”まぬけ”な福島県庁の防災訓練
今月の連休明けに福島県の県庁では全職員の災害訓練を行いました。真剣な顔の佐藤県知事を中心に県内で大きな災害が起こったことを想定した大掛かりな訓練で、事前に職員には知らされない“抜き打ち”の形で行われましたが各部課長の動きは整然と無駄な動きもなく各市町村と連携する役割の人々も手際よく進む様子がテレビに映し出されました。
東日本大震災から1年を経過しての訓練で各職員も真剣は表情が印象的でした。わが家でもその様子を興味津々で見ていました。
ただし、東日本大震災が起こるまえなら、わたしも見方が家族と同じだったでしょうが、経験した私はその様子を「間抜けな訓練」と感じ、失笑しながらただ一人見ていました。
なぜなら・・・
<理由>
- 抜き打ちと言いながら、報道関係者のテレビカメラが職員を映し出していたこと。
テレビ局スタッフが訓練開始前から大挙して来ているのだから、訓練が有ることは事前に知っていたとしか考えられない。 - 昨年起きたような震災が県庁所在地にも起き、県庁の建物が火災や倒壊または傾きなどで使用できなくなった場合の拠点移動を想定した訓練が全く無い
- 市町村との連絡は、今回の震災で電気・電話・携帯電話などすべての連絡網が断たれてしまった場合のときの市町村との連絡手段の想定訓練が全く無い
- 知事や県庁幹部など作業指示する人間が(死傷などで)いない場合の想定訓練が全く無い
1が一番笑えました。
2~3については、今回の震災で実際に起きたことばかりです。それを全く取り入れていない従来通りの防災訓練になんの意義があるのでしょうか?理解できませんでした。
福島県の県庁所在地というのはほとんどの他県と違い北端に存在し、交通の便には良くない位置に存在します。これは明治時代から変わっていません。
立地条件としては、本来ですと南北に延びる「東北自動車道、4号国道、JR東北本線」、そして東西に延びる「磐越自動車道、49号国道、JR磐越東西線」のすべてが交差し、福島空港も近い郡山市に県庁が有れば県内全域がほぼ同じ距離でカバーできるのです(位置的には本宮市がほぼ中央)
今回の震災でも首都圏からの補給はすべて郡山市までで、福島市は石油、電気、ガス、水道、食料事情など大幅に復旧が遅れました。(タンクローリー車は郡山市まで来て引き返してした)
ですから、いざという時には郡山市に県の機能を移すというような大胆な訓練も必要だったと思います。
行政の危機管理というのは、どこでもこういうものなのでしょうか。ため息が出ます
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コメント
1)などは、まったく笑い話のようですね。
投稿: もうぞう | 2012年5月11日 20:54
もうぞうさんへ
そうですよね。思いますよね
投稿: 玉井人ひろた | 2012年5月11日 21:06
災害を身近に体験したと云うのに(今だ未解決)
佐藤県知事は政府に
何とかしてもらいたい・・
福島県人の苦労を理解して欲しい・・
と、訴えていたのに
実際の現場では
このような訓練対応で本当に良いと思っているのでしょうか?
何の体験(経験)も全然活かされていないですよね
とても残念です。
何故改善されないのでしょうか
何も変えられない では済まされないと思います
投稿: 7583 | 2012年5月11日 22:17
7583さんへ
行政、公務員とは変化を非常に嫌います。その表れかもしれません
投稿: 玉井人ひろた | 2012年5月12日 07:16
本来、県庁は郡山市に出来る筈だったのに?と言う話をよく聞きますけど、、^^;)
福島市は文化都市として郡山市は行政都市とすれば、本当に理想的だと思うのですが、お役所の考え方は不思議の無限大ですね(-"-;)
投稿: 空 | 2012年5月12日 07:37
空さんへ
私も聞いた気がしますが、実際は無かったようです。
旧二本松県(郡山市、安達郡、二本松市、本宮市)と旧福島県(福島市、伊達郡、伊達市)が合併して「二本松県」なったさいに、明治政府から県庁は福島に置け」という一方的な命令で決まったことが、いわき県、会津県と合併しても継続されたようです。
投稿: 玉井人ひろた | 2012年5月12日 07:53