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2011年6月27日 (月曜日)

TBSのSF時代劇ドラマ「JIN-仁」

TBSのSF時代劇ドラマ「JIN-仁」は6月26日(日曜)最終回の視聴率26~29%という最近では驚異的な高視聴率をたたき出したようですね。
原作全巻(20巻)を読み切っている私にも、このテレビドラマは感動のものでした。

なぜ原作を知っているのに感動するかというと、かなり原作とは違ったり無かったりしたシーンが多いのです。
ですから、原作とはまた違った感動が有ったから面白かったのです

このドラマの魅力の一つに実在の人物が主人公との関わり合い方もあります。

それらの登場人物も、原作には出てこない人物がドラマには登場していますし、その逆に原作では何度も登場し大事な役割を担っている人物が全く出ていない人物もいました。

そこがまた、原作とは違う新たな「JIN-仁」というドラマになっていたので面白く、そして何度も涙を誘われてしまったのです

私と同じように原作を知る人はどんな感想を持ったのでしょうかね

ちょっと、原作とテレビドラマと違う点を原作を知らない人のために並べてみましょう。余計なお世話でしょうが

  • 主人公・南方 仁
    テレビ>現代に戻り過去の時代から消滅
    原作>奇跡的に過去の時代に戻ることができ橘 咲さんと愛でたく夫婦となり、橘家の婿養子となり「橘 仁」と名乗る
  • 橘 咲
    テレビ>生涯独身を通し医の道を貫く
    原作>南方仁と夫婦となり橘家の家名を継ぐが、子宝には恵まれず母を亡くした「喜市ちゃん」を養子にする。
  • 橘 恭太郎(橘 咲の兄)
    ドラマ>フランスに留学などし明治以降、日本初の保険制度成り立ちに尽力する
    原作>留学を前にしたある日、官軍と切り合いになり死亡
  • 東 修介
    ドラマ>竜馬を襲った刺客と争っているときなぜか竜馬を切り、その後切腹して死亡
    原作>新撰組の沖田総司を切ろうとしたところに、それを止めに入ってきた竜馬を誤って切ってしまう。その後消息不明になるがあるとき偶然に南方仁を刺客から助けることになり、同時にその瞬間未来から戻った南方仁を介抱することになる

原作には出てこない人物

  • 安寿(野風の実の娘)、
  • 橘 未来(野風の実の孫で、南方仁の幼女=安寿の娘)

ドラマには登場しなかった原作中の人物

  • 沖田総司(新撰組一番隊隊長)
    京都ではいたる所で南方仁と竜馬にかかわり合う、そして二人にひかれていく、あるとき怪我した猫を南方仁に治してもらい、足が無くなった猫に、猫用の歩行補助車を作ったりする。原作では非常に大事な人物であった
  • マリー・ルロン
    ルロン氏と結婚しフランスに渡った野風の孫、南方仁と現代でフランスからの医学関係者として会うことになる

そして一番の違いは、南方仁の脳の腫瘍を摘出した病院名、原作では「橘仁と咲」夫妻が立て、養子の橘喜一氏が医師となり大きくした「仁友堂」という病院であることです。

もっともっと、違いはあるのですがそれらを見つけるだけでも新鮮な面白さが有りました。

余談ですが、原作の主人公の南方仁先生に一番そっくりだったのは、ドラマでは藤本さんが演じた西郷隆盛です。
ひげ面で、実に原作の南方仁に似ています。

それと、ドラマで最後に橘恭太郎に「卑怯者」と叫んで怪我しながら戦場に向かった「伊庭八郎」ですが、原作では爽やかで思慮深くそれでいて剣豪で人望が有る橘恭太郎の親友で、とても素敵な好人物に描かれています。実在の人物で五稜郭で戦死しています。

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コメント

こんばんは。
久しぶりにおもしろかった番組です。
日曜日の楽しみが一つ減った感じです。

投稿: やまちゃん | 2011年6月27日 (月曜日) 20:52

やまちゃんへ

このくらいの期間で放送されるのがいいのかもしれませんね

投稿: 玉井人ひろた | 2011年6月27日 (月曜日) 21:15

原作は全然知りませんが、私も前半は観たり観なかったりでしたが、後半は殆ど予定に入れて(仕事で遅くならない限り)観ていました(^^)v

昨日は圧巻だったと思ってます♪ 主人公の大沢たかおさんの感動がそのまま視聴者に伝わってきたような気がしました。

原作とそれに基づいた作品とどちらを重視するかと思うと、私はケースバイケースですが、結構とより多くの人の思いが籠った作品の方が面白いなと最近感じるようになりました。

原作より膨らむと言うか、厚みが増すと言うか、ま、ドラマ化する方々の思い入れの深さにも因りますが、
この作品は思い入れが深かった例かなあ!と思えますが如何でしょうか?

投稿: | 2011年6月27日 (月曜日) 23:40

前半マルモ見てました(笑)後半から見てたし、しかも前作は見てたけど今回は裏番組にハマって全然見てなかったのに感動してしまいました。

投稿: くぽ | 2011年6月28日 (火曜日) 03:58

空さんへ

大ヒットした原作を知っている私としては、放送時間制約のため短縮されたテレビドラマのため、原作の感動部分、厚みを再現するため内容を変えたりスタッフが苦労したんだなと思いました。
原作でパソコンの中のみんなと再会し泣く仁先生、未来さんの生まれ変わりのマリーさんと桜並木をデートするラストシーンは暖かなこの上ない感動です
 
 
くぽさんへ

私としては沖田総司の感動シーンを入れてほしかったです。
原作では坂本龍馬ももっと人間臭くて、最後の死の部分も迫力と感動がすごいです

投稿: 玉井人ひろた | 2011年6月28日 (火曜日) 06:56

スタッフの方々も原作に感動して映像化したかったのでしょうかね?
20巻はキツイ!(時間的にも、経済的にも、心理的にも、)気がするけど、ゆるりゆるりなら可能かな?読んでみたくなりましたo(^-^)o
ときに、「ガラスの仮面」は何時?完結するのでしょうか?せめて、最新作は何時出るのでしょうか?

投稿: | 2011年6月28日 (火曜日) 11:29

空さんへ

なんせ20巻、歴史上の人物の登場人数だけで大変な数ですから、登場させる人選だけで頭を痛めたと思います
こういう長編の本は、次回作が出るまで3か月とか長いと半年も待つようになりますからね
JINの場合、雑誌の連載から人気が出て単行本になりまして、それからテレビドラマ化には早いものでした。
原作には偉い医学博士などが監修されていて、そういう本格的なところも大人の雑誌でうけたんだと思います

投稿: 玉井人ひろた | 2011年6月28日 (火曜日) 17:38

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