おらの村に‘仮設住宅’が建つ
私が暮らす村では、福島県からの要請を受け、「630戸の仮説住宅」の建設を受託しました(富岡町の方が居住予定)。
建設場所は福島県安達郡大玉村玉井字横堀平(ふくしまけんあだちぐんおおたまむらたまのいあざよこぼりだいら)というところで、ここは以前まで森林組合の杉等の苗を育てるための広大な土地だったのを村が買い取ったもので、その後開発計画も未定で空き地になっていたところなので村民にも影響が少ない場所になったことは幸いでした。
それは、さておき「仮設住宅」についてどのくらいのことを知っているでしょうか?
- 1戸あたりの値段はいくらでしょう?
- その建設諸費用はどこが、誰が払うのでしょう?
- 種類があるのだろうか?
- 発注はだれが、誰にするのでしょう?
- それが国なら担当省庁はどこなのでしょう?
- 今回の東日本大震災では何戸ぐらいが欲しいのでしょう?
- どんな法律が関係するのでしょう?
答えられる人が居るでしょうか?居ないですよね。私はまず気になったのが1戸あたりの建築単価ですよ。そこから、調べたらいろいろ分かりました。
- 災害時における仮設住宅は、災害発生から20日以内に着工する(災害救助法)
※‘避難所’は災害発生から7日以内に開設する - 仮設住宅の大きさの種類
1~2人用 = 19.8㎡(6坪)の1DK
3~4人用 = 29.7㎡(9坪)の2DK(基準)
5人 以上 = 39.6㎡(12坪)の3K
※阪神淡路大震災の当初の基準住居は26.8㎡(約8坪)だった - 仮設住宅を建てるため必要とされる土地の面積の目安は「100戸=1ヘクタール」とされている
※1ヘクタール=「1町」=「10反」=1000㎡=約3030坪になる - 仮設住宅の1戸当たり単価(基準住宅)
238万7千円以下に定(坪=約26万円)
※阪神淡路大震災当初は139万円だったが、その後144万円→203.4万円→249.8万円と値上がりしていき、断熱材入りが出始めた新潟中越震災からさらに値上がり、宮城・岩手内陸大地震の時には「とても200万円台では建築できない」と地元建設業が訴えて450万円まで高騰、中には冷暖房完備に加え耐震恒三までついた500万円のまで出てきた(いずれも面積は基準の9坪住宅)が、今回は元に戻した。 - 仮設住宅を発注するのは被災地の都道府県で、それを受注集計するのが国土交通省・住宅建設課で、それをこんどは「社団法人プレハブ建築協会」に依頼しそこの協会業者(三協フロンティア、大和リースなど)が受注し着工になっていく。
しかし、今回はあまりにもその数が多いため国土交通大臣はプレハブ建築協会の上の団体になる「社団法人住宅生産団体連合会」に直接に依頼した。
※この連合会の会員の大手メーカー「大和ハウス、ミサワホーム、積水ハウス、積水化学、トヨタホーム、住友林業、三井ホーム・・」が一同に参加するのは阪神淡路大震災以来になった - 仮設住宅の費用支払いは被災地の都道府県が行い、そのかかった総額を集計し厚生労働省に申請する。
厚生労働省はその申請された費用の50%(最大90%)を災害救助費負担金から助成金として都道府県に支払う。
※災害救助費負担金は現在2億円ほどしか予算がなく、今回予想される総額700億円には新たな予算編成が不可欠 - 東日本大震災における被害の大きかった岩手・宮城・福島での仮設住宅の予想数量は「32,800戸」になる
岩手県 = 8,800戸
宮城県 =10,000戸
福島県 =14,000戸 - 建築基準法によって仮設住宅には「利用期間(済んでいられる期間)は2年間まで」という期限が設けられている
全てに置いて、莫大な予算費用と時間と人材が必要とされます。そして福島県の場合これから避難を始める飯舘村のような人々がさらに増えるのですから、もう途方もないことになりそうです。
予算委員会でわが福島県(会津)選出代議士で民主党最高顧問である渡辺恒三代議士が「この大震災のときに党内で争っているとは恥ずかしい」と、予算委員会の代表質問で声を張り上げましたが、ほんとうに見ているこちらのほうが恥ずかしくなります。
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コメント
こんばんわ。
凄い「仮設住宅」の数ですね。
けど、そんな「仮設住宅」がなかなか、完全に完成していませんね。
これでは、被害者の苛立ちも出る一方ですね。
とにかく、1日も速く完成する事を祈りたいですね。
投稿: H.K | 2011年4月30日 22:11
H.Kさんへ
なかなか人手が無くて出来ないようです
投稿: 玉井人ひろた | 2011年4月30日 22:49
いつもながら良く調べ上げていますね。
ところで仮設住宅、期限が来て不要になったらどうするのでしょうね?
