‘はしたない’ですよ。その言葉
会話で日常的に使われている中に、「その言葉を使うことは日本の作法的にはどうなんだろうか?」と、以前から気になっていたというものってけっこう有りますよね。
料理研究家でNHKのテレビなどでもよくお見受けする鈴木登紀子さん、88歳の米寿から来る気品というものなのでしょうか、いかにも育ちのよい上品かつ軽妙な語りくちの方です。
この方が日本人のマナーについて次のようなお話をされたそうです。
「お祝いごとは家族揃って外食、おすしはおすし屋さんで…というかたもいらっしゃるでしょう。そんなとき、ちょっと覚えておいていただきたいこと(マナー)がございます。」
という語りだしから始まったそうで(上品だ)、つまりはお寿司屋さんに行った時のマナーと言うわけです。
「あがりをください」などと言ってはいけませんよ。「お茶をお願いします」といいましょう。
「しゃり」(ご飯)、「がり」(しょうが)もいけません。
「ネタ」なんてとんでもないですよ。
「おあいそ」も当然ですね。
最近では、当たり前のように使われていますが、これらはいわゆる“隠語”で、素人の女性が口にするべき言葉ではないのです。
「おあいそ」とは、本来はお店側がお勘定書きを渡す際に、「お愛想がなくて申し訳ありません」と添えていた言葉です。
「ごちそうさまでした」とひと言、目を見ておっしゃれば通じます。
“粋”を取り違えて、努々、お愛想を尽かされませんように
お話は日本の女性に対して話されているようですが、その気品ある日本女性の暮らしを実践してこられた88歳の鈴木登紀子さんならではの説得力のあるお話だと思います。
私も以前から、隠語(業界用語、専門用語)というのは部外者が当たり前のように使うのは不自然だと感じている者でしたので、納得のお話でした
現在、礼儀作法講師と言う、それを商売にしている人達は意外と最近のマナーを教えていて、古からやっている本来の日本の作法とは違っている人たちが多くみられ、わたしは疑問を抱く場合が多く、あまり信ぴょう性を感じられないのです
日本的な「恥」、「はしたない」という根本はやはり人々の暮らしの中から生み出されたもので、何か“計算されたもの”とは違うものですよね
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コメント
本当にそうですよね。ヤバイとか平気で使っています。ポリさんとか???でも、本当に言葉、きしょい!!!きもい!!!びみょいニュアンスがやっぱりイヤですねえ。
投稿: 山口ももり | 2012年3月 9日 (金曜日) 09:05
山口ももりさんへ
そういう言葉は、新たに増えた言葉かどこかの方言だそうですから、これから市民権を得ていくんだと思います
投稿: 玉井人ひろた | 2012年3月 9日 (金曜日) 11:39
このようなお話しには、まことに身につまされる思いがいたします。本当の意味を知らずに、あたりまえのように使っていて、あとで一人赤面するようなことも度々です。
『“粋”を取り違えて、努々、お愛想を尽かされませんように・・・』まさしくその通りでございます。肝に銘じます。
投稿: koji | 2012年3月10日 (土曜日) 09:54
kojiさんへ
この寿司屋でのことは「粋じゃなく“知ったかぶり”になる」ということを言われたかったのかもしれませんね
投稿: 玉井人ひろた | 2012年3月10日 (土曜日) 13:57