「さみしい」 : 「さびしい」 ←何が違う?
寒くなっって枯れ葉舞う、うら悲しい冬の景色を眺めてふと考えました。
「あれ、こういう場合はどっちが標準語になるのだろうか?・・」
<その1、言い方>
- さびしい
- さみしい
<その2、漢字>
- 寂しい
- 淋しい
どれが正しい? 違いは何? と、広辞苑を開けば「同じ意味」と書かれ、言い方も「どちらでも良い」と、書かれていました。それじゃ、二通りあることの答えになりません
<その1、言い方>そのルーツはこうなっていました
- 「さぶし」→「さびし」→「さびしい」
古い昔の日本では本来「さぶし」と言っていた。それが転訛して「さびし」となり、さらに転訛して現代の言い方「さびしい」となったものである - 「さびし」→「さみし」→「さみしい」
古い日本語の「さぶし」から転じた「さびし」がさらに転じ「さみしい」となったものである
上記の理由から政府は一番古いことば「さぶし」が転じた言葉「さびしい」のほうを標準の言葉とした時期があったそうですが、「さみしい」もよく使われたので「どちらを使っても良い」となって現代に至っているようです。
<その2、漢字> その使い方と意味合いの違いはこんな“かんじ”です
- 寂=じゃく、セキ、さび
この漢字は家の中で話しが少なかったり、声が小さく、静かである様子を表す意味があることから転じて「さびしい」という使い方になった。 - 淋=リン (したたる、さびしい)
この漢字は文字通り、林の中をとめどなく水が流れている様を表す意味があることから、源流あたりで誰もいず物静かな場所をチョロチョロと小川が流れる景色が「さびしい」というイメージさせ使うようになった
茶道の真髄の「侘び寂(わびさび)の世界」は、まさしく家の中の静寂を指し「寂」の漢字が正しいことがよく判りますね。
皆さんは普段どっちの読み方、漢字を使いますか?わたしは「寂しい(さびしい)」です。
ちなみにわが地域の方言では「さびしい」のことは「さぶし」と言います。
つまり、大昔の原語をそのまま現代も使用しているようです。
そうすると、「さぶし」という方言もむかしは標準語だったようですね)
(※、日本には法律で定められた正式な標準語は存在していない)
| 固定リンク | 0
コメント
なるほどなるほど。
合点が行きました。
私はこの漢字を使うのに何時もどちらにしようかと考えていましたが、結局は
> <その2、漢字>
の感覚で漢字の使い分けをしていましたね。
「寂」は静寂、侘び寂びと言った感覚。
「淋」は心が物悲しい感じの表現に使っていますね。
そちらの地域の方言が昔の標準語なんですねぇ。
福島県全体でもやはり通じるのでしょうか?
良い勉強になりましたm(_ _)m
得した気分ですね
投稿: HAPPY太郎 | 2010年12月 8日 23:00
HAPPY太郎さんへ
わが母などの年代はよく「さぶしな~(寂しいね)」、「さぶしごど(寂しいことですね)」と、いう言い方をしますが、われわれの年代で使うのはほとんどいませんので通じ難いと思いますよ
投稿: 玉井人ひろた | 2010年12月 9日 08:11
「淋しい」と言う字は、久々に拝見しました。
あったんですね~
「寂しい」の方しか使っていませんでした。
投稿: もうぞう | 2010年12月 9日 19:36
もうぞうさんへ
淋は当用漢字では使用しないようです(?)ので「さびしい」という使い方では無くなる運命なのかもしれません
投稿: 玉井人ひろた | 2010年12月 9日 20:14
私は「さみしい」ですねえ。京都では「冷たい」を「ちめたい」って言います。なんだか響きは「ちめたい」方が凍えそうな感じが出てるようにおもいますが・・・
まあ・・・「さびしい」も使うかなあ???
投稿: 山口ももり | 2010年12月10日 09:24
山口ももりさんへ
想像ですが、皆さん無意識の内に両方の言い方をしているような気がしませんか
投稿: 玉井人ひろた | 2010年12月10日 12:17