編集者、という人種の主観の脅威
毎週日曜の夕方6時から日テレで放送されている「真相報道バンキシャ!」、つい最近遭難者を救助に行ったヘリコプターが墜落したあの事件を取材しようとして、遭難して死亡するという悲惨な事件があった記者とカメラマンの番組です
その番組の本日の最初の報道は「ハマコー逮捕、負債36億円の謎」というものでした。
放送は浜田容疑者の議員時代のお決まりの映像、極貧だった幼いころ、異常な大金の投資ぶり、などが流されました。
そしてプライベートで大好きで何十年と趣味にしている囲碁クラブ仲間とのスナップ写真が放送されました。
その碁会所こには逮捕される前日まで通っていたそうです
そこにはテレビで見るようにバリッとしたスーツに決めて激しく怒鳴るいつもの様子は無く、ラフなジャンパーに帽子という私服でやさしく楽しそうに笑う、まさに80代の老体の本来の穏やかな写真が紹介されました。
報道のナレーションもその逮捕前日まで普段通り、今まで通りの様子でいたことを紹介し「なぜこの人がこうなったのか・・・その真相は?」とタイトルにあわせてしめられました。
そのことについてMCの福田アナがきょうのゲストで編集社の「幻冬舎」の取締役でヒットメーカー編集長の「舘野晴彦」という人物にコメントをもととめたのですが、そのコメントに私は驚いてしまいました。
「私は逮捕されたというより、あの(暴れん坊の)ハマコーさんがあんな“落ちぶれた姿になってしまった写真”を見たこと自体ショックですね・・」
このジャーナリストの目には「私服で楽しく笑うプライベート写真」=“落ちぶれた元議員”と見えたらしいのです。
この舘野という人物は40代でやり手の編集者だから呼ばれたのでしょうが、何を見て聞いてそういうコメントが出るのか?理解できません。
自分の楽しみの趣味のリラックスする場所で堅ぐるしいスーツを着て眉間にしわを寄せている人がどこにいるでしょう?
これは、女優が家ですっぴんでパジャマを着ている姿を映したのを“落ちぶれた女優”なんて言わないのと同じだと思います。
ヒットする雑誌や本を出すジャーナリストというのはこういうふうに自分の偏見を押し付けていくんだなと、その主観操作(マインドコントロール)のやり方を見た思いがして気分が悪かったです。
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コメント
見る人によって違って見えるのは、仕方のないことですが、それをメディアに流す場合は、多大な影響を与えます。
玉井人ひろたさまのようにその裏まで見通すことが出来れば良いのですが、凡人はなかなかそうはいきません。
人選は大切ですね。
投稿: もうぞう | 2010年8月16日 (月) 05:27
もうぞうさんへ
あの番組中の映像やナレーション「前日まで普通に碁を打ちに来ていた」を聴いていればコメントは逆になっていたはずで、あれは自分の考えてきた主観だけを言ったものでしたね
投稿: 玉井人ひろた | 2010年8月16日 (月) 06:58
編集長であれば人の様々な面を理解しているのが当然の様に思いますが、この言葉を聞く限りではそういった事に疎い人ではないかとも思いますね。
いい方に考えれば、この人の中では、ハマコーはスーツ姿のヒーローという強烈なイメージがあった。
単に囲碁を打っている時でもスーツ姿のハマコーしかイメージ出来なかった。
ジャンパー姿のただの年寄りの写真はヒーローとしての象徴からはかけ離れていた。
自分のイメージと現実の落差を
>落ちぶれた姿になってしまった写真
とつい表現してしまった。
まあ、真相はどうあれ、TVでのコメントとしてはかなり不適切では有りますね。
投稿: HAPPY太郎 | 2010年8月16日 (月) 11:44
HAPPY太郎さんへ
そうなんでしょうね。
逮捕されて移動する姿に対してだけコメントすれば、ぴったりだったのでしょうが、言葉足らずというかテレビ慣れしていないのがそう言わせたとしましょうかね
投稿: 玉井人ひろた | 2010年8月16日 (月) 12:56