« 金賢姫OOOO | トップページ | あづま袋(あずま袋)=三角袋⇒レジ袋 »

2010年7月22日 (木曜日)

ホタル(蛍)のエコロジー、大きな間違い

私の幼いころ夏の夜に蚊帳をつって寝ているとどこからか蛍が入ってきて蚊帳にとまって光ることがよくありました。
その光りの美しさは格別の喜びと嬉しさをこみ上げるものがありました

今は見なくなりました。それだけ蛍が減ったのでしょう。蛍の住める環境が減ったのでしょう

全国では絶滅も危惧される蛍とその環境を守ろうと自治体や地方団体が川に蛍の幼虫とその餌になる「カワニナ」をいっしょに放流する取り組みを盛んに行っているそうです。
とても良いエコロジー活動ですし、「蛍の郷」などと観光にも役に立っているようです

しかし
その放流の仕方が大きな間違いを犯したが為に逆に蛍の減少・消滅を加速する結果になっているところが沢山出てきてるそうなのです。
それは・・・

<その前に、日本の蛍事情>

  1. 日本全国にいる蛍の種類は40~50種類で、世界でもトップレベルの種類の多さを誇る
    http://kids.gakken.co.jp/hotaru/zukan.html
  2. 日本は世界でも珍しい幼虫時期に水の中で生息する種類(ゲンジボタル、ヘイケボタル、クメジマボタルの3種)が生息する貴重な国である
    ※、普通の蛍は陸で生まれ陸で育ち暮らすものだが、日本ではこれを「土蛍」などと言って逆に別扱いしている
  3. 同じゲンジボタルでも6種類ヘイケボタル4種類、地域によって違う生態の存在が確認されている
  4. 陸に住む蛍の餌は、カタツムリなどの陸貝類やミミズなどである
  5. 水で暮らす種の幼虫の餌は、主にカワニナやミヤイリガイなどの淡水性巻貝類である
  6. 蛍はほとんどの種類が毒をもっている
  7. 蛍が光りを発するのは「求愛行動」として知られるが、
    「蛍の天敵への毒注意という“威嚇”ではないか?」などまだはっきり分かっていない
     
    http://kids.gakken.co.jp/hotaru/index.html

上記のことをよく踏まえてから次の「間違った放流のしかた」の内容を理解してください

ここではNHKがテレビ放送でやった特集を元に記事を進めますが、地域名はその放送で出した地域名を記載しますのでその地域に住む方には嫌な思いをさせるかもしれません
(人><。)

幼虫と一緒に放流する餌に外国の貝を使ってしまった

  • 犯したミス
    新潟県ではゲンジボタルの幼虫の餌としてカワニナじゃなく、ニュージーランド産の淡水性巻貝「コモチカワツボ」を放流してしまった。
  • 使った理由
    コモチカワツボはニュージーランド産で港等で安く大量に入手し安かったらしく、それに蛍の幼虫もこの貝が小さいときにはカワニナに良く似ていて餌になる
  • なぜそれが悪いのか?
    コモチカワツボを餌にして育った蛍は体が一回り小さくなる。さらに蛍の発光がとても弱くなりカップルができ難くなり、結果として産卵が減り、蛍が減ってしまう結果になっている。
    もっと悪いことに、コモチカワツボの繁殖力はものすごく、現在新潟中の川の(全国的にも)生態系を脅かしてい

名前が同じだがその地域のと違う蛍を放流してしまった

  • 犯したミス
    東京都の奥多摩地区では西日本に生息するゲンジボタルの幼虫を放流してしまった
  • 使った理由
    奥多摩で減少していたのがゲンジボタルなので同じ名のゲンジボタルを地域によって違うことを知らずにやった。
  • なぜそれが悪いのか?
    西日本のゲンジボタルを大量に放流し増やすことにより、元々減少していた特定地域種である関東のゲンジボタルの生息地が奪われ、消滅してしまう。
    すでに奥多摩では地域特定種が絶滅寸前に追い込まれていることが考えられている

「蛍なら何でも良いでしょう」「何でも良いから沢山光ってれば観光客が増えるでしょう」
安易な考えが、蛍を放流して増やすはずが逆に蛍を絶滅させる結果になるなんて計画した人たちは考えも点かなかったのでしょうね。

しかし、もう手の施しようもないくらい生態系が変化してしまったことは事実ですから、これからしっかり対策をしてもらいたいものです。

やはり、生態をしっかり知らずして自然のサイクルに人間が手を出すとあまり良い結果を得られないようです

| |

« 金賢姫OOOO | トップページ | あづま袋(あずま袋)=三角袋⇒レジ袋 »

コメント

>日本の蛍事情
種類の多さには驚きましたね。更に関東と関西はまた違っているというのはまたまた驚きです。また更に、ホタルが毒を持っていたとは・・・
>自然のサイクルに人間が手を出すと
ホタル以外にも、いろいろと考えさせられる問題ですね。

投稿: HAPPY太郎 | 2010年7月23日 (金曜日) 10:28

HAPPY太郎さんへ

自然のサイクルから外れた人間が自然に手を出すのは傲慢とも言えなくないですね

投稿: 玉井人ひろた | 2010年7月23日 (金曜日) 19:35

遅まきながら・・・

なるほど。これは問題だ。

観光地のありかたって目立てばいいって風潮がありますからねぇ。要は、旧来の自然そのままを取り戻すことしか人の道はないって事ですなぁ。

投稿: ZZT231改 | 2010年7月25日 (日曜日) 00:46

ZZT231改さんへ

その旧来の形態に戻すのが、今の人間の生活環境とは差がありすぎて難しいんですね

投稿: 玉井人ひろた | 2010年7月25日 (日曜日) 07:54

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: ホタル(蛍)のエコロジー、大きな間違い:

« 金賢姫OOOO | トップページ | あづま袋(あずま袋)=三角袋⇒レジ袋 »