疑心暗鬼という「鬼」
福島在住の詩人で「和合亮一(わごうりょういち)」という人がいます。
あの震災の日、浜通りの津波被害を目の当りにし、ただただ恐れおののきどうしていいか判らなくなった同氏が、「私には詩を書くことしかできない」と携帯でひたすら毎日被災地での気持ちをツイッターとして配信続けたのが、注目されるにいたったのです。
その話題の詩を本にしたのが「詩ノ黙礼(しのもくれい)」というので新潮社から発売されヒット作品になっています。
私もすぐに買って読みました。最初は混乱が分かるかのように「黙礼」の文字が氾濫しています。
何もない津波被害地で筆者は言葉を失い悲しみ、ただ涙を流し「黙礼」するしかなかったと語っています。
この詩集の詩に中に「疑心暗鬼も・・・・鬼」という独特の言い回しが出てくるんですが、それが妙に心に残るんです。
そして、あの日の様子が浮かんでくるんです
興味のある方は書店で探してみてください
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コメント
福島市のパセオ通りの木に名前を付けて(夫婦の木とか恋人の木とか)ひとつひとつ詩を作っている人ですね。なんか有名になっちゃいそうですねー…偶然昨日、本屋で立ち読みしてたのです。なんか泣けます。
投稿: くぽ | 2011年8月12日 (金曜日) 06:06
くぽさんへ
最初「黙礼」の文字がやたらと多く「多過ぎ」と思えるんですが、県内各地を回り生の被災を目の当りにしたとき、無言で頭を下げるしかなかった和合さんの気持ちがだんだんと伝わってくる良い詩です。
投稿: 玉井人ひろた | 2011年8月12日 (金曜日) 09:03
今日こちらの民間のTV放送で、3.11の地震、津波の
状況、恐ろしさをただ淡々と放送していました。
改めて恐ろしい、地震で津波だったと思いました。
和合さんの詩集気になります。
出来れば読んでみたいです。
投稿: 浜辺の月 | 2011年8月13日 (土曜日) 01:42
浜辺の月さんへ
地震当日の「狼狽」、日にちが過ぎてからの「悲惨」、その現実を見たときの現地の人のほとんど同じ思いが綴られています
投稿: 玉井人ひろた | 2011年8月13日 (土曜日) 07:07