黙っていても“止まる運命”
原発については福島第一原発災害以降、「廃止、停止すべき」とか、「いまは、まだ性急すぎる」とか、賛否両論が起きています。
ところがです。その原発の担当省である経済産業省、特に文部科学省と当事者である電力会社はすでに20年以上も前から知っているんです。
「このままでは2020年までには国内のすべての原子力発電が止ってしまう」と、いうことをです。
その理由は非常に簡単なものです
今回の“原発災害”によって国民がよく解ったことの一つに使用済核燃料があります。
この使用済みの核燃料が、使用を終了してもなおプールなどに入れて冷やしておかなければ高熱になって危険な放射性物質であると言うことが、それでしょう。
ですから、各原子炉ごとに巨大な使用済み核燃料プールが併設されています。
つまり、原子力発電と言うのは使い終わった核燃料を貯蔵(廃棄)するためのプールが無いと新たな核燃料を原子炉に入れて稼働させることができない仕組みなのです。
そのプールの貯蔵能力が全国の原発施設であと7~8年分しか空きが無いというのです。つまり、2020年にはもう原子炉に核燃料を入れられず止まるということです。
国は原発族議員を中心にして、原発稼働の延命処置として青森県六ケ所村に“仮の”貯蔵施設を作りましたが、ここもすでに満杯です。
それに、この六ヶ所村の施設は2015年までに再処理工場が完成し稼働するまでの「仮置き場」で、本来はもうずっと以前から使用済み核燃料は運び出されていなければならないのです。
でも、ご存じのとおり再処理工場は未だに稼働も営業開始どころか、処理実験もなされていない状況、これがあと2~3年で稼働できることが不可能であることは素人でもわかります。
それを回避するにはどんなやり方が有るでしょう。
- 六ヶ所村の貯蔵施設の契約延長 (青森県知事も村長も絶対許さない構え)
- 新たな貯蔵施設を見つける (国内には全く見当たらない)
- 約束通り使用済み核燃料再処理工場を今年中に稼働させる (不可能)
- プルサーマル計画を推進する (それを受ける都道府県は無い)
- 高速増殖炉「もんじゅ」をすぐに稼働させる (不可能)
- 新たに原子力発電所を増設する (それを受ける都道府県は無いし、国から認可されない)
昨年の原発災害直後に東京電力から「原発増設許可申請」が出されていることが判明し、日本中で大騒ぎになりましたよね。
もしも、
もしも、世界でも高度な原子力技術を持つはずである日本、
その日本の電力会社や経済産業省が、意図的に再処理工場の研究開発を遅らせていたとしたら・・・・、
そして、その目的が5番の「原発増設」だったとしたら・・・、恐ろしい話です
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コメント
空恐ろしいことですね
放射性物質が発ガンと強く関わっていることは衆知のことでしょうが、何だか原発そのものが恐ろしいガン細胞に思えて来ました
投稿: 空 | 2012年2月22日 23:20
空さんへ
原発は「利権」というがん細胞のようです
投稿: 玉井人ひろた | 2012年2月23日 07:26