また使用するために一部でもとっておく?
それとも全部廃棄する?
投稿: もうぞう | 2011年5月 1日 19:37
もうぞうさんへ
期限が過ぎた仮設住宅とそれの内外装設備などは、すべて解体され「廃棄」するものと「再利用」するものとに分けられていくそうです。
投稿: 玉井人ひろた | 2011年5月 1日 20:05
渡辺恒三氏・・・そういえば少しなまりが・・・ホント政治が・・ねえ
投稿: 山口ももり | 2011年5月 6日 08:24
山口ももりさんへ
少し・・ですか
我々同県人が聞いても渡辺代議士はかなり訛りが強いと思いますが、そう言っていただくと本人は照れるかもしれません
投稿: 玉井人ひろた | 2011年5月 6日 09:21
御久し振りです。
渡辺氏の事が出ておりましたので、コメしま~す。
渡辺氏が東電とつるんで、元知事佐藤えいさく(漢字ど忘れです)氏を追放、甥を後釜に据えたとの記事を読みました。
渡辺氏、東電から黒い金をしこたま貰ってるそうな。
本当とすれば、いずれ天の裁きが下ると思いますが。
もう,官僚 政治屋恥を忘れた人間は要りませんね。
一日4億5千万の国会開催費も下らん事ばっかりやりおって。
小学校のクラス会の方が余程優秀と思います。
小泉さん以降の総理はみな、トップになった塗炭に、丹田の力が抜け腰が据わらない様に見えます。
気のせいかしら・・・朝からぼやいてすみません。
投稿: miwako | 2011年5月 7日 10:17
miwakoさんへ
>渡辺氏が東電とつるんで、元知事佐藤栄佐久氏を追放、甥を後釜に据えた・・・
渡辺氏、東電から黒い金をしこたま貰ってる・・
ビックリですねえ。そんな‘デマ記事’を書いたブラックジャーナリストは誰ですか?まったくありえない話です
1、献金ですが、これはあれだけ大きな今までは優良企業だった東電からはほとんどの代議士が献金を受け取っているのが常識です
2、佐藤栄佐久前知事が争っていたのは東電と経済産業省、そしてその当時政府与党の‘自民党’です。
野党であった民主党の渡辺恒三氏にはなんの関係もない話しです
3、県知事選では民主党が推薦を決めていたのは「森雅子氏(現自民党参議院議員)」だったのです(佐藤雄平氏は名前すら予定になかった)が、知事選公示寸前にこの森雅子氏は突然「自民党推薦で知事に立候補します」という裏切り宣言をしたのです。
あわてたのは民主党県連会長で佐藤栄佐久前知事を義父にもつ民主党の「玄葉光一郎衆議院議員(現、民主党政調会長、国務大臣)」で、人選はもめにもめたのでした
4、そこで渡辺恒三代議士が選んだのが参議院議員をやっていた佐藤雄平氏です
本来、渡辺恒三氏には佐藤雄平氏を次期衆議院選挙に自分の後釜として出馬させるつもりでいて、渡辺恒三氏本人は政界引退を考えていたのです
ですから県知事船の為に参議院も辞職させ、衆議院の道も閉ざし選ぶしかなかったのは苦渋の決断でもあったのです。
上記のことから判りますように、現在も渡辺恒三氏が政界にいるのは後継者がいなくなってしまったからなのです
以前も書きましたが、プルサーマルを許可したのは佐藤栄佐久前知事が最初ですし、どうもおかしなスキャンダル記事が出始めたのは、誰かが意図的にやっているのかもしれません。佐藤栄佐久前知事のときと同じ人物かもしれませんよ
投稿: 玉井人ひろた | 2011年5月 7日 19:05
おはようございます~★
ご丁寧な説明有難う御座います。
渡辺氏は、TVで、拝見するだけですが、尊顔は善人のご様子で好きだったのです。
私が見たブログも、高名な方が多いので何処で見たか思い出せません。
が、見つけたら報告いたします。
実は、あの人がと考えると少々ショックでした。
もう、政治屋の質の悪さに辟易し殆ど絶望しかけてます。
大和麗しの日本、神戸。東北。これでは未だ済まないのでしょうか。
投稿: miwako | 2011年5月 8日 10:36
miwakoさんへ
渡辺恒三氏をどう思うかと聞かれれば、どちらかと言うと好きな政治家には入らないです
同じ会津出身で渡辺氏のライバル代議士だった「故伊東正義氏」は好きな政治家でした。
総理総裁候補に自民党から押されたときに「表紙だけ変えても何もならない」の名言で、総理総裁選出馬要請を固辞したのはスカッとしたものでした。
投稿: 玉井人ひろた | 2011年5月 8日 22:02