16年も経っても法改正されなかったとは・・・
衆議院の国会中継のラジオ放送を聞いたら質問者が遠山清彦議員(公明党・比例九州)のところでした。
質問は東日本大震災で厚生労働省管轄で支払われる「災害弔慰金」についてのところでしたのですが、とんでもない事実があることをその質問で知ったのです。
この「災害弔慰金」の給付制度は昭和57年(1962)に施行されたもので、大災害によって家族を亡くした遺族に支払われる見舞い金のようなものです。
金額は、亡くなった家族が生計の柱となる人(世帯主等)の場合500万円、それ以外は半額の250万円と規定されています。
そして同時に、「災害義援金受給資格者」の名簿はこの“弔慰金受給資格者を基に”して作られ手続きがなされるていくんだそうです。
さて、何が重大な問題があるかと言うと、この規定された‘遺族=受給資格者’なのです
厚生労働省の下記URLサイトにもありますが
http://www.mhlw.go.jp/bunya/seikatsuhogo/saigaikyujo4.html
災害で亡くなった人と受給資格者となる者との続柄はこう記載されています
- 配偶者、子供、父母、孫、祖父母
上記続柄をよく頭に入れてください。そして、今回の東日本大震災で実際におきている問題を紹介します
- 東北の太平洋岸で、生まれながらの障害がある弟、その面倒を見なが暮らす弟思いの兄、そのたった二人だけの兄弟で仲良く暮らす家を今回の大津波は襲ったのです。
そして、弟は津波で死亡し兄はたった一人残されてしまいました。
お気づきでしょうか?
「災害弔慰金」の受給資格遺族者の続柄に「兄弟、姉妹」という続柄が無いのです。
つまり、現在の法律では津波で家も弟も亡くしたこの不幸な兄には災害弔慰金を受け取る資格が無いのです。
それどころか、災害弔慰金資格者名簿を基にできる義援金支給者からも外れてしまうため、このたった一人の家族である弟を亡くした兄は法律では義援金も弔慰金も何も保証金がもらえないことになっているのです。
ひどい話ですよね。
平成7年(1995))に起きた「阪神淡路大震災」、そして平成16年(2004)に起きた「新潟中越大震災」、の経験しながら・・・
政府(与党=自民党)は、そして国会議員全員は何をやっていたのでしょう?
それに、この災害弔慰金の負担割合の<国=50%、被災都道府県=25%、被災市町村=25%>というのも、変な話です。なぜ?被災した自治体に負担がこんなに来るのでしょうか?
福島県の相馬市では市独自に「兄弟も資格者とみなす」という臨時法を作って、国より先に義捐金が支給されるように対処を始めたようです。
まったく、矛盾だらけです。やはり「総理の‘椅子取りゲーム’」を楽しんでいた中央政府与党だったんですねえ。
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コメント
おはようございます。
与党民主党に対してに批判は大いにありますが、二年ほど前以前の法律は自民党が作っていたんですからね~
震災復興に自民党の協力が無いに等しいのが分かる気がします。
投稿: やまちゃん | 2011年5月17日 06:30
やまちゃんへ
質問者の遠山議員が「改正されなかった責任はわれわれ議員にあると思います」と、素直に認めながら話していたのが印象に残りました
投稿: 玉井人ひろた | 2011年5月17日 07:55
こんにちは。
びっくりしました。どんな法律にも不備やその時々に合わなくなるケースがでてきます、したがってそれを検証したり改正するのが国会、延いては議員の仕事でしょうがネ。国会は立法府でなくなったんでしょうか。これから、いや今でも老老介護が始まっているので今回のケース(兄弟・姉妹の続柄)などが沢山有るのに・・・。
投稿: えちごのじご | 2011年5月18日 16:55
えちごのじごさんへ
同感でございます。
このことを相馬市のように知っているところは良いのですが、「このことをほとんどの地方自治体は知らないことがもっと問題だ」と質問者は興奮して語っておりました
その通りだと思いました
投稿: 玉井人ひろた | 2011年5月18日 18:48