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2010年10月17日 (日曜日)

ところ変われば品変わ・・り過ぎ

「ところ変われば品変わる」と言うことわざがあるが、同じ東洋人でもこんなに考え方が違うのかと驚かされるニュースを見ました

お隣の中華民国=台湾日本政府は「中華人民共和国」の一部としている)の話です。

台湾にも「売春禁止法」が存在しますが、台湾では売春行為をした女性処罰されるが客となった男性には処罰規定が無いのです。
そこで、台湾では女性人権団体を中心に「現行法律は不当・不平等である」として訴訟を起こしたのです。

裁判所の判断結果は「現行の法は憲法に違反する」として、訴訟を起こした女性人権団体の勝利となりました。

台湾政府は直ちに法の改正に着手しました

ここまでの内容を見れば、我々でも「その通りだ。勝訴は常識だ」と思いますし、
これで台湾の男性も処罰対象となるのだから、台湾の女性たちも助かり喜ぶことだろうと日本人ならずとも「良かった」としますよね

ところが、台湾の国民と政府はまったく考えと言うか感覚が違うんですよ。

法の改定の素案を単純に言うとこうです

  1. 現行の売春防止法は女性のみ処罰で平等を欠くので、男性と同じく売春した女性も処罰しないことにする
  2. ただし、既婚者の女性が売春をする場合は、事前に夫の許可を得るものとする

ええええ!・・何その考え方?理解できない」。「売春してもいいの・・」、「結婚していても夫が許せば売春できる?・・」
もう何がなんだか分からないですよね。台湾政府の考え方が

当然、台湾の女性団体から反対の声が上がったのです

女性団体の反対の言い分

  • 妻が売春するのに、なぜ夫の許可が必要なのか?。
  • これでは夫が妻に売春をさせることを助長するものだから反対だ。

ええええ!・・・反対しているのは、そっち(2番)の方なの?」

そもそも、台湾の女性団体の考え方・訴訟の根本には「売春とは=賃金を貰ってセックスをするのだから、ちゃんとした女性の“労働である”(産業)」だから、処罰されることは人権侵害だと言うのがあるのです。

ここから、もう理解できませんよね(理解できる人もいるでしょうがね)。

2009年10月、台湾での売春にかんして民意調査結果

  • 63%=「成人にかぎっていえば、(売春など)性交易を産業として管理すべき」
  • 83%=「売春などを公認する紅灯区(赤線地帯)を設置して管理すべき」

台湾では、日本統治時代からある「公娼制度」が2001年まで続いていたそうです。
ごく当たり前に昔の「赤線」や「吉原」のように政府公認でセックスを商売としていた女性が沢山生活していることも背景としてあるようです

台湾政府としても犯罪や健康管理などの面でも「台湾赤線」の復活を真剣に考えているようです。

これこそ、「ところ変われば品変わる」の典型でしょう。なんと言っていいかわかりません

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コメント

台湾の女性団体の考え方には違和感を覚えます。
日本でも大昔には仕事として成り立っていたらしいけど…。

投稿: くぽ | 2010年10月18日 (月曜日) 01:57

たしかに驚きですね。
しかし日本でも、売春とはちょっと違いますが、援助交際をする若い人の一部で、誰に迷惑をかけるわけじゃなし、いいじゃないかって意見もあるようですよ。

投稿: もうぞう | 2010年10月18日 (月曜日) 06:26

なんとも信じられない話しですが、日本も経済が更に悪化すれば、食べるためには貞操観念などは捨て去る日がくる可能性もあるかも知れないと思いましたね。

投稿: HAPPY太郎 | 2010年10月18日 (月曜日) 08:23

くぽさんへ

戦前までは肯定されていましたが、わたしは全国民が納得していたとは思えないです
 
 
もうぞうさんへ

昔は貧困のため、今はちょっとアルバイト感覚、どちらにしてもいい形態ではないと思います
 
 
HAPPY太郎さんへ

貞操観念は昔のほおがおうらかだったと言いますが、近代国家には相応しくないと思います。

投稿: 玉井人ひろた | 2010年10月18日 (月曜日) 09:05

面白い話題ですね。ヒトは性的存在を免れませんが、それを、法としてどう考えるか、これだけの揺れがあるのは、生や死と同じレベルの存在の深いところに性の問題があるからなのだろうか。ちょうど、死刑制度に正解が見つからないように。売春の問題はそれにまつわる、病気や管理システムの問題(公私にかかわらず)。女性の尊厳の問題。といろんなレベルの問題を分けて考えるべきと思います。いづれにせよ、国の介入でたやすく解決するような事柄ではないでしょう。触発されて、丸谷才一『エホバの顔を避けて』を久しぶりに読み返しました。

投稿: 野良通信 | 2010年10月19日 (火曜日) 00:25

野良通信さんへ

労働行為の境界線はどこまで?」と聞かれたら、やはり国によって人によって違うんでしょうね

投稿: 玉井人ひろた | 2010年10月19日 (火曜日) 07:37

売春???ですって???春だって秋だってお金になるのなら売ってきたのが人類の歴史。一番古典的な商売です。でも・・・・女一人って無力なんですよね。だ・か・ら・・・・
強いヒモ・・・それが法律であれ、やくざであれ・・・

投稿: 山口ももり | 2010年10月19日 (火曜日) 18:31

山口ももりさんへ

「生きるとは食べていくことなり」でしょうか

投稿: 玉井人ひろた | 2010年10月19日 (火曜日) 20:53

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