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2011年4月23日 (土曜日)

‘ガイガーカウンター’への“誤解と警鐘”

売れているそうです。日本はもとより世界中で、品切れ状態なのが放射線量を計測するポータブル型のガイガーカウンターだそうです

何を隠そうわたしの身内にもそれをもっている者がいて、ほぼ半狂乱状態でそのガイガカウンターを家族みんなに当てがっては計測し、数歩でも外に出て家に入ると来ていた服を執拗に何度も洗濯しているらしいです。そこまでするなら、遠くの県外に非難すりゃあいいのに行きもせず、同居するほうが放射能よりその過剰行動にノイローゼ気味だとわたしに愚痴をこぼしていきました。

その売れに売れているガイガーカウンター、正式には「GM(ガイガー=ミュラー)計数管式サーベイメーター」を指す名称だそうですが、その性能や使い方にメーカーや化学者、日本の厚生労働省が「誤った使い方や大きな誤解が有る」として勧告や注意を表明しています。

  • 米検査・分析機器メーカーサーモ・フィッシャー・サイエンティフィック放射能測定部門責任者、ジョゼフ・ルトゥンダ氏の談話
    >食品や水に含まれる放射性物質のレベルの測定結果を得るには実験室のような環境で大量のサンプルを検査する必要があり、ガイガーカウンターなどでは正確に計測することはできない
     
  • 日本分析化学会の会員の片山淳氏の談話
    >食品や水、牛乳の安全性を確かめるには専門知識に加え、水道水や魚について意味のある測定結果を得るには特別な処理が必要なので、一般人が食事の前に食品にインターネットで販売されているようなガイガーカウンターを差し向けるだけのやり方は無意味である
     
  • 日本の厚生労働省が出している文書・・
    >(今回の福島第一原発事故のようなような)緊急時における食品や飲料水の測定サンプルは5キログラムないし5リットル以上が必要である。
    厚生労働省の「緊急時における食品の放射能測定マニュアル」では、“ガンマ放射線への感度が低い”としてガイガーカウンターを食品や飲料の測定に用いないよう勧告している。

上記を踏まえ厚生労働省では、牛乳や野菜に含まれる放射性物質の計測は下記の方法を進めている

  • ヨウ素131の測定ではNaⅠ(T1)シンチレーションサーベイメータを使用
  • ウラン分析では誘導結合プラズマ質量分析計の使用
  • 放射性ストロンチウム測定では上記計測方法に加え、高温で24時間程度にわたって灰化したサンプルや硝酸から数値を測定する方法をとっている。

上記のように、本当に正確な数値を測るには放射性物質ごとに計測器(サーベイメーター)を替える必要があるようです
※、サーベイメーターには「電離箱式」、「GM官式」、「シンチレーション式」、「半導体式」などの種類が有り、それぞれに特徴があり放射線や測定対象・環境ごとに使い分けている

いずれにしてもガイガーカウンターとは“平常時”の大気中の計測だけには役に立つらしいですが、今回のような緊急時の場合は計測の構造上(通常にある自然放射線のバックグランド放射線量も一緒に計測してしまう)のため大気中量の数値もかなり不正確であるそうです。
とくに古いものを使用するとさらに不正確になるようなので、単価5万円~20万円以上という高価なわりに信頼性が欠けるのですから、それで一喜一憂しているより公的機関の最終結果を信頼したほうが良いと、わたしは思います。

ちなみに国内では8万円前後の中国製が人気だとか。

ま~、何を言っても信じない人は信じないですから、これはただそういう専門家たちの警告が有ることだけを記載しておきます。

ついでに、下記サイトでベクレルをシーベルトに置き換える方法を紹介していますので、興味がある方はどうぞ
http://memorva.jp/school/safety/radiation_bq_sv.php

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コメント

うちの社長、それ持ってます。何処で買ったんだか(チナミにMAXふくしま店舗内は0,08マイクロシーベルトでした)まぁ本業がリサイクル回収業だから、相馬のガレキ撤去の仕事がいっぱい入ってて、見積もりを出す為にしょっちゅう行くもんだから…必要に迫られてってヤツぅ?社長、こっちの仕事も忘れないでよね〜!?

投稿: くぽ | 2011年4月23日 (土曜日) 22:53

くぽさんへ

0.08μSv/hなら正常値で東京都内の戸外(0.06)とほぼ同じですね。

投稿: 玉井人ひろた | 2011年4月24日 (日曜日) 08:16

今まで全く気にも留めていなかったガイガーカウンターですが、市販されていることさえ知りませんでした。ネットで調べるとたしかに品切れなんていうものもあるんですね。いや、これには驚きました。
原発の煙突につけてあって、いざというとき気象庁のデータから放射能の拡散予測を15分で即座に計算し避難の目安にする“SPEEDI”というシステムがあるそうですが、福島原発では煙突の測定装置が壊れて放射性物質がどれだけ外部に漏れたのかが分からなかったとか・・・。
うーん、やっぱり放射能に色を付ける方法をあみ出すのが一番のようですね。

投稿: koji | 2011年4月24日 (日曜日) 17:46

kojiさんへ

LPガスの使用が盛んになった当初、LPガスが無臭のため漏れたのが分からず事故が多発したそうですね

そこで、ガス漏れが分かるようにLPガスには匂いを人工的につけることが安全基準で定められたように、何らかの処置も考えなければならないのかもしれませんね

投稿: 玉井人ひろた | 2011年4月24日 (日曜日) 17:55

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