福島県の名湧水「こわ清水」・・・には
ここにいつもコメントをお寄せいただく隣市にお住まいの「kojiさん」のブログ「休日は風を切って」に今回アップされた記事のなかに福島県の名水である石川町(いしかわまち)の「小和清水(こわしみず)」のフォトと内容がありまして、そこでふと考え付いたのです。
福島県には「こわしみず」という同名の名湧水が複数あるんです。それぞれに、思い入れがあり、名前だけだと人によってまったく別の場所を思い浮かべることになるわけですよ)
福島県内の人は「こわしみず」と言ったらどこを真っ先に思い浮かべるのだろうか?
また、県外の人はどこを知っているだろうか?
気になるところです。
まずは県内で私が判った分だけご紹介してみましょう
- 会津若松市河東町大字八田→「強清水(こわしみず)」
※、天ぷら饅頭やそばが有名で観光客が多い
- 石川郡石川町大字曲木 →「小和清水(こわしみず)」
※、平安の歌人、和泉式部が産湯に使ったといういわれが有る
- 郡山市西田町丹伊田字平光内→「子和清水(こわしみず)」
※、江戸時代からどんな時でも水が枯れたことが無い神水
- 郡山市萩岡母成グリーンライン沿い→「強清水(こわしみず)」
※、八幡太郎義家(源義家)ゆかりの伝説が有る為「八幡清水」とも言う - 郡山市湖南町赤津地内の国道294号線黒森峠→「強清水(こわしみず)」
※、豊臣秀吉一行も飲んだとされ、昔の白河街道にあるもので「黒森強清水」の名称で知られる
- 田村郡小野町赤沼字子ハ清水→「子ハ清水(こわしみず)」
※、美女、小野小町の故郷という町の名水
その他
白河市小田川には地名が子ハ清水(こわしみず)と言うところが有るがここにも湧水が有ったのかも知れない
余談ですが、同名の湧水が長野県にも多いことが判りました。
長野県塩尻市にある「強清水(こわしみず)」は、福島県会津のと漢字まで同じです。
なにかこれらの同じ名前には共通する何かが有るのでしょうかね。ただの偶然とは思えません。
ご存知の方が居られましたらコメントをいただきたいですね
<追記>
「こわしみず」の名称について、いろいろな事が判りましたので、その名称の謂れ、成り立ちをわたしなりに推察しました。
推察の基になった事柄
- 漢字が違っても読み方は皆同じ「こわしみず」であること
- 最も多く使われている漢字は「強清水」であること
- 「こわしみず」を古い仮名遣いにすると「こはしみず」と書くこと
- 「強し(こはし)」の古い使い方には、「急で険しい」とか「疲労する」も有ること
- この名称の湧水はなぜか、養老の滝伝説がある岐阜県(関ヶ原)から東に多いこと
- 由来には源氏や‘養老の滝伝説’が共通すること
上記のことから、
もともとは「こわしみず」は特定の湧水を指す名称ではなく「強(こは)し道中に在りき清水は有りがたし」というものではなかったろうか。
ちなみに、福島県や山形、宮城などでは「疲れる」「しんどい」のことを方言で「こわい(強い)」と言います。方言辞典参照↓
http://daiemura.cocolog-nifty.com/blog/
つまり、全て徒歩である昔の旅で険しい峠道や人家も無い山道で、最ものどが渇くところに湧いている清水は何よりも有りがたくおいしい水で「生きかえった心地」がしたのだと思います。養老の滝の話もここに繋がるのかもしれません
「疲れたときの清水,険しき場所にある清水」=「強(こは)しの清水」⇒「強清水(こわしみず)」となったと考えると沢山あることが裏付けられると思います。その後、古い仮名遣い「こはしみず」に当て字がなされて「子和清水」「子ハ清水」「小和清水」などとなったのだと推察すると、「強清水」の漢字が多いことも辻褄が合う気がします
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コメント
今回訪ねたのは“小和清水”でしたが、わたしの中の“こわしみず”といえば『親は諸白、子は清水』河東の“強清水”ですね。そう、天ぷらまんじゅうの強清水でもあります。
ネットで見つけたこちらのブログにも沢山の“こわしみず”がありました。
http://yotsuba23.blog104.fc2.com/blog-category-21.html
“玉井人ひろたさん”がピックアップされた県内の「こわしみず」であれば、何と言っても会津若松市河東町の“強清水”なんでしょうか。
投稿: koji | 2011年5月26日 (木曜日) 06:04
kojiさんへ
よいサイトをご紹介くださいまして、なんとなく「こわしみず」の名称についての謂れなどが、推察できましたので、本文中に追記します。
それと、2箇所ほど追加しました
投稿: 玉井人ひろた | 2011年5月26日 (木曜日) 12:21