職人の地獄の思い「誰もいないところへ行きたい」
3月の大震災で、我が家の周りで目立つ被害と言えば瓦屋根の頂上部「棟瓦」という部分が壊れ落下したものです。
その壊れた瓦屋根にはブルーシートがかけられ応急処置が施されました。
その屋根は6月下旬になってもほぼ全部の家が手つかず状態になっています。
原因は日本家屋の建築が少なくなり、それに伴って瓦職人が減り、瓦工場も廃業するところが急増してしまっていたのが最大の原因です。
現在、福島県内の瓦屋根修理を請け合う業者は、1件で2000戸以上もの依頼を抱え、矢のような催促の嵐を受けたうえに、「お前の昔やった屋根が欠陥だったんだろう」とか罵声などを浴びせられ福島県内では業者2名が「もう限界です」「誰もいないところへ行きたい」と、自殺者まで出ています。
30年ほど前ですと、福島県の中通りにある郡山市を通ると4号国道沿いには瓦工場の大きな倉庫や建物が見えるのが当たり前でしたように、実は県内でも郡山市は屋根瓦の最大の産地でもありましたが、今は全く見られません。
それでも普通の屋根部分の瓦はある程度製造しているものなのですが、今回壊れた「棟瓦」というのは、普段でも製造がほとんどされないものなのですから、品薄になるのは当然です。
瓦屋根の工法というのは20年前を境に変わって、以前のは載せるだけだったのに対し、それ以後から現代の工法のは接着などして固定する耐震用のものになったんだそうです。
そのため、その20年前を境に壊れた屋根の家と、壊れなかった屋根の家が並んでしまう結果になったようで、それは業者の責任(欠陥)ではないのです
しかしながら屋根は梅雨時に入り雨漏りがし始めているはずです。なんとも困った状態ですが、さりとて自分で直そうなどとしたら危険です。実際に私の身内が屋根から落下して亡くなっています。
福島県はまったく“踏んだり、蹴ったり、殴ったり”“泣きっ面に、蜂と毒蛇”の状態であります
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コメント
耐震化が進んだとはいえ、瓦は重量があります。
より軽い、ステンレス鋼板などに代わっていく可能性は高いですね。
投稿: もうぞう | 2011年6月26日 (日曜日) 18:32
もうぞうさんへ
その通りです。トタンやガルバリュウム?とかの金属製屋根に替える家が急増です
投稿: 玉井人ひろた | 2011年6月26日 (日曜日) 19:00
叔父が移で大工をやっておりますが,震災翌日に郡山に避難してたんです。
それが二日後に「棟梁,屋根どが壁どが大変なごどになってっから,来てくんちぇ」と☎が鳴りっぱなしで,避難生活を切り上げたそうです。
今は一段落ついてグランドゴルフと自分の家でしか食べない米と野菜作りをしています。
ところで瓦屋根がほとんど見られない,当地米沢ですが。
「トタン屋根より瓦屋根の方が落ち着くない⤴」と退職後には郡山に戻ろうと考えていたんですが,
まぁ人生の選択を難しくさせられました,原発と東電に。
投稿: ケンヂ | 2011年6月26日 (日曜日) 21:55
ケンジさんへ
積雪が多いところは瓦屋根にはしないはずですね、重いので。
郡山市は、いろんな意味で混乱していますので今は安穏とした暮らしは難しいでしょうね
投稿: 玉井人ひろた | 2011年6月26日 (日曜日) 22:51
え〜自殺者まで出てるんですか…何とも切ないお話です。
我が家はマンション内のアスファルトが地盤沈下したので修理しますが修繕積み立て費から95万円が使われます。先日住人の組合の集まりに初めて行きましたが、入居して一年未満で修繕が必要だなんておかしいだろう!と怒号が…まぁ確かに新築マンションなのにね、とは思うけど、ね、、、何処もかしこも地盤沈下はしてるから。建物が壊れたらそりゃぁ怒るけどね。
投稿: くぽ | 2011年6月27日 (月曜日) 13:39
くぽさんへ
隣が壊れていなくて、我が家だけが壊れていたら言いたくなると思います。
今回のことでは「耐震構造」をうたった住宅会社の家が壊れたりしてトラブルがかなり起きているようです。
ただ、所詮人間の作るものは大自然のエネルギーにはかなわないのだということも解ったと思いますね
投稿: 玉井人ひろた | 2011年6月27日 (月曜日) 14:12