五色吹き流しと鯉のぼりの雑学
日本の場合は冠婚葬祭や神道、仏教にこだわらず「五色」というのが、関係してきます。色に宗教的考えを持つのは東洋の共通点なのかもしれません
その根源は、4千年以上の文化を持つ中国、その古代中国の陰陽五行説に由来する文化です。
【五行】【五色】【五方】 【五時】【五常】 【五官】 【五獣】
木 = 青 ……東 ……春 ……礼 ……目 …青竜
火 = 赤 ……南 ……夏 ……仁 ……舌 …朱雀
土 = 黄 ……中 ……土用 …義 ……口 …黄麟
金 = 白 ……西 ……秋 ……智 ……鼻 …白虎
水 = 黒 ……北 ……冬 ……信 ……耳 …玄武※、青には緑・藍・紺をも含んでいる。中国では赤は汚い色で本来嫌われて使わない漢字、正確には朱(オレンジに近い明るい赤)が使われている
上記がその基本中の基本でしょう。
さて明日は5月節句と言うことで、その色を鯉のぼりに当てはめてみたいと思います。
その前に、5月節句に鯉のぼりと言う慣習について話しますと、最初は武士の旗指物を軒先に掲げる武家だけの行事だったのを真似して(対抗して)町人が縁起物の鯉で“吹き流し”を節句に挙げたアイディアに由来するようで、どう見ても「のぼり」というより「吹き流し」の形状であるのはその由来からくるようです。
今回は色ですが、これが流行り出した江戸時代には「真鯉」の黒色しかなかったようです。明治になって「錦鯉」が出回りだすと赤い色の「緋鯉」が出始め、青色などは昭和になってから出たようです。
その色の指す家族も、明治までは「真鯉=父親、緋鯉=子供(男子)」だったようで女性は入れなかったらしく、「家族」の考えが強くなった昭和になってから「真鯉=父、緋鯉=母、青い鯉=子供」となり、さらに「3匹=奇数は縁起が良い」となって現在に至ったようです。
さて色の意味ですが、おおむね次のようになっているようです。
<黒=真鯉>
黒は冬で水を表す。
五行説の冬は、堅く閉ざし動かないという季節を意味することから、
父というものは、安易に変容してはならず、どっしりと構えるのが理想であることを意味する。
そして水は全ての生物の命の源であり必要不可欠なものであることを意味する<赤=母)
赤は、夏で火を表す。火
火は万物を生み出す源であり、知恵を象徴する物であるから、
人間が手に入れた火は、知恵、文明を意味する。
そして夏は次々と生命を育む季節でもあり母そのものを意味する。<青(緑)=子供>
青は、春で木を表す。
全ての生命がのびのびと活動を始める春、そして伸びる木は、子供のあるべき姿そのものであるという考え。
つまり3匹・3色の鯉のぼりには、安定と生命の源の供給、知恵と育成、成長と繁栄いう、平和な家庭、そして子供達の健やかな成長を守る意味があるわけです。
日本人の考え方と言うのは、深いですねえ。
ちなみに現在全国で見られる河川上等にて大量の鯉のぼりを掲げる行事は、昭和45年(1970)に群馬県多野郡神流町(旧万場町)で造園業をやっていた「黒澤好平さん」が個人で神流川にワイヤーを張ってやったのが元祖だそうです。
それは今でも「神流川鯉のぼり」として会で存続されているそうで、最大の物のようです
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コメント
今年は不幸が多く、バタバタしているうちに忘れて・・・と言うよりは気が回らなくて、、、^^;)いつもの捧げ物だけで勘弁して貰ったのですが、初午の時の旗が矢張り「青黄白赤紺(せいおうびゃくせきこん)」の順に色紙を張り揃えた上に文字(稲荷大明神とかの、、^^;)を書いて供えて来ました(^^)v 全て(かな?)この五色に繋がるのですねえ!!
投稿: 空 | 2012年5月 5日 17:55
空さんへ
全てこれです。大相撲も四方を黒、赤、白、青の各房下という呼び方をしていますよね
投稿: 玉井人ひろた | 2012年5月 5日 18:45
う・う・・・・ん・・・ヨーロッパにはないって云うのがうれしいです。本当に空を泳いでいるようにみえますもの。
投稿: 山口ももり | 2012年5月 8日 09:55
山口ももりさんへ
伝統文化ですね
投稿: 玉井人ひろた | 2012年5月 8日 12:46