「怖い」と言っても‘恥’じゃない
このブログにも昨年書いたと思いますが、昨年の3月の東日本大震災後に起きた福島第一原発爆発事故とそれに伴い全国に飛散した放射性物質は人々の不安と恐怖を煽りました。
その事故後すぐに福島県は「放射線健康リスク管理アドバイザー」として長崎大学から専門の教授を招き、県内各地で放射線の影響について講演と質疑応答が開始されました。
わが村にも3月にその一人の「高村 昇 教授」が来られて村の改善センターにて講演会が開かれました。
今でも記憶に残る話の一つにこういう内容のが有りました。
- 今ぐらいの線量なら健康に影響は無いですが、「わたしはどうしても放射能が怖い、恐ろしい、だから県外に避難したい」と、思う方はどうぞ県外に避難なされてください。
そのとお気持ちと行動はまったく恥かしいことではありません。
質疑応答も終了した終了近くの最後のコメントとして同教授が語ったものですが、この言葉によって集まった人々の中には「やはり避難しなくちゃ!」と不安を募らせた方も少なくなかったとを近所の人などの話しから後で知りました。
それでも、東北人と言うことじゃなく日本人の資質なのかもしれませんが「私は放射能が怖くて怖くて、どうしようもない」と、言っている人を見聞きするでしょうか?
放射能汚染の疑いがある瓦礫受け入れを反対する方々、子供たちの健康のため家族と離れて県外に避難されている方々、その方たちで「私は怖いんです」と言っているのをテレビなどで見たことが無い気がします。
そのかわり、東電や政府に抗議する人や子供を抱える親御さんたちもマスコミも共通して言うのは「子供たちが放射能を怖がっている」です。これは、非常によく使われる言葉です。
私だけが視聴できていないのかもしれません。
親やマスコミは「(子供より)私自身が怖いんです」と言っていいんじゃないでしょうか。そう言っても、けして恥かしいことじゃないと思います。
「子供たちが放射能を怖がっている」この言い方では、まるで親や大人の恐怖心を子供を口実や、自分のかわりの盾にしているようで私にはかえって子供がかわいそうに思えてならないのです。
賛否は有るでしょうが、あえて記事にしてみました。
あるテレビ局がチェルノブイリ原発事故を経験したすぐそばの町に住んでいる人々を取材する番組で、当時小学生だったという男性(今は40代くらい)に、原発事故当時のことをインタビューした場面でのことで、男性はこう語っています
Q、「あの原発事故当時のことを覚えていますか?」
男性、「親や大人たちは(影響など)とても騒いでいた記憶がある」
※、その男性によると今までに原発事故による放射能の影響で病気になったという話は今まで聞いたことが無いと語っていた。
番組は解説無しで淡々と上記の内容を伝えていました。
たぶん現在の子供たちも2~30年後にインタビューすればこの男性と同じ答え「大人は騒いでいた」が出るんだろうと思います。
| 固定リンク | 0
コメント
私の認識では、低レベルの放射線量なら影響が出るのは数年後か数十年後だと思っています。
だから、年寄りは怖がることもないと思うのですけどね~
ただそのレベル(数値)が、高いのか低いのか?データが少ないので難しいところだと思いますけど。
もちろん子どもや若い人、妊婦さんなどは最大限の保護策が必要かと思います。
投稿: もうぞう | 2012年5月28日 (月曜日) 18:15
もうぞうさんへ
死に至る放射線量の研究はほとんどわかっているそうです。
しかし、低レベルの放射線の影響についてはチェルノブイリから研究調査始まったばかりで現在もまだ解明されていないのが事実のようです。
実際として放射線との因果関係を証明判断するする手段さえ未だ確立されていないようです。
5~6年以内というのがキーワードのようです。
それよりも、どの分野の医師も共通して言うのは「恐怖からくるストレスのほうが、病気になるリスクが断然高い」ということですね
投稿: 玉井人ひろた | 2012年5月28日 (月曜日) 18:38