでいた)

いろいろな思惑があって出来上がった憲法、何時の日か改正があるのでしょうかね

<ちょっと雑学>

日本では第二次世界大戦のことを「大東亜戦争」とか「太平洋戦争」とか、二通りの言い方がありますが、その理由はこうです。

「大東亜戦争」とは政府が名づけた名称ですが、それは陸軍主体に付けた呼び名であったため、陸軍と仲悪かった海軍は今風に言えば「ダサイ名前」として使用せず「太平洋戦争」という名称を海軍が使用したために二通りの呼び方ができたそうです。

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コメント

おはようございます。
文化の日については、その通りでしょうけど・・・
やはり明治天皇の誕生日にあわせて、公布したと考えざるを得ません。
その点はいかがお考えですか?

投稿: もうぞう | 2010年5月 4日 04:57

とても面白く拝読しました。「蒋介石は天皇制を非常に尊んでいた」 んですか。彼は確か、日本に留学していたのではありませんか???周恩来とか、当時の政治家で日本にいた人は多いですよね。そのあたりのこと、もっと知りたいです。

投稿: 山口ももり | 2010年5月 4日 10:15

現在の憲法は良い憲法だと思いますが、この憲法の解釈が色々なところで問題になります。まぁ全て良し等と言う憲法はどこの国にも存在しないとは思いますが、自国の自由を束縛したり、国民の生活、習慣等が悪化するような解釈だけは頂けないですね。とはいうものの様々な考え方が有って程良い状態を保って??いるので、解釈も様々有ってしかるべきだとも思いますし、時代や状況によって国民の解釈もそれなりに変遷して行くだろうとも思います。白洲次郎が現在生きていたらこの憲法の解釈等についてなんと言うのか知りたいところですね。

投稿: HAPPY太郎 | 2010年5月 4日 12:36

)もうぞうさん

それはその通りだと思います。
日本政府としては「われわれは無条件降伏だけは絶対にしなっかた」という自負と確固たる威厳をGHQに示したかったのだと思います(※、日本は無条件降伏をしていません)
 
 
)山口ももりさん

その通りです。蒋介石は日本に留学し政治経済、戦争の仕方、そして天皇制を学んでいます。
そのため日本政府に蒋介石は何度も一緒に共闘して毛沢東の勢力と戦ってくれることを要請しています。
しかし、日本は軍事クーデター(2.26事件)によって蒋介石の尊敬する政治家を失ってしまい。日本と戦うことになってしまいます。
終戦の際、日本兵の帰国をし易く優遇したのも蒋介石です(大量殺兵も同時に行った)
 
 
)HAPPY太郎さん

白洲次郎氏は終戦の混乱期、吉田茂氏と同じようにマッカーサーやGHQと英語を使って台頭に渡り合った人物として最近注目の人物で、伝説もいろいろ紹介されていますね

投稿: 玉井人ひろた | 2010年5月 4日 20:08

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