「一般電気事業供給約款料金算定規則」・・・長い!
「一般電気事業供給約款料金算定規則」という、非常に長く漢字が並ぶ法が存在します。
平たく言えば“電気料金の決め方”を定めた規則で、平成11年(1999)から存在する比較的新しいものです。
この算定規則の基となっている法律が「電気事業法」です。その第3章、第19条の2項にはおおよそ
「経済産業大臣は、前項の認可の申請が次の各号のいずれにも適合していると認めるときは、同項の認可をしなければならない。」という条文が記載されています。
その「各号」とは、こんなものです(原文のまま)
- 料金が能率的な経営の下における適正な原価に適正な利潤を加えたものであること
- 料金が供給の種類により定率又は定額をもって明確に定められていること
- 一般電気事業者及び電気の使用者の責任に関する事項並びに電気計器その他の用品及び配線工事その他の工事に関する費用の負担の方法が適正かつ明確に定められていること
- 特定の者に対して不当な差別的取扱いをするものでないこと
分かるでしょうか?やたらと‘適正’が目立つことだけは直ぐに感じますよね。
要するに、この法律の条文を満たした申請であれば、申請をした電力会社に対し経済産業大臣は「NO=だめだ」と言えないことになっている法律なのです。
その、法律を基にして計算の仕方が決められているのが最初に出てきた「一般電気事業供給約款料金算定規則」ですから、その規則に沿って作られた「電気料金値上げ」の申請にたいしては、担当相である経済産業大臣は“必ず認可を与えなくてはならない”というものです。
これが、東京電力が主張している「法的に認められた値上げ申請である」という根拠になっています。
もっと具体的に言います。普通の会社なら利益・利潤を上げるために行う手段はまず「人件費の削減」、「経費の削減」、「仕入れ値を安くする」などの「コスト削減」を行うのが常識です。
ところが、電力会社の場合はコストが増え利潤が減った場合、その利潤を「これだけコストが増えました」と、申請書に明細を書き提出しただけで、料金に上乗せすることができるようになっているのです。
乱暴に言えば、電力会社の社長報酬や役員のボーナス、退職金が増えれば、「手当が増えました」と明記しただけで、値上げ申請が認められることになっているのがこの料金算定規則なのだそうです。
ですから、電気料金明細を見てください、値上げと言う名目にしないで、いろいろな料金項目が増えています。
その項目の実態は、原油が上がったら値上げ料金額、家庭の電気買い取り法が決まったらまた値上げ料金額、すべて値上げ申請が認められて電気料金に加算されてしまっています。
何をしていたのでしょうか?だらだらと長く政権をやってきた前与党の自民党と公明党、そして当時の野党達など、
何をしていたのでしょうか?われわれ有権者たちは・・・
| 固定リンク | 0
コメント
マスコミも悪い!!
投稿: もうぞう | 2012年1月27日 (金曜日) 20:25
そして、目隠しされ、自分の目で見ようとしないで騙され続けた我々にも責任がありますね?
妥協してしまう弱さと
投稿: 空 | 2012年1月27日 (金曜日) 21:58
もうぞうさんへ
ちゃんと、こういうことって「庶民の代弁者」をきどっているマスコミは報道してもらいたいです

空さんへ
欧米から「日本人納税者は税金の使い道に無頓着すぎる」と、言われたことがあります。
国民性の悪いところなんでしょうね
投稿: 玉井人ひろた | 2012年1月28日 (土曜日) 08:31
玉井人さんのこの記事を読んで、いかにわたしが何も知らなかったか思い知らされました。
役員報酬が上がった場合も値上げが認められる場合もあるということ、コストが上がったら即値上げ、確かに普通の会社とは値上げする場合の基準というか考えが違いますね。何も知らないわたしも馬鹿ですが、電力会社はずるいと思います。前の政府も国民のための政府ではないですね。
投稿: 浜辺の月 | 2012年1月28日 (土曜日) 17:16
浜辺の月さんへ
電力会社各社は政党への企業献金を一切やっていません。
ところが、各社の役員は全員政党に「個人献金」を出しています。自民党が5000万円以上、民主党も5000万以上という莫大なもので、個人献金の総額の約80%が電力会社役員の個人献金だそうです。
そしたら“電力会社の言うなり”になるのは火を見るより明らかですよね
投稿: 玉井人ひろた | 2012年1月28日 (土曜日) 17:28
しかし、原発を国有化しようとしていると聞いています。郵政やJRのように国有化はかえって良くないのではありませんか。ポイントがずれて申し訳ありません。
投稿: 山口ももり | 2012年1月31日 (火曜日) 11:22
山口ももりさんへ
国有化したら、電力会社の社員から国家公務員が誕生することでもあり、単純に国有化なんてできないと思いますね
投稿: 玉井人ひろた | 2012年1月31日 (火曜日) 11:42