‘1頭’と‘1匹’・・・その単位の使い方に困惑
ある動物病院のホームページに書かれていた料金表の一部です。
- 不妊・去勢手術を実施した犬1頭または猫1匹につき,3,000円です
皆さんは「頭と匹」の単位の言い方をどう使い分けているでしょうか?
どちらを使うか迷ったことはないでしょうか?。迷った挙句に判断の基準にしたものはなんだったでしょうか?
たぶんその判断基準の1番は「大きさ」で、あとは「言い安」さや「相手やその場の感じ」ではないでしょうかね。
だから困るのが出るんですよね。例えば家畜の豚や山羊、家畜の赤ちゃん、等など・・・有って「間違ってたら恥ずかしい」など不安に思ったり、
ついには「日本語にはなんでこんなに判断し難い数え方の単位が有るんだ{}」なんて、逆切れしたりするわけです。
さて、頭と匹、の単位を使用しているものを上げてみましょう(ちょっと驚くかも・・・)
<1匹と数えるもの>
- 着物等の反物、2反=1匹
- 山羊、羊、豚、牛、馬
- 昆虫など虫類
- ネコぐらい以下の小さめの動物
- 魚類
<1頭と数えるもの>
- 蝶(チョウチョ)
※、蛾(ガ)には使わない- 牛、馬など大型動物
- ダチョウ
どうでしょうか?「あれ?!」と、言うのが有ったはずです
実はその「あれ!それも?」と思ったものに「頭と匹」の使い方のルーツとキーワードが有るのです。
「匹」という漢字自体には「四丈(1反の長さ=2丈、つまり2反に相当)の布を五尺ずつ八度、つまみ畳んでしまいこむ」という意味を持った文字なのです。匹の中の八は「つまんだ指の形」を表しています。(注、1丈=10尺。現在の1反の長さ=2丈6尺~8尺)
「1匹=2反」というところから“1匹=2つ揃い”と転じ、さらに「馬や牛のお尻が二つに割れている=2つ揃い=1匹」となり、さらに「牛馬等を引く」の意味も合わさり、動物を「1匹」と数える言い方発生したそうです。
「1頭」というのは明治以降に作られた比較的新しい言い方だそうです。
イギリスでは動物や虫などを数えるときには一律に「1、head(ヘッド)」と、言うんだそうで、その「head」の直訳「頭」が単位として日本国内で使われ始めたのが現在に至っているそうです。
イギリスの動物園では「蝶の標本」も展示されることが多くその蝶を「1head」と数えていたことが日本に伝わり、そのため蝶だけが「1頭」の単位が残ったらしいです。
結論>
「1匹」の言い方は全ての動物や虫に使用され、その中でも大型のものを区別する意味で「1頭」の言い方が出来上がった。
みなさん、安心して「匹」を使いましょう。何か言われたら「匹のほうが日本古来の言い方である」と言ってやりましょう。怒らせない程度に)
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コメント
着物2反と蝶は驚きです。
へえ~ なるほど
でも蝶は頭とは言えないなあ やっぱり大きな物のイメージです。
投稿: kiyoka | 2010年10月 3日 18:02
kiyokaさんへ
たぶん、それらを頭ということは無くなると思います
投稿: 玉井人ひろた | 2010年10月 3日 18:44
見事な論法だすな~
勉強になります。
投稿: もうぞう | 2010年10月 3日 19:09
もうぞうさんへ
匹は平安時代ころからあったようです。
投稿: 玉井人ひろた | 2010年10月 3日 20:19
こんばんわ。
・「文章」を読んで。
へぇ~、「匹」と「頭」の単位の仕方は、こんな風になっていたなんて、全然知りませんでした。
投稿: H.K | 2010年10月 3日 21:38
H.Kさんへ
ご参考になりましたでしょうか
投稿: 玉井人ひろた | 2010年10月 3日 22:16
ややこしい単位を作ったものだと思いましたね。まあ、それだけ日本語の表現が豊かになったとも思いますが、日本人でも良く解らない訳ですから、日本語を習う外国人は混乱するでしょうね。
投稿: HAPPY太郎 | 2010年10月 4日 11:19
HAPPY太郎さんへ
その通りだと思います
投稿: 玉井人ひろた | 2010年10月 4日 15:17
蝶は「ひとひら」ってのはいかがでしょう。
投稿: 山口ももり | 2010年10月 5日 08:55
山口ももりさんへ
それも良いかもしれません
投稿: 玉井人ひろた | 2010年10月 5日 11:16