“コリスチン”・・・伊達市生まれ・・?!
皆さん覚えていますか、この名前?一つは「口蹄疫(こうていえき)」そして「多剤耐性菌(たざいたいせいきん)」というものです。
マスコミもまったく報道しなくなったし、雪は降るしで、もうだいぶ前のことのように思っていませんか?
あの宮崎県で猛威をふるった家畜の伝染病「口蹄疫」が終息したのも、30℃以上もの残暑で悩んでいたのも、多剤耐性菌の院内感染で死者が出たのも、今年の9月、
つまり、つい最近の先月の話ですね。
私も「“つつが”なくお過ごしですか」と、いう関連時事を先月にアップしていました。
そういう私自身も、なんだかずいぶん前の“今年始めのころ”のような思いに駆られていました。
そんな時、きょうの朝刊に掲載されていた「コリスチン」という意味不明の言葉によってその思いは改めさせられたのです。
話は本当に昔に戻ります。
第二次世界大戦も激化し東京大空襲が頻繁になるごろ、その戦火を避けて東京の民間医薬研究所の「小林細菌研究所」というのが、福島県伊達郡掛田町(ふくしまけんだてぐんかけだまち)という静かな田舎町に移転してきます。(※、現在は福島県伊達市霊山町掛田(りょうぜんまちかけだ)になっている)
そこで研究者の「小林康夫氏」「黒沢秋雄氏」らは、掛田町の土から病原菌に有効な特殊な細菌を発見します。
そして昭和22年ごろ、その菌から日本初の「抗生物質」を作り出すことに成功するのです。それが日本製抗生物質「コリスチン」なんだそうです
この日本初の抗生物質は昭和26年(1951)から本格的に「コリスチン」は製造販売が開始され、その当時地元の小中学生まで土の採取等にかりだされ、一大センセーショナルなことだったようです
研究所は昭和30年に東京にまた移転し、「赤痢」などの特効薬として昭和40年ごろまでは販売されていましたが、副作用が強いことや新抗生物質に押され平成になるごろには製造も厚生労働省の製薬として認可も完全に無くなってしまったのです。
ところが!
「コリスチン」はアメリカなど外国では依然製造販売されているのですが、この「コリスチン」が多剤耐性菌アシネドバクター等に利くとして今話題になっているんだそうです。
すでに外資系製薬会社グラクソ・スミスクライン社が現在臨床実験中で、早ければ来春辺りから日本国内で販売されるようです。(現在は個人輸入で使用されている)厚生労働省の認可も早まりそうです
すごい薬品が福島県の土から発見されていたことに、驚いてしまいました。
やはり、良い物は外国に行ってしまうのか・・
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コメント
厚労省が認可を無くしてしまったので、また認可をしなおさなければならないんですね。アメリカでは認可しているのになんで認可を取り消したのか不思議ですね。認可したままにしておけば、それだけ薬の価格も低く抑えられたと思うのですが・・・。
投稿: HAPPY太郎 | 2010年10月28日 13:10
HAPPY太郎さんへ
副作用も強く販売も製造もしないし、外国製の新薬のほうが良いし、だから認可取り消し、致し方ないですが外国ではそのまま改良が進み副作用もほとんど影響なくなってきているそうです。
惜しかったですねえ
投稿: 玉井人ひろた | 2010年10月28日 14:13
福島の土、すげえ…
今では外国でしか作られていないのですか。勿体無い事をしましたね。
それにしても厚生労働省が認可してない薬は多いですよね。
投稿: くぽ | 2010年10月29日 00:08
くぽさんへ
「福島県の土」というのが驚きですよね
投稿: 玉井人ひろた | 2010年10月29日 07:36
むつかしいお話ですが、要点はわかりました。わかったような気がします・・・というべきか???日本人、長い目で戦略を立てるって言うことが欠けているようですね。今の政治にも決定的に欠けています。
投稿: 山口ももり | 2010年10月29日 08:15
山口ももりさんへ
これは予算編成というのを日本は1年ごとに作るからなんですよね。
それをアメリカのように2年とか3年ごとの複数年予算編成にすれば流用がしやすいのです。
政治家の皆さんはそれを知っているんですが、諸事情で法改正ができないまま何十年も経ってしまったようです
投稿: 玉井人ひろた | 2010年10月29日 08:22