5月5日は、「こどもの日」?「子供の日」?
5月5日は“こどもの日”という祝日になっているわけですが、この記念日の名称に「子供の日」ではなく、「こどもの日」というふうに「こども」を平仮名表記にしているのにはたいした意味はないと思っていたのです。
しいて言えば、「分かりやすい。幼い子でも読める。漢字より柔らかい表現」だと考えていました。
ところが、昭和25年(1960年・吉田茂内閣時代)
<文部省刊行物の基準>
「こども」は仮名書きし、「子供」または「子ども」を( )内に入れて漢字を使っても差し支えないが仮名書きが望ましい。
驚いたことに「子供」という漢字は“差別用語”になるから使わないように文部省から上記のような通達が出されていたのです。
「なにが差別なのか?」と調べたら、「供」という漢字が「お供=家来」や「供える」というイメージを持たせるため、子供の人権侵害に当たる可能性が有るということが一部の人権擁護団体から指摘が有ったんだそうです。
そのことで「差別」となったらしく、学校や保護者会などでは「子供」を文章にするときはひらがな表記にするらしいのです。
わたしには理解不能です
昭和23年(1958年・芦田均内閣時代)の内閣告示「当用漢字音訓表」、「供」の訓読みに「とも」がと有り、用例として「供、子供」が掲載されています。
そして、昭和56年(1981年・鈴木善幸内閣時代)に当用漢字表という言い方に代わって設けられた「常用漢字」、その時に内閣告示された「常用漢字表」には、昭和23年内閣告示と全く同じに「供」の「とも」の訓読の項の用例欄には「供、子供」と掲げられています。
ですから、新聞・放送関係では、早くから統一用語として「子供」を使うことになっているし、公用文関係などでも、「子供」の表記を採っているようです。
「被曝(ひばく)」の漢字の「曝」が常用漢字に無いから「ばく」とひらがな表記するなら理解できますが、「供」が差別だから「とも」と書くという発想そのものが理解できません
百歩譲って「供」が差別なら、「とも」と平仮名にしてもそれは差別用語には変わりがないと思います。
「供」という漢字は、人々が揃って両手を広げている様子が漢字になったもので協力一致することを意味する漢字です。
それを差別とする根拠、人権擁護団体と言われる一部の人々の過剰連想だと思いますが、日本人の気質には「悪く連想する人が居るなら使わないようにしましょう」という考えに落ち着くところが有ります。
それが良い場合も悪い場合も有りますが、外交ではその気質が「日本人は強く意見すると引っ込む。弱い。」とみられている気がします。
「子供」、漢字で良いですよね。
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コメント
またまた知らないことでした。
最近では、障害とか障害者の害の字が、悪者扱いされていますね。
障がいと表記することが多くなりました。
これもなんか似ていますね。
投稿: もうぞう | 2012年7月25日 (水曜日) 19:10
もうぞうさんへ
こういうことは、障害もですか。本来の意味を知らない人が過剰な連想で騒ぐんでしょうね。
投稿: 玉井人ひろた | 2012年7月25日 (水曜日) 19:23