大学生が考える「原発について」
東京にある「全国大学生協連」が国内大学生男女を対象に行っている調査、「学生生活実態調査」と言うものが有るそうです。
今回は東日本大震災や福島原発災害の発生を受け、新たに「原発問題」と「防災について」を加えて調査し、その結果が13日発表されました(実施時期=2011年秋、全国28校で回答者は8498人だった)。
全体の結果から先に記載しましょう。
<原子力発電について>
- 徐々に廃炉にし、将来には全廃 =38%(廃炉派)
- 規模を縮小し存続すべきだ =23%(存続派)
- 現状を維持するべきだ =19%(存続派)
これを男女別の回答にすると次のようになります。
- 徐々に廃炉にし、将来には全廃(廃炉派)
男性= 35%
女性= 49%
- 規模を縮小し存続、または現状維持(存続派)
男性= 54%
女性= 37%
日本には太平洋戦争の切っ掛けにもなった最大の問題が「資源不足」と言うものが存在します。
特に石油はその代表ですし、いまでも電力の主は火力発電所で全体の約50%を占めていますから、石油の輸入量や輸入単価によって国内の経済や生活への影響は本当に大きいものが有ります。
そこで、日本政府は「純国産エネルギーの確保」という命題を基に原子力発電によってできる使用済み燃料を再処理してもう一度使うという計画と目標の下に原発施設を建設してきた経緯が有ります(放射能への不安や反対の声を無視して)。
「原発は安全で日本には必要な発電だ」という教育は幼い子供たちまで行われました。
実際に震災前の2010年ごろ、大阪や東京の子供たちを募集し「わくわくエネルギー学校 子供エネルギー探検隊」と言う原発施設を見学する(原発安全だ)イベントを4日間無料でひらいています。
ちなみに、これを主催したのは「エネルギー庁」、「産経新聞」、「福島テレビ」、「新潟総合テレビ」だったそうです)
つまり、どちらかと言うと理系に興味が有る男の子は「原子力」の教育に感化されやすく、その結果として大学生の調査結果の男女差を生んだように思えます。
そしてもう一つの震災後の意識調査、「防災意識が高くなったか?」「社会貢献の意識が高くなったか?」「家族の大切さを感じたか?」という人は、いずれの結果でも「高くなった」とい答えた割合は女性の方が高く(70%台)、男性が低い割合(50~60%台)を示していました。
たぶんですが、一般人に聞いてもこれと似たような結果が出るような気がします。
この意識の差はなんでしょうかね?
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コメント
「原子力」についての結果だけを見ると、男性は「現実」重視で女性は「理想」重視なのかなと思いましたが、その他の結果を見るとそうでもなさそうですね。
男性が全てに対して鈍感(無関心)になっているのでしょうか…。
投稿: がんさん@大和の国 | 2012年2月14日 (火曜日) 12:10
がんさんへ
どうなんでしょうかね?
男性の方がそういう社会情勢の報道を見なくなって来ているのかもしれません。新聞離れも影響しているのでしょうかね?
投稿: 玉井人ひろた | 2012年2月14日 (火曜日) 17:35
原発自体は、安全だと今でも思っています。
巨大地震と大津波さえなかったらですが・・・
それより放射性廃棄物の処理の方が問題だと思っています。
いずれにしても、新規原発は止めた方がよろしいでしょう。
自然再生エネルギーによる発電をメインにするべきです。
多少高く付いてもです。
投稿: もうぞう | 2012年2月14日 (火曜日) 20:13
もうぞうさんへ
そうですね。発電力が火力くらいあればもっとそっちの方に変換されていくでしょうね
ただ、経済産業省としては放射性廃棄物より「使用済み核燃料」の方が10年ほど前から大問題になっているんです。
これは後で記事にします
投稿: 玉井人ひろた | 2012年2月14日 (火曜日) 21:57