市町村は‘災害ボランティアの人達’をよく知らない
災害ボランティア、と簡単に言いますがわたしを含め田舎の人々は達本来の災害ボランティアの方達のことをよく知っていません。
ですから、自治体職員も同じで、ボランティアをやる地域外県外のNPO法人、個人その他の団体の参加を断っている市町村が有ります。
地域外から来る災害ボランティアを断る理由は?
- 災害で自分達も食べられないのに、ボランティアの人々の食料が確保できない
- 災害で自分達も寝るところも無いのに、ボランティアの人の宿泊施設が確保できない
たぶん、NPO法人や個人的に何度も災害ボランティアに参加されている方は「そんな理由なんですか?」と、呆れるかもしれませんが、地元自治体では真剣に考えているのです。
田舎で言うボランティアとは、炊き出しや「近所のお手伝い」のことを想像します。
その方たちには依頼した側が、食事や休憩所を準備し感謝の接待をしなければならない慣習がありますから“「近所のお手伝い」=「災害ボランティア」”だと考えても致し方ないと思います。
ですから、たとえNPOの方達などに「それは違います。食事なんか要りませんよ」と言われても何か接待に近いことをしなければならないと自治体では思ってしまうわけです。
だから、結論として「災害ボランティアお断り」と、なってしまったのです。でも、一般の人でも「食事や寝る場所くらいは有るだろう」と、思って参加している無知なボランティアもかなり多いと聞きます。
阪神淡路大震災のときも、食料が無い被災地で自分の食料を買いあさっていた「自称善意の災害ボランティア」が大勢いて、災害救助活動の邪魔になったそうです。
厚生労働省ではこんなことを公表していましたので要点をまとめて掲載します。
作成:厚生労働科学災害ボランティア研究班・ボランティアの安全衛生研究会(2011.3.16版より)
<その一・・・活動参加を決める前に>
ボランティアに参加する場合、その活動中にボランティア地震が病気等で倒れることがあった場合、被災地には多大な迷惑をかけてしまいますので次のような方は被災地外でのボランティア活動も考慮してみましょう
- 高血圧や糖尿病などの持病があったり体調が万全でない
- 過去の災害救援活動であまりの悲しい現実や被災者に触れ心の不調や不安感で眠れないなどになった経験がある
- 団体活動が苦手な人
<その二・・・被災地に準備する装備・食料>
- 食料や飲料は、自分がボランティア活動に参加する日数+移動日分を合計した日にち分の量を持参する。食器も準備する
- さらに食事はなるべく主食、副菜など栄養バランスが取れているようにする事が望ましい
- 服装はなるべく怪我等を防ぐため長袖長ズボンで動きやすいもの、着替えも忘れずに、靴はできれば安全靴が良い、さらにヘルメット・帽子、革手袋(軍手は危険)など
- フロアーマットや防寒対策も準備する
- 簡易トイレ、消毒液、トイレットペーパー、筆記用具、照明、などなど
このほかに事細かに記載されていますが、これはかなり重装備になりそうですね。
われわれが考えるボランティアとはかなりかけ離れたものですが、これが本当の「災害ボランティア」なんだと初めて知りました。
地方自治体の首長はこれらを参考に、ボランティアの受け入れと拒否を決めたら良いですね
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コメント
私もかつては、ボランティアは食事付き。
何日にも及ぶ場合は、寝食付きだと思っていました。
ほんと、田舎ではそれが当たり前のような習慣がありますからね~
しかしボランティアが働く一方で、一部のお偉方などは、ちゃんとそれに見合った手当が付いているような気がしますが、考えすぎでしょうか?
投稿: もうぞう | 2011年3月28日 20:34
もうぞうさんへ
国会議員が今月の半分の報酬を全員出しただけで、すごい金額でしょうね
または、500人以上いる議員が一人づつ各地域に飛んだだけで実態が調査できます
投稿: 玉井人ひろた | 2011年3月28日 21:01
こんばんは。
連日お疲れ様です。
災害ボランティアや自治体からの派遣においては、衣食住・自己完結ということは、こちらで流れている情報の中では、かなり浸透しているという感じがしています。
自己完結ならば、押しかけても構わないと思うのですが、それも止められてしまっていないか、心配です。
今、全国の自治体は何を第一にすべきかを考えなければなりません。
たとえば、国体で天皇杯獲得・・・なんて話は、国の体育大会であれば、日本体育協会が早めに判断しないと多くの自治体が困ってしまいます。国として何をなすべきか・・・なんです。
投稿: NIKE | 2011年3月28日 23:50
NIKEさんへ
>自己完結ならば、押しかけても構わないと思うのですが、それも止められてしまっていないか、心配です。
地方自治体ではボランティアの上記のような知識がほとんど無い状態です。
ですから、今日あたりはどうなったかわかりませんが相馬市等では「自己完結者」も断ったようです。
投稿: 玉井人ひろた | 2011年3月29日 07:56
福島市でボランティア活動してました。が、我々は早い時期に登録してたから仕事はありましたが、その後続々と登録希望者が増えて、登録所にボランティア志願者があぶれてました。心がけはいいのに形にならないのでは意味がありませんよね。実際炊き出しはしませんでした(避難所によって違います)主に掃除給油ゴミ分別等の雑用です。水食事持参です。が、オニギリが余ってて帰りにもらいました…
投稿: くぽ | 2011年3月30日 00:42
くぽさんへ
その場で許可があれば貰って帰るのは良いことだと思います。
無駄にならずに済みますからね
投稿: 玉井人ひろた | 2011年3月30日 13:12
でも確かに、阪神大震災の時は、ややこしいボランティア???の名を借りたの人もいたと神戸の友人は言っていました。自費で、自前で活動すると言うのが先ず大切なのですね。
投稿: 山口ももり | 2011年3月31日 07:40
山口ももりさんへ
ボランティアが、支援物資を減らさないことは基本中の基本だそうです
投稿: 玉井人ひろた | 2011年3月31日 08:24