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2010年11月17日

ヘチマという‘食材’の語源に追加説を

ヘチマ、漢字で書くと「糸瓜」となりますよね。私の地域ではヘチマといえば大きくなった実を繊維状態にして「束子(たわし)」として使うものだと思っています。

でも、九州や沖縄では「食材」なんですね。沖縄ではヘチマ(糸瓜)、ヒョウタン(瓢箪)などはゴーヤー(苦瓜)などとほぼ同じような料理方法でおいしく食べられているんだそうです。
下記NHK料理紹介サイトに宮崎県のレシピがありますので、興味のある方はアクセスしてみてください。
http://www.nhk.or.jp/miyazaki/reshipi/yasai/hetima/index.html

北、東日本でも食材としてヘチマ、ヒョウタンを食べているところが有るんでしょうかね?私は聞いたことが無かったので「食べる」と知ってけっこう新鮮な驚きがありました。

食の話はこれくらいで、
昔は「いとうり(糸瓜)」と言われたものが同じ漢字なのになぜ「糸瓜=ヘチマ」と言い表すようになったのか?その語源についての考察を書いていきましょう。

こんな説が有ります。

  1. 江戸時代、江戸っ子の洒落ことば説
     ヘチマは文字通り「糸瓜」と書いていたように「いと うり」と言うのが本来の名称だった。それがいつしか江戸っ子は文頭の「」を省いて「と うり」と言うようになった。
    そこで洒落っ気のある者が考えた「‘’はイロハニホリヌル・・では“”にある文字だから‘ヘチマ(間)’じゃないか」と、なり、それは面白いと「ヘチマ」と言うことになった。
    これが最も多く書かれている説だが、これは「後世に後付された説だ」とされる
     
  2. 別名称の転訛説
    ヘチマには、その実の形状が繊維(糸)を束ねたように見えることから「綜筋実」と書いて「ヘスヂミ」という別名が有る。
    その「ヘスヂミ」が転じ訛って「ヘチマ」となったが、漢字はそのまま「糸瓜」を使用した。
    かなり有力だがこの説も確証は無い
     
  3. 「嵩起秀」という人物の説
    中国でヘチマは「絲瓜」と書き表し「スーコア」と言う。
    そして、ゴマ(胡麻)のことを中国では「芝麻」と書き表し「チマー」と発音し、は「」と発音する。
    ということで「黒胡麻」は中国では「黒芝麻」と書き表し「ヘチマ(ヘヂマ)」と発音する
    この黒ゴマを表す「ヘチマ」と、日本で言うヘチマを表す「スーコア」が料理の際に(ヘチマの胡麻和えのように)混ざって出され、日本人が中国人に食材名を尋ねたときに間違って「スーコア(絲瓜)」を「ヘチマ」と覚えてしまった
    日本では中国から名称と漢字を間違って輸入された名称が多くあり、この説も有力である
     
  4. 「玉井人ひろた」の独自の説
    昔、洗い物に使う束子(たわし)と言うのは文字通り竹を細かく裂いたのを束にしたものや、縄や藁製のもの、そして棕櫚が主だった。
    以前は洗剤も無いので灰を束子につけてゴシゴシと洗っていたものである。
    つまり、束子は強く丈夫なものが一般的であったが、高級な塗り物や人の肌等はそれでこすっては傷めてしまう。そこで「イトウリ」の束子が重宝されるようになる。
    しかし、イトウリの束子は柔らかいため減りが早い。
    そこで「すぐに‘減ってしまう束子’」が転じ、江戸っ子弁で「減っちまう束子」→「へっちまぁ」になり、それが転じ「いとうり」を「ヘチマ」と言うようになった

今回は、私の説もけっこう信憑性が高そうで自画自賛したい気持ちですが、いかがなもんでしょうかね

だれか、もっと確実な語源を知っている方はいないでしょうかね?それにしてももう一度言いますが、ヘチマが食べられるなんて驚きです

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コメント

ヘチマは風呂で身体を洗うのに最適です。
ところで「海綿」をご存じでしょうか?
多くの人は代用品を使っていますけどね。

投稿: もうぞう | 2010年11月17日 19:28

もうぞうさんへ

我が家ではどれも使っていません。“カビ安い”と言うイメージが強くて使いにくいのです

投稿: 玉井人ひろた | 2010年11月17日 21:18

面白い説ですね。
ヘとチの間よりは信憑性がありそうですね。
考えてみればヘチマは化粧水にもなりますから毒では無いので、食べても不思議ではないですね。
少なくとも雑草とされているものよりも、高等な食べ物のようにも思います。
どんな味がするのか食べてみたいと思いますね

投稿: HAPPY太郎 | 2010年11月17日 21:53

HAPPY太郎さんへ

想像ですが、ズッキーニや冬瓜と同じ味じゃないでしょうかね

投稿: 玉井人ひろた | 2010年11月18日 08:25

へとチの間・・・・は・は・は・・・面白いですねえ。「ヘチマ」ってなんとも飄々とした響きがいいですねえ。
 そうそう・・・誰だったか・・・??明治の日露戦争の終結のときの外務大臣、そうそう・・・小村寿太郎、ヘチマって言うあだ名だったとか???長い顔といい、長い頭といい・・・「ヘチマ」って面白いあだ名ですね。

投稿: 山口ももり | 2010年11月18日 09:50

山口ももりさんへ

「馬面」と「糸瓜顔」では、どっちが言われて嫌でしょうかね?

投稿: 玉井人ひろた | 2010年11月18日 11:48

ヘチマについて面白い話があるものですね。
ところで、ヘチマは小さい頃から食べてました。食料難ということもあったのでしょうが、豚肉と炒めると結構美味しいですよ。ただし、実がなって2~3日の若いうちでないと食べられません。少し生臭いので豚肉とあうんでしょうね。是非、試食してみては?レシピはウェブでもありますんで・・・。

投稿: 鹿児島・かっちゃん | 2010年11月18日 18:28

鹿児島・かっちゃんへ

やはり九州の方は食べておいでですね。
ズッキーニもそういう食べ方なので、想像は付きます

投稿: 玉井人ひろた | 2010年11月18日 18:56

はっはっは・・・??

投稿: 山口ももり | 2010年11月19日 09:20

ヘチマは糸瓜ですが、書物に出てくるのがヘチマが最初なのです。1795年羅葡日対訳辞書、1604年日葡辞書に日本語として、瓜・かぼちゃの仲間としてFechimaが葡語のローマ字で出ています。 糸瓜で最早出は1612年の「多識編」です。「多識編」では糸瓜を俗称へちまとあります。すでに渡来していた中国のヘチマ(黒ゴマ)ととり違っていたと思います。その200年後、語源が分からず、「へとちの間」のような変な説が出てきたのでしょう。「食文化雑学」/文芸社に詳しく載っています。

投稿: 松崎修 | 2015年8月13日 18:00

松崎修さんへ

コメントありがとうございます

投稿: 玉井人ひろた | 2015年8月13日 18:58

へちまの新語源説を書いた「嵩起秀」とは筆者です。
多くの方々に見ていたいと思います。
https://matsuzaki.muragon.com/entry/1.html
を読んでいただき、ご賛同していただければ嬉しいです。
 日本中に広められればと思っています。

投稿: Song qi | 2019年10月12日 09:59

Song qiさんへ

素晴らしい説だと思います

投稿: 玉井人ひろた | 2019年10月12日 10:25

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