災害義援金（義捐金）を受け取ると“生活保護打ち切り”

厚生労働省は先月（５月）、各地の自治体にこんな通知と指導をだしていました。

　震災の義援金や東京電力福島第一原子力発電所の事故の仮払い補償金を受け取った場合、その世帯の自立のために生活用品などの購入にあてる金額などは収入としないものの、（受領した義援金の）総額が自立のためにかかる費用を上回った場合は、それ以上の金額を収入と見なす。

これはどういう意味をもつことかといいますと、「生活保護受給者に十分暮らせる収入ができた」＝「補助金は無くてもだいじょうぶなのだから、補助金を減額もしくは打ち切りにできる」と、なるのです。

この厚生労働省の通達を受け、福島県の南相馬市といわき市では生活保護を受けていた世帯のうち、合わせておよそ１５０世帯に対し、東日本大震災の義援金や、原発事故での東京電力からの仮払い補償金を収入と見なし、今月から生活保護の支給を打ち切ってしまったそうです。

内訳は、南相馬市が約１５０世帯、いわき市が２世帯になっているようです。

ただ、南相馬市やいわき市では「手持ちのお金がなくなった場合は申し出てほしい」としているようです。

これだけの記事を読めば、“被災して生活保護を打ち切られ、踏んだり蹴ったりのような話し”に聞こえ、役所は非常だとも思えてきます。

でもちょっと冷静に考えれば、生活保護支給金と義援金との“二重助成金受給”になるかたちの生活保護世帯に対し、生活保護を受けていなかった人は収入がなくなり、生活のためのお金は「義援金、仮払金」の片方だけの収入になってしまうことを考えれば、やはり生活保護支給は不公平になる計算になるようです。

全国からの温かい心のこもった義援金の平等分配とは、難業なんでございますね。私のような凡人には無理